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2023.11.13Mon
2023.11.12Sun
2023.11.14Tue
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る
photo©上田宏

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architecture|feature
建材(内装・床)MOCHIDA建築設備設計事務所新進建設氏デザインEOS plus建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)図面あり依光建築設計佐藤淳遠藤克彦上田宏高知庁舎
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、エントランスホール photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、2階の階段ホール上の吹き抜けを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、議場 photo©上田宏

遠藤克彦建築研究所が設計した、高知・本山町の「高知県本山町新庁舎」です。
庁舎建築の現状にも向合う計画です。建築家は共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践しました。そして、機能に支配されない一室空間の様な建築を造りました。

本山町は人口3300人弱、高知県の北部中央に位置しています。
四国山地の中央、吉野川上流域にあたり、町土の約90%が山林に覆われている自然豊かな山里です。敷地は町を東西に貫く国道439号から少し奥まった、町の主要な公共施設が集まるエリアにあり、東側に町立病院が隣接しています。北側には、高知県の特徴的な風景をつくる沈下橋のかかる吉野川が流れています。

新しい庁舎はこの山里の自然環境を最大限に享受すると共に、この風景の一部となるよう、視認性を確保した上で川に寄せた計画としています。北側の川や山々の風景へ抜ける通り道のようなテラス、及び、周りの環境や建築スケールに沿ったエントランス前のひろばをつくり出す配置としました。

建築家によるテキストより

近年、限られた規模・機能の中で、ビルディングタイプからくる制約や構造、建築的言語にしばられない環境をつくることができないかと考えてきました。その思考のもと、公共建築にも携わってきましたが、庁舎の計画的な傾向としては、住民が普段使いできる充実した「共用エリア」を求められることが多くなっています。一方、発注者側からは、事務所建築としての「執務エリア」拡充の要望が強く、地方自治体での計画においては後者を求められるケースが多いのが現状です。
この二つを両立させる空間をデザインしていく上で、本建物では「ストラクチャーとエレメント」というキーワードを基に、各々の空間を一義的に分けた建築とするのでなく建築要素の操作によって両空間の関係を曖昧にさせることにより、その領域の拡張を試みています。

建築家によるテキストより

均質でブルータルな柱・梁で構成されたストラクチャーや普遍的な設備要素をベースとして、内部の環境を構成する執務エリアと共用エリア、吹抜やテラス、防煙垂壁などの建物をカタチづくるすべてのエレメントに優先順位を与えることなく状況に応じて等価なものとして捉え直し、ストラクチャーと明確に分けて立体的に組み合わせることで、ストラクチャーやその他エレメントとのズレや視線の抜けによる空間の差異をつくり、濃淡のある曖昧な領域をつくり出しています。
階を貫く二つの吹抜は、防煙垂壁や木枠サッシによる輪郭を持つヴォリュームとして空間に表出させています。高さ方向への延びやかさやつながりを生み、各階では緩やかに領域を分節するエレメントとなります。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る鳥瞰 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、エントランスホール photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、エントランスホールから執務エリアを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、執務エリア photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、左:執務エリア、右:待合スペース photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、執務エリア photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階、もとやまホールから2階への階段を見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階から2階への階段 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る2階、エントランスホール上の吹き抜けを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る2階、エントランスホール上の吹き抜けを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る2階、階段ホール photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る2階、階段ホールから待合スペースを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る2階、3階への階段を見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、2階の階段ホール上の吹き抜けを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、2階の階段ホール上の吹き抜けを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、町民ホール photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、町民ホールからエントランスホール上の吹き抜けを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、町民ホールからテラスを見る。 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る3階、議場 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観、夕景 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観、夜景 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る外観、夜景 photo©上田宏
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る配置図 image©遠藤克彦建築研究所
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る1階平面図 image©遠藤克彦建築研究所
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る2、3階平面図 image©遠藤克彦建築研究所
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造る断面図 image©遠藤克彦建築研究所
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造るストラクチャーとエレメントの構成ダイアグラム image©遠藤克彦建築研究所
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造るストラクチャーとエレメントの構成ダイアグラム image©遠藤克彦建築研究所
遠藤克彦建築研究所による「高知県本山町新庁舎」。庁舎建築の現状にも向合う計画。共用と執務のエリアの“拡張”的な両立を求め、柱と梁の“ストラクチャー”の中で全ての“エレメント”を等価に集合させる設計を実践。機能に支配されない一室空間の様な建築を造るストラクチャーとエレメントの構成ダイアグラム image©遠藤克彦建築研究所

以下、建築家によるテキストです。


空間を拡張に導く「ストラクチャーとエレメント」

本山町は人口3300人弱、高知県の北部中央に位置しています。
四国山地の中央、吉野川上流域にあたり、町土の約90%が山林に覆われている自然豊かな山里です。敷地は町を東西に貫く国道439号から少し奥まった、町の主要な公共施設が集まるエリアにあり、東側に町立病院が隣接しています。北側には、高知県の特徴的な風景をつくる沈下橋のかかる吉野川が流れています。

新しい庁舎はこの山里の自然環境を最大限に享受すると共に、この風景の一部となるよう、視認性を確保した上で川に寄せた計画としています。北側の川や山々の風景へ抜ける通り道のようなテラス、及び、周りの環境や建築スケールに沿ったエントランス前のひろばをつくり出す配置としました。

近年、限られた規模・機能の中で、ビルディングタイプからくる制約や構造、建築的言語にしばられない環境をつくることができないかと考えてきました。その思考のもと、公共建築にも携わってきましたが、庁舎の計画的な傾向としては、住民が普段使いできる充実した「共用エリア」を求められることが多くなっています。一方、発注者側からは、事務所建築としての「執務エリア」拡充の要望が強く、地方自治体での計画においては後者を求められるケースが多いのが現状です。
この二つを両立させる空間をデザインしていく上で、本建物では「ストラクチャーとエレメント」というキーワードを基に、各々の空間を一義的に分けた建築とするのでなく建築要素の操作によって両空間の関係を曖昧にさせることにより、その領域の拡張を試みています。

正方形グリッドモジュール(7.5m×4スパン)を採用した、耐震壁付RCラーメン構造3階建てのコンパクトな建物には、立面的な層を構成する深いスラブの間に日射遮蔽や目隠し機能を担うスクリーンとして地域産材である嶺北産スギ材ルーバーをまとわせ、最上階には三角形の木造屋根をかけています。
このスラブのエッジとルーバーによる垂直水平方向の秩序を持つ構成と木造屋根や構造の方杖梁がつくる斜めのラインの関係性を整理することにより、周りの風景とのバランスをとり計画しました。方杖梁はコーナー柱を取り払うことを可能にし、均等グリッドの閉塞感や均質性から開放した屋外の居場所を創出しました。
照明や空調機器、ラックや配管ダクトなどの設備要素もグリッドモジュールに則った規則的なレイアウトとし、ストラクチャーに付随した設えとしました。

また、均質でブルータルな柱・梁で構成されたストラクチャーや普遍的な設備要素をベースとして、内部の環境を構成する執務エリアと共用エリア、吹抜やテラス、防煙垂壁などの建物をカタチづくるすべてのエレメントに優先順位を与えることなく状況に応じて等価なものとして捉え直し、ストラクチャーと明確に分けて立体的に組み合わせることで、ストラクチャーやその他エレメントとのズレや視線の抜けによる空間の差異をつくり、濃淡のある曖昧な領域をつくり出しています。
階を貫く二つの吹抜は、防煙垂壁や木枠サッシによる輪郭を持つヴォリュームとして空間に表出させています。高さ方向への延びやかさやつながりを生み、各階では緩やかに領域を分節するエレメントとなります。

「ストラクチャーとエレメント」この関係の整理を丁寧に行った結果として、庁舎機能に支配されることのない部分と全体とがシームレスにつながる、大きなワンルームのような庁舎建築が実現できたのではないかと思います。

特徴的な木屋根に覆われた、周囲の自然を取込む開放的な居場所として、本山町ならではの体験やいとなみに寄り添い、まちの文脈の一部として親しまれ、受け継がれていく庁舎となることを願っています。
(遠藤克彦+木村史聴 / 遠藤克彦建築研究所)

■建築概要
名称:高知県本山町新庁舎
所在地:高知県長岡郡本山町本山636番地
主要用途:庁舎
建築主:本山町
建築設計:遠藤克彦建築研究所 担当:遠藤克彦、木村史聴、石村翔一、畑崎萌笑※
設計協力:依光建築設計事務所 担当:依光成元、依光孝和
建築施工:新進建設 担当:山下悦生、白川敬理、市川竜
構造:佐藤淳構造設計事務所 担当:佐藤淳、本田幾久世※
設備:EOS plus 担当:高橋翔、遠藤和広、野口亮太郎
MOCHIDA建築設備設計事務所 担当:持田正憲
外構:遠藤克彦建築研究所 担当:遠藤克彦、木村史聴、畑崎萌笑※
依光建築設計事務所 担当:依光成元、依光孝和
積算:フジキ建築事務所
担当:江幡裕次
サイン:氏デザイン 担当:前田豊、尾崎房、星野実穂※
家具:遠藤克彦建築研究所 担当:遠藤克彦、木村史聴、畑崎萌笑※
建築監理:遠藤克彦建築研究所 担当:遠藤克彦、木村史聴、畑崎萌笑※
依光建築設計事務所(外構・補助) 担当:依光成元、依光孝和
構造監理:佐藤淳構造設計事務所 担当:佐藤淳、古市渉平、張耕嘉
設備監理:EOS plus 担当:高橋翔、遠藤和広、野口亮太郎
MOCHIDA建築設備設計事務所 担当:持田正憲
サイン監理:氏デザイン 担当:前田豊、尾崎房、星野実穂※(※元所員)
空調・衛生施工:シンゲン 担当:森勝彦
電気施工:日興電設 担当:山崎英起
建ぺい率:32.89%(許容:70%)
容積率:69.45%(許容:200%)
階数:地上3階
構造:鉄筋コンクリート造一部木造(屋根)
敷地面積:3,743.57㎡
建築面積:1,231.44㎡
延べ面積:2,819.77㎡(屋外倉庫 / 車庫等の付帯建物含む)
設計期間:2019年10月~2021年3月
施工期間:2021年9月~2022年12月
写真:上田宏

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁

コンクリート打放し 撥水材塗布:ランデックスコートWS疎水剤_グレーNo.34調色特注色・クリア(大日技研工業)
嶺北産スギ材竪ルーバー 窒素加圧加熱処理木材:エステックウッド(江間忠木材)

外装・屋根屋根

金属屋根粘接着工法 溶融55%アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板t=0.4 一文字葺き
パーフェクトルーフ 横一文字葺(ダイムワカイ)

内装・床待合スペース(1階)、エントランスホール床

置敷きビニル床タイルFT_t=4.0:ルースレイ40NW-EX_□-500_TTN1103(東リ)

内装・壁コンクリート打放し壁

コンクリート打放し 撥水材塗布:ランデックスコートWS疎水剤 グレーNo.34調色特注色・クリア(大日技研工業)

内装・壁吹付左官壁

内装薄塗材E:ジョリパット不燃JQ-200 ゆず肌(アイカ工業)

内装・天井天井

コンクリート打放し 撥水材塗布:ランデックスコートWS疎水剤 グレーNo.34調色特注色・クリア(大日技研工業)

内装・天井町民ホール(3階)、議場天井

硬質木毛セメント板 t=15 欧州赤松集成材梁 準不燃塗料塗布:ノットバーン 大臣認定準不燃材料 水性(サワダケミカル)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    UAoによる、栃木の「那須塩原市図書館 みるる+駅前広場」
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    SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎による、東京・港区の「博報堂本社エントランス」。受付機能に加えて打合せやイベントも行う場所。多様な状況の許容と会社の顔としての格式を求め、壁面や設備等の色味を統一して“圧迫感とノイズ”を消去する空間を志向。家具を組合せた場づくりで“可変性”も実現
    photo©Masaaki Inoue BOUILLON

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    architecture|feature
    東京事務所前嶋章太郎朔永吉港区建材(内装・床)建材(内装・照明)建材(内装・その他)SAKUMAESHIMA井上昌明コクヨ
    SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎による、東京・港区の「博報堂本社エントランス」。受付機能に加えて打合せやイベントも行う場所。多様な状況の許容と会社の顔としての格式を求め、壁面や設備等の色味を統一して“圧迫感とノイズ”を消去する空間を志向。家具を組合せた場づくりで“可変性”も実現 photo©Masaaki Inoue BOUILLON
    SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎による、東京・港区の「博報堂本社エントランス」。受付機能に加えて打合せやイベントも行う場所。多様な状況の許容と会社の顔としての格式を求め、壁面や設備等の色味を統一して“圧迫感とノイズ”を消去する空間を志向。家具を組合せた場づくりで“可変性”も実現 photo©Masaaki Inoue BOUILLON
    SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎による、東京・港区の「博報堂本社エントランス」。受付機能に加えて打合せやイベントも行う場所。多様な状況の許容と会社の顔としての格式を求め、壁面や設備等の色味を統一して“圧迫感とノイズ”を消去する空間を志向。家具を組合せた場づくりで“可変性”も実現 photo©Masaaki Inoue BOUILLON

    SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎が設計した、東京・港区の「博報堂本社エントランス」です。
    受付機能に加えて打合せやイベントも行う場所の計画です。建築家は、多様な状況の許容と会社の顔としての格式を求め、壁面や設備等の色味を統一して“圧迫感とノイズ”を消去する空間を志向しました。また、家具を組合せた場づくりで“可変性”も実現しています。施主企業の公式サイトはこちら。

    日本を代表する広告代理店である株式会社博報堂オフィス エントランス(レセプションエリア、ラウンジエリア、ミーティングエリア)のインテリアデザイン。

    会社の顔となるレセプションを始めとしたこのエリアでは、社内外の為のイベントが開催できること、そして、社員だけでなく、取引先やコラボレーターが働いたりミーティングすることができるエリアとして計画された。

    建築家によるテキストより

    従来、コーポレートのエントランスは、会社の威厳をアピールするような意味合いを込めたデザインが選択されることも少なからずあるが、こちらのエントランスはその限りではなく、社員はもちろん、様々な協力パートナーの接点となる場所として、多様なシチュエーションを内包できる空間を目指している。
    また、談笑しながら食事を行うこともあれば、外部とのリモートセッションに励む人、ミーティングを行う人など、それぞれが自由に過ごしながらも、会社のエントランスらしく、格式を感じてもらえるようなインテリアエレメンツを選択した。

    建築家によるテキストより

    このエリアは300㎡程度のエリアではあるものの、会社の顔になるエリアであること、また人の往来が多いことから、短時間でも落ち着いて会話ができるように色味を検討した。天井高を出来るだけ高く感じてもらえるよう、天井は解体した後、ダクトなどはシルバー、グレイで統一し、空間から感じる圧迫感とノイズを出来るだけ消し去るようにした。また、オリーブグレイの壁面、グレイスケールを基調としたインテリアエレメンツに、グリーンが映えるようなオフィス空間のベースを作っていった。

    建築家によるテキストより
    • 残り16枚の写真と建築家によるテキスト
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    東京事務所前嶋章太郎朔永吉港区建材(内装・床)建材(内装・照明)建材(内装・その他)SAKUMAESHIMA井上昌明コクヨ
    2023.11.13 Mon 13:01
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    【ap job更新】 “心地良い居場所”としての家づくりを目指し、設計と施工を一貫して手掛ける「テトラワークス」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中

    ap job 【ap job更新】 “心地良い居場所”としての家づくりを目指し、設計と施工を一貫して手掛ける「テトラワークス」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中

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    建築求人情報
    【ap job更新】 “心地良い居場所”としての家づくりを目指し、設計と施工を一貫して手掛ける「テトラワークス」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中
    【ap job更新】 “心地良い居場所”としての家づくりを目指し、設計と施工を一貫して手掛ける「テトラワークス」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)を募集中
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
    job.architecturephoto.net

    “心地良い居場所”としての家づくりを目指し、設計と施工を一貫して手掛ける「テトラワークス」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    株式会社テトラワークスでは、設計監理スタッフを募集します。

    広島県福山市を中心に活動をしている株式会社テトラワークスは建築設計事務所・工務店としての機能をもっており、住宅・店舗等の設計から監理・施工までを一貫して行っています。

    私たちは家を雨風から身を守るだけの「箱」ではないと考えています。家は家族や両親・友人との笑い声がうまれる温もりのある心地良い居場所であり、暮らしを豊かにしてくれるものだと信じています。

    そんな家づくりをするために、形だけをデザインするのではなく、ひとつひとつ丁寧に設計をしていくことで家族の想いを紡ぎ、家づくりによって豊かな暮らしをデザインします。

    私たちの想いに共感して一緒に家づくりを楽しんでくれる仲間を募集しております。

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    2023.11.13 Mon 10:50
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    最も注目を集めたトピックス[期間:2023/11/6-11/12]

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    最も注目を集めたトピックス
    最も注目を集めたトピックス[期間:2023/11/6-11/12]

    アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/11/6-11/12)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


    1. 伊東豊雄が、NHKのテレビ番組「最後の講義」に出演。予告動画も公開
    2. 藤原・室 建築設計事務所による、兵庫・神戸市の「岡本の家」。閑静な住宅街の三角形の敷地。“容積の確保”と“街並みとの調和”の両立を求め、二層分の外壁を分割して間に開口部を設けた“圧迫感を緩和”する建築を考案。視線と風が抜ける空間は“街との繋がり”も感じさせる
    3. 小林一行+樫村芙実 / テレインアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「かしまだ保育園」。幹線道路と緑道に面する敷地。園の活動や子供の身体寸法から発想し、“8畳間”の空間を複数組み合わせ“風車状”にした保育室を持つ建築を考案。生活道路に開いた配置は“地域の人々の中で共に育つ”施設を意図
    4. 伊瀬和裕 / テトラワークスによる、広島・福山市の「糸崎の家」。三方を道が囲む海を見下ろす敷地。外からの視線の遮断と存在する自然との接続を求め、敷地の形に沿った“くの字”形状で環境に応じて窓のサイズ等を調整した建築を考案。リビングの大開口から瀬戸内の景色を取込む
    5. 井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、東京・世田谷区の「交錯線のワンルーム住宅」。住宅街の“鉄塔が食い込んだ”変形敷地での計画。状況を活かした建築を求め、“街区”と“送電線”の2つのグリッドを取込む設計を志向。必然的に出来る“歪な空間”を援用して多様な質の居場所を住宅内に作り出す
    6. 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
    7. 光浦高史 / DABURA.mによる、大分・豊後大野市の「鷹来屋ガーデンささら」。老舗造り酒屋が運営する体験型の施設。豊かな自然を享受する“集いの場”を求め、RC壁とCLT折版構造屋根を組合わせて外部と繋がる開放的な空間を構築。素材は土地の時間や環境を“肌で感じられる”ものを選定
    8. 湯浅良介による建築展「Where The Wild Things Are」。文京区の“Plateau books”で開催。自身に影響を与えた絵本の“空間と想像力との結びつき”を参照し、“空想上の建築”として表現したドローイングを展示。『かいじゅうたちのいるところ』等を選定
    9. 大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持
    10. 塩塚隆生アトリエと下村正樹建築設計事務所による、大分・国東市の「鶴川商店街周辺拠点施設」。歴史遺産が残る街の地域振興の為の施設。エリアの歴史も横断できる建築として、現代的な木造の“新築棟”と築120年の民家を基にした“改修棟”を設計。新築棟は将来の可変性を考慮し“極めて簡素な”仕様で造る
    11. 新居千秋都市建築設計による、千葉の「流山市立南流山地域図書館・児童センター」。約3000㎡の滞在型複合施設。様々な規制や厳しい与件の下でも、“身体性”を大切にした“五感”に訴えかける建築を志向。寸法と素材にこだわり設計と選定した家具を用いて限られた空間の中に様々な居場所を作る
    12. MADによる、中国・上海の複合施設「The Ark」。70年代竣工の倉庫を複合施設に改修。新旧の構築物が並置される状況を求め、既存の壁の間に“金属製のヴォリューム”が浮遊する構成を考案。都市の記憶を未来に繋げると共に人々の為の新たな交流空間を創り出す
    13. 隈研吾建築都市設計事務所による、東京・江戸川区の「魔法の文学館」。童話作家の角野栄子の名を関した児童文学館。花びらが広がるような屋根“フラワールーフ”を外観の特徴とし、景観との調和や内外の連続性も意図。くぼしまりおによる内装は角野の著作の世界観をイメージ
    14. ファラによる、ポルトガルの住宅「house for three generations」。小さな村の角地に建つ3世帯住宅。正方形平面の中に各世代ごとに異なる形の寝室を作り、残った“型破りな形”の空間を共通のリビングとして計画。天井の手前で止めた“柱”は活動の区切りとなり物理的統一性も示す
    15. 吉田昌弘 / KAMITOPENによる、東京・新宿区の飲食店「ソロ山」。駅近の“一人でお酒を愉しめる”店。単独のお客のみを対象とし、“全席お一人様の席”と“セルフサービス”で滞在時間をひとりで楽しむ空間を構築。雫が一滴一滴広がっていくような平面構成は施主の企業名から着想能
    16. 原広司による神奈川・多摩区の“粟津邸”で、Karimoku New Standardの展示「Encounters」が開催
    17. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
    18. MADのマー・ヤンソンによる、建築展「Ma Yansong: Landscapes in Motion」。約20年の活動を通した研究と実践を回顧する展覧会。未来の生活や都市に対する想像の促進を意図し、4つのテーマに分けて模型や図面等を展示。建築を科学技術ではなく“人生が展開する現実の舞台”として捉える
    19. BIGによる、ニューヨークの超高層ビル「ザ・スパイラル」。ハイラインパーク近くの高さ約300m越の建築。公園の緑との接続と垂直方向への拡張を意図し、緑化したテラスが階段状に連なる構成を考案。オフィスの一部として自然を統合した“現代的なワークプレイス”を作る
    20. 松葉邦彦 / TYRANTによる、東京・港区の飲食店「うずら」。住宅街の家屋を改修した店。周囲から切り離された存在とする為、境界部分に3m超の壁面を設置した上で階段状のアプローチも構築。内部ではグレーの空間の中に朱色の要素を散りばめて“上品さと華やかさ”を演出

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    最も注目を集めたトピックス
    2023.11.13 Mon 07:05
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    2023.11.12Sun
    • 建築写真家イワン・バーンの、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムでの展覧会「Iwan Baan Moments in Architecture」の会場の動画。バーンによるコメントも収録
    2023.11.14Tue
    • 【ap job更新】 ヴェネチアビエンナーレで“金獅子賞”を受賞した建築家らが率いる「waiwai」が、ドバイ及び東京での 設計(既卒・経験者)・ランドスケープ・インテリア等のスタッフとアルバイトを募集中
    • 小堀哲夫建築設計事務所が、吉祥寺の「武蔵野公会堂改修」設計プロポで最優秀提案者に選定。次点者は、青木淳と品川雅俊のAS
    • 徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、東京・千代田区の「オフィスF」。長方形平面の区画での計画。施工費を削減しつつ豊かな空間性の構築を求め、諸機能を詰込んだ“箱状のヴォリューム”を複数の動線空間を作るように配置。工事範囲を限定すると共に非工事範囲にも新たな役割を与える
    • 橋本尚樹 / NHAによる、千葉・成田市の「玉造幼稚園」。深い森に覆われた古来の遺構も残る土地に計画。森を“主役”とする在り方を求め、“森に走りだせる形式”と“守られた安心感”を兼ね備える建築を志向。回廊で囲んだ建物の中央に明るい屋外広場のある構成を考案

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