藤田時彦 / atelier umiが設計した、滋賀・大津市の飲食店「ciocco」です。
抜道に使われる裏路地の建物を改修しました。建築家は、既存の躯体や壁を活かし、左官仕上のカウンター等を追加して“古さと新しさが同居し調和する状態”を構築しました。また、天井の解体と保存で高低差のある“ダイナミックな断面”も生み出されました。店舗の公式サイトはこちら。
大津市長等の薪火イタリア料理店「ciocco」のデザイン。
場所はお寺の敷地内。地元の人が抜け道として使う裏路地にある。
飲食店は通常人通りの多い「表」の場所を選びがちだが、わざわざ来てもらうことを考えられている店主にとって「裏」のこの場所は最高の立地だったのではないだろうか。外観は極力手を加えず、古さをあえて残すように設計した。
エントランス直後、小さな窓から並んでいるワインが見える配置になっており、最小限のスペースを確保したワインセラーにはお客さんも自由に入り、自分好みのワインを選ぶことができる。
内部空間は既存の木造躯体や土壁を生かしながら、火のイメージや温かさを与えるオレンジ色の研ぎ出しカウンター、小石を混ぜた荒らしモルタル壁などの左官仕上を取り入れた。これにより古さと新しさが同居し調和する状態をつくった。
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以下、建築家によるテキストです。
大津の薪火料理
大津市長等の薪火イタリア料理店「ciocco」のデザイン。
場所はお寺の敷地内。地元の人が抜け道として使う裏路地にある。
飲食店は通常人通りの多い「表」の場所を選びがちだが、わざわざ来てもらうことを考えられている店主にとって「裏」のこの場所は最高の立地だったのではないだろうか。外観は極力手を加えず、古さをあえて残すように設計した。
エントランス直後、小さな窓から並んでいるワインが見える配置になっており、最小限のスペースを確保したワインセラーにはお客さんも自由に入り、自分好みのワインを選ぶことができる。
内部空間は既存の木造躯体や土壁を生かしながら、火のイメージや温かさを与えるオレンジ色の研ぎ出しカウンター、小石を混ぜた荒らしモルタル壁などの左官仕上を取り入れた。これにより古さと新しさが同居し調和する状態をつくった。
テーブル席は天井を撤去し吹抜けをつくり開放的な空間を演出し、一方カウンター席は既存の古民家特有の天井低さを残すことで、ダイナミックな断面構成となっている。
■建築概要
名称:ciocco
所在地:滋賀県大津市
用途:飲食店
設計:atelier umi 担当:藤田時彦
施工:清水建設工業株式会社
ロゴデザイン:Aika Miyazaki、Hikaru Miyazaki
構造:木造
階数:地上2階建て
1階床面積:55㎡
2階床面積:45㎡
設計期間:2021年11月~2022年3月
施工期間:2022年3月~2022年6月
竣工年月:2022年6月
撮影者:貝出翔太郎
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・建具 | 開口部 | 木製建具 [决り仕上]
木製格子
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外装・照明 | 照明 | ブラケット照明(Atelier Key-men)
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外装・その他 | サイン | 銅板サイン(Atelier Key-men)
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内装・床 | 客席・ワインセラー 床 | ナラフローリング(ナカムラコーポレーション)
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内装・床 | 厨房 床 | モルタル金コテ押え+塗床
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内装・床 | WC 床 | モルタル金コテ押え+防塵塗装
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内装・壁 | 客席 壁 | 既存土壁現し+硬化剤
樹脂モルタル荒し仕上
漆喰補修
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内装・壁 | ワインセラー 壁 | 調湿塗材
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内装・壁 | 厨房 壁 | モルタル磨き仕上
タイル貼(名古屋モザイク工業)
耐火煉瓦
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内装・壁 | WC 壁 | 樹脂モルタル荒し仕上
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内装・天井 | 客席 天井 | 既存野地板塗装
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内装・天井 | ワインセラー 天井 | 調湿塗材
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内装・天井 | 厨房 床 | 既存床板現し
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内装・天井 | WC 天井 | 樹脂モルタル荒し仕上
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内装・キッチン | 薪火グリル台 | スチール黒皮(HALO)
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内装・照明 | 客席 照明 | ペンダントライト(安土草太)
ライン照明(DNライティング)
スポットライト(コイズミ照明)
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内装・照明 | 厨房 照明 | スポットライト(コイズミ照明)
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内装・照明 | WC 照明 | ダウンライト(遠藤照明)
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内装・その他 | 階段 | ラワン合板箱階段
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