山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、リビングダイニングから玄関側を見る。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 2階、ルーム2 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architects が設計した、沖縄の「南城の家」です。
沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画です。建築家は、周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案しました。また、内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作ることが意図されました。
3人家族のための住宅。敷地は沖縄県南部、80年代の新興住宅地の高台に位置する。
周辺地域では、コンクリートの四角い躯体形状に低く長い雨端(※沖縄の民家の深く庇の出た部分)を設けた沖縄特有の住まいの工夫が多く見受けられた。それは亜熱帯特有の暴風雨から守り、陰をつくり、室内への強い直射日光の侵入を防ぐ。
本プロジェクトでは求められている機能と建設コストを考慮し、木造を選択する必要があったのだが、先人たちに習い木造でも先ほど見られたコンテクストを踏襲することを考えた。
建物は南側に目一杯に庭を、東側に車庫をつくる様に配置。1階には下屋を2階には屋根を張り出し、サッシ上端まで目深く被らせて強烈な陽射しから守られた深い影をつくる。下屋と屋根にヴォリュームを持たせることで、地域の中で近隣住居との親和性を図る外観イメージをつくった。
内部の仕上げは、複数素材をグレーで色味をコントロールすることでキャンバスの様な背景をつくった。この背景に対して、無着色の梁や家具は際立って見え、場所に落ち着きを与えるよう意図した。
以下の写真はクリックで拡大します
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、玄関 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、リビングダイニング photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、リビングダイニングから玄関側を見る。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、リビングダイニングからキッチン側を見る。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、ルーム1 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、左:ダイニング、右:ルーム1 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、キッチン photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 壁面の素材の取り合い。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階から2階への階段 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 1階、階段の詳細 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 2階、ルーム2 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 2階、ルーム2、引戸で間仕切ることができる。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 2階、ルーム2から窓越しに外部を見る。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 2階、ルーム2からテラス側を見る。 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 2階、ルーム3 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観、夕景 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観、夜景 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観、夜景 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 外観、夜景 photo©楠瀬友将
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 平面図 image©Spicy Architects
山本稜 / Spicy Architectsによる、沖縄の「南城の家」。沖縄特有のRCの家が並ぶ住宅街での計画。周辺の文脈の踏襲と与件への応答を求め、木造ながらも“四角い躯体”と“長い雨端”を備えた建築を考案。内部では複数のグレーの素材を統合して“背景”の様な空間を作る 断面図 image©Spicy Architects
以下、建築家によるテキストです。
3人家族のための住宅。敷地は沖縄県南部、80年代の新興住宅地の高台に位置する。
周辺地域では、コンクリートの四角い躯体形状に低く長い雨端(※沖縄の民家の深く庇の出た部分)を設けた沖縄特有の住まいの工夫が多く見受けられた。それは亜熱帯特有の暴風雨から守り、陰をつくり、室内への強い直射日光の侵入を防ぐ。
本プロジェクトでは求められている機能と建設コストを考慮し、木造を選択する必要があったのだが、先人たちに習い木造でも先ほど見られたコンテクストを踏襲することを考えた。
建物は南側に目一杯に庭を、東側に車庫をつくる様に配置。1階には下屋を2階には屋根を張り出し、サッシ上端まで目深く被らせて強烈な陽射しから守られた深い影をつくる。下屋と屋根にヴォリュームを持たせることで、地域の中で近隣住居との親和性を図る外観イメージをつくった。
内部の仕上げは、複数素材をグレーで色味をコントロールすることでキャンバスの様な背景をつくった。この背景に対して、無着色の梁や家具は際立って見え、場所に落ち着きを与えるよう意図した。
ボリュームと素材のコントロールで得た質量感は、空間に安心感や親密さを与え、現地のおおらかな風土へ馴染んでいくことを目指した。
(山本稜)
■建築概要
タイトル:南城の家
場所:沖縄県南城市
機能:住宅
設計:Spicy Architects 担当者/山本稜
施工:株式会社 新洋
構造設計:辻拓也(DIX)
構造:木造
規模:地上2階
延床面積:89.44m²(1F 44.72m² / 2F 44.72m² / 車庫 19.31m²)
建築面積:68.32m²
敷地面積:225.72m²
竣工:2023年8月
写真:楠瀬友将
House in Nanjo
A house for a family of three. The site is located on a hill in a residential area from the 80’s in southern Okinawa. In the surrounding area, there are many uniquely Okinawan houses with a typical almost flat roof, and large eaves, sitting on a rectangular concrete frame. The shape of the house protects from subtropical storms and prevents strong direct sunlight from penetrating into the interior. For this project we decided to follow the lead of our predecessors and the context the house is situated in, but with a wooden structure instead, since this was necessary considering the required functions and construction cost.
The building is arranged with a garden facing south and a garage facing east. Both the shed on the first floor and the second floor roof overhang extends out to create deep shadows which protects from the intense sunlight. By adding volume to the shed and roof, we created an exterior image that is compatible with the neighborhood. For the interior finish, we achieved a canvas-like background by controlling the color of multiple materials with gray tones. Against this background, the unpainted beams and furniture are intended to stand out and give the place a sense of calm.
The sense of a singular mass, achieved through volume and material control, was intended to give the space a sense of comfort and intimacy, and to fit in with the easy-going local atmosphere.
(Ryo Yamamoto)
Title: House in Nanjo
Location: Nanjo-shi, Okinawa
Usage: House
Architects: Spicy Architects
Project team: Ryo Yamamoto
Structure Design: Takuya Tsuji (DIX)
Construction: SHINYO
Type of structure: Wood
Total floor area: 89.44m² (1F 44.72m² / 2F 44.72m² / Garage 19.31m²)
Site area: 225.72m²
Date of completion: August / 2023
Photo: Tomoyuki Kusunose