諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 外観 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 庭から工房を見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 1階、工房部分、右奥にピアノ教室が見える。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階、住居部分、寝室からキッチンとリビング見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所 が設計した、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」です。
歴史ある街道に面する敷地に計画されました。建築家は、道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案しました。そして、街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変えました。
家具工房とピアノ教室を併設した夫婦の住まいである。
1階には妻の家具工房があり、作業場ともなる大きな庭に開いている。庭は巡見街道に面しており、周辺住宅のように塀で閉ざすことはせず、工房の様子を街の人に感じてもらえるようにした。道路から少し距離を取ることで、見られることによる作業のしにくさを緩和している。
工房の天井高さは資材搬入や加工といった材料のスケール変化に合わせている。大きな両開き戸の搬入口は天井が高く、組み立てや塗装などをするスペースは天井が低い。天井高さの違いが2階の床の段差となり、その隙間から2階の家族と視線や会話のやり取りができる。
竣工して1年ほどして訪れたとき、施主が「この家を建ててから、地元を耕すような気持ちになった」と話していた。夫はこの地に生まれ育ったが、これまで地元には特段の愛着はなかったという。少しだけ開かれた家をつくったことで多くの人から声を掛けられるようになった。
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諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 俯瞰 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 外観 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 外観、街道より見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 庭から工房を見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 1階、工房部分、右奥にピアノ教室が見える。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 1階、ピアノ教室部分、正面奥:二階への階段、右側:工房 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階、住居部分、手前:キッチン、奥:寝室 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階、住居部分、寝室からキッチンとリビング見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階、住居部分、リビング photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階、住居部分、スリットから1階の工房を見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階、住居部分、寝室 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 外観、夜景 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 外観、街道より見る、夜景 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 配置図兼1階平面図 image©諸江一紀建築設計事務所
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 2階平面図 image©諸江一紀建築設計事務所
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える 断面図 image©諸江一紀建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
家具工房とピアノ教室を併設した夫婦の住まいである。
1階には妻の家具工房があり、作業場ともなる大きな庭に開いている。庭は巡見街道に面しており、周辺住宅のように塀で閉ざすことはせず、工房の様子を街の人に感じてもらえるようにした。道路から少し距離を取ることで、見られることによる作業のしにくさを緩和している。
工房の天井高さは資材搬入や加工といった材料のスケール変化に合わせている。大きな両開き戸の搬入口は天井が高く、組み立てや塗装などをするスペースは天井が低い。天井高さの違いが2階の床の段差となり、その隙間から2階の家族と視線や会話のやり取りができる。
工房の南には夫の母が営むピアノ教室がある。道からは大きなガラス面を通して教室の様子が見える。夫は幼少期からピアノの音を聞いて育ち、新しい家でもそのようにしてほしいと要望があった。斜め天井に音が反射し、床のスリットから2階住宅へ音が反響する。
2階が夫婦の住まいである。生活の場からも工房の様子が見え、ピアノの音が伝わるだけではなく、2階南側の窓の光が工房北側奥まで届く。この住宅が建つ一宮市にはノコギリ屋根の工場が多いが、床の段差は室内に取り込まれたノコギリ屋根とも言える。
竣工して1年ほどして訪れたとき、施主が「この家を建ててから、地元を耕すような気持ちになった」と話していた。夫はこの地に生まれ育ったが、これまで地元には特段の愛着はなかったという。少しだけ開かれた家をつくったことで多くの人から声を掛けられるようになった。そして少しでも地元に貢献できるようにと、趣味のチェロを活かし地元出身の有名作詞家佐藤一英による校歌を弾き、youtubeにアップした。
職や住が渾然一体となった建築が街に開くことで街が変わり、人の意識が変わることをめざした。
■建築概要
所在地:愛知県一宮市萩原町
設計:諸江一紀建築設計事務所
施工:誠和建設株式会社
構造設計:株式会社ハシゴタカ建築設計事務所 髙見澤孝志
構造:木造在来工法
基礎:布基礎
階数:地上2階
敷地条件:市街化調整区域、22条区域
道路幅員:東10.787m
駐車台数:2台
軒高:5.88m
最高高さ:7.5m
敷地面積:192.53㎡
建築面積:57.57㎡(建蔽率29.90%、許容60%)
延床面積:99.38㎡(容積率:51.62%、許容200%)
1階:49.69㎡
2階:49.69㎡
設計期間:2019年8月~2020年4月
工事期間:2020年5月~2020年12月
写真:ToLoLo studio