SHARE 多和良屋と稲荷明彦建築研究室による、石川の「羽咋高校 杜の鐘ホール」。在学生に加え卒業生も使用するホールの改修。関係者の皆が共有する“校歌”に着目し、歌詞に詠まれた“情景”をイメージした空間を志向。内容から連想された“柔らかな空間”を木製ルーバーの“曲面天井”で表現
杉中俊介+杉中瑞季 / 多和良屋と稲荷明彦建築研究室が設計した、石川・羽咋市の「羽咋高校 杜の鐘ホール」です。
在学生に加え卒業生も使用するホールの改修計画です。建築家は、関係者の皆が共有する“校歌”に着目し、歌詞に詠まれた“情景”をイメージした空間を志向しました。そして、内容から連想された“柔らかな空間”を木製ルーバーの“曲面天井”で表現しました。
羽咋高校創立百周年事業としての図書館棟1階ホールの改修計画です。
普段は在学生が勉強や休憩に利用し、休日などは、卒業生も集うイベント等をおこなう空間となるため、卒業生や在学生など、関係者すべてが共有しているものとして、校歌に着目しました。校歌は羽咋にゆかりのある折口信夫の作詞によるもので、羽咋の風景が詠まれ、そのなかで勉学に励み、これからの社会を築いていこうというものです。
校歌ができたあと、折口は校歌のなかに出てくる鐘を寄贈しており、校歌に詠まれた情景が強化されています。それと同じように、今回の計画でも校歌の情景をイメージした空間を構想しました。遥かに見える気多の浦のゆるやかな稜線、渚に寄せては返す波、たなびく雲などから連想されるやわらかな空間を、ホール上部に木製ルーバーで構成される曲面天井で表現しています。
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以下、建築家によるテキストです。
羽咋高校創立百周年事業としての図書館棟1階ホールの改修計画です。
普段は在学生が勉強や休憩に利用し、休日などは、卒業生も集うイベント等をおこなう空間となるため、卒業生や在学生など、関係者すべてが共有しているものとして、校歌に着目しました。校歌は羽咋にゆかりのある折口信夫の作詞によるもので、羽咋の風景が詠まれ、そのなかで勉学に励み、これからの社会を築いていこうというものです。
校歌ができたあと、折口は校歌のなかに出てくる鐘を寄贈しており、校歌に詠まれた情景が強化されています。それと同じように、今回の計画でも校歌の情景をイメージした空間を構想しました。遥かに見える気多の浦のゆるやかな稜線、渚に寄せては返す波、たなびく雲などから連想されるやわらかな空間を、ホール上部に木製ルーバーで構成される曲面天井で表現しています。
この場所でこれからおこなわれる卒業生と在学生の交流と学びが心の風景となり、校歌に寄り添うように、新しい未来が切り開かれていくことを期待しています。
■建築概要
名称:羽咋高校 杜の鐘ホール
所在地:石川県羽咋市
用途:高等学校
設計監理:多和良屋+稲荷明彦建築研究室 担当/杉中俊介、杉中瑞季、稲荷明彦
設備設計:木村設計室 担当/木村正栄
施工:分離発注
構造規模:鉄筋コンクリート造3階建の1階部分
改修面積:108.0㎡
竣工:2022年6月
写真:稲荷明彦建築研究室
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | 長尺塩ビシート(東リ) |
内装・壁 | 壁 | |
内装・壁 | 展示壁 | アクリル |
内装・天井 | 天井ルーバー | スプルス |
内装・家具 | 家具 | ベイスギ |
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