大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 外観、道路より見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関からLDK側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDK photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、ロフトから吹抜側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichiku が設計した、東京・練馬区の「Haus-012」です。
所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画です。建築家は、生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案しました。また、ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持も意図されました。
昨年までこの場所には、RC造3階建ての要塞のような住宅が建っていたが、たび重なる雨漏りに加え、外部の鉄柵や手摺りなどの腐食が酷く、維持が困難となったため建て替えを決断するに至った。その際、土地をすべて売却して新たな場所に居を構えることも考えられたが、長らく住んだ町で培われた地縁や、高騰する土地の価格などを考慮した結果、土地を分割して約6割を売りに出し、そこで得た売却金を建物の解体費用と建設費用に充てて、残された土地に小さな新築の家を計画した。
地域に制定されている最低敷地面積を上回る81㎡の南北に細長い土地に対して、間口2間×奥行6間の建物を配置。前面道路側の軒高を2.35mまで抑えることで、住宅地の中でひときわ低く、道行く人びとに対して親しみやすさと空への視線を提供する形態になっている。また、道路から2.7m離れたところに立ち上がる建物のファサードを、幅3.8m、高さ2.35mの小さな黄金比率にまとめた。そうすることで、外部における美観を保ちつつ、壁面の中央に大きな引違い窓を配置し、家主と周辺住人との窓越しの交流を促すつくりとした。
最低限必要となる個室を並べ、そこに大きな屋根を架けた単純な構成によって、前庭から屋根裏までがひと繋がりとなったこの建物は、内外で生じる予測不可能な出来事に寄り添いながら、細分化が進行する都市を生き抜く人びとの生活の一助を担っていく。
現在の住人の終の棲家としてだけでなく、子や孫世代に引き継がれる住まいとして、仕事のための作業場として、小商いのための店として、親族や近隣住民が羽を休める休息所として、溢れるモノのための物置として、果ては予期せぬ有事の際の逃避シェルター、あるいは経済的困窮時の共有資産として、その時々の状況に合わせて呼び名を変えながら、人と物と時間とが織りなすリアリズムを受け容れるための器=建築となる。
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大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 外観、道路より見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 外観、道路より見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 外観、隣地より見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 玄関ドアを見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関から外部を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関からLDK側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関からLDK側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDK photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDK photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから寝室と洗面側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから寝室と洗面側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階から2階への階段 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階から2階への階段 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、廊下 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、廊下 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、廊下 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、廊下 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、ロフト photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、ロフト photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、ロフトから吹抜側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、寝室 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、寝室の開口部 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、寝室からLDK側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、寝室からLDK側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、寝室 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 ディテール photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 ディテール photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 ディテール photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、ロフトから吹抜側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、廊下から吹抜側を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 2階、廊下からLDKを見下ろす。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDK photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、LDKから玄関を見る。 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 1階、玄関 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 外観、夕景 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 外観、夕景 photo©若林勇人
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 平面図 image©大室佑介アトリエ atelier Ichiku
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 立面図 image©大室佑介アトリエ atelier Ichiku
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 断面図 image©大室佑介アトリエ atelier Ichiku
大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、東京・練馬区の「Haus-012」。所有地の一部を売却して新しい家に建替える計画。生活変化や将来の可能性に応える建築を求め、諸空間を一列に並べた公から私へと“層”状に移り変わる構成を考案。ファサードを“黄金比”で整えて外部の美観も保持 ドローイング image©大室佑介アトリエ atelier Ichiku
以下、建築家によるテキストです。
この半世紀で地権者の代替わりが続き、相続の関係から土地を切り売りせざるをえなくなり、広大な畑や緑地、農業に使われていた古民家や掘っ建て小屋が姿を消し、家々が密集する住宅地へと変貌を遂げた東京23区内に建つ個人住宅である。
昨年までこの場所には、RC造3階建ての要塞のような住宅が建っていたが、たび重なる雨漏りに加え、外部の鉄柵や手摺りなどの腐食が酷く、維持が困難となったため建て替えを決断するに至った。その際、土地をすべて売却して新たな場所に居を構えることも考えられたが、長らく住んだ町で培われた地縁や、高騰する土地の価格などを考慮した結果、土地を分割して約6割を売りに出し、そこで得た売却金を建物の解体費用と建設費用に充てて、残された土地に小さな新築の家を計画した。
地域に制定されている最低敷地面積を上回る81㎡の南北に細長い土地に対して、間口2間×奥行6間の建物を配置。前面道路側の軒高を2.35mまで抑えることで、住宅地の中でひときわ低く、道行く人びとに対して親しみやすさと空への視線を提供する形態になっている。また、道路から2.7m離れたところに立ち上がる建物のファサードを、幅3.8m、高さ2.35mの小さな黄金比率にまとめた。そうすることで、外部における美観を保ちつつ、壁面の中央に大きな引違い窓を配置し、家主と周辺住人との窓越しの交流を促すつくりとした。
道と建物を隔てている車1台分の前庭を通り、玄関扉から中に入ると、建物の規模の割にはやや大きい玄関と収納、そして道路側に穿たれた腰窓と半透明の引き戸とが正対した土間が迎える。戸を引き分けると、1階の居間から2階の小間、さらにその上の屋根裏部屋と、高窓の先に見える空までを含んだ斜め方向の吹き抜けが広がる。
居間の奥には4畳の寝間と水回り、小間の奥には同じく4畳の客間と収納が配され、高齢の単身者である建主の生活機能を1階部分で完結させつつ、客人との対話の場と、時おり遊びにくる孫や親族たちの居場所を満たす間取りとなっている。
前庭、玄関土間、居間/小間、寝間と、屋外から一列に続く4つの場は、日本の伝統的な民家の特徴であるオモテ(公的領域)からウラ(私的領域)へと移り変わる層をつくり出している。それら各層の境には開放できる引き戸のほか、柱や手摺り、開口などを用いた視覚的な敷居を設け、それぞれの境界面が強調されるよう設計した。
室内の引き戸をすべて開け放てば、道路から建物の裏側までが見通せる「洞」となり、戸の閉めかたを調整すれば、状況に応じてプライバシーが保たれた居場所の重なりが生まれる。そうして得られた内部空間における汎用性によって、高齢の建主の生活の変化、例えば介助者や介護者との同居などにも耐えうる建物となることだろう。
最低限必要となる個室を並べ、そこに大きな屋根を架けた単純な構成によって、前庭から屋根裏までがひと繋がりとなったこの建物は、内外で生じる予測不可能な出来事に寄り添いながら、細分化が進行する都市を生き抜く人びとの生活の一助を担っていく。
現在の住人の終の棲家としてだけでなく、子や孫世代に引き継がれる住まいとして、仕事のための作業場として、小商いのための店として、親族や近隣住民が羽を休める休息所として、溢れるモノのための物置として、果ては予期せぬ有事の際の逃避シェルター、あるいは経済的困窮時の共有資産として、その時々の状況に合わせて呼び名を変えながら、人と物と時間とが織りなすリアリズムを受け容れるための器=建築となる。
■建築概要
題名:Haus-012
所在地:東京都練馬区
主用途:住宅
設計:大室佑介アトリエ / atelier Ichiku 担当:大室佑介
施工:大成木材
担当:吉田恒男、川﨑信一
土地計画:アラウンドアーキテクチャー 担当:佐竹雄太
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:81.27㎡
建築面積:39.74㎡
延床面積:60.18㎡
工事:2023年3月~2023年7月
竣工:2023年7月
写真:若林勇人