竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図外観、東側の道路から見る。 photo©大竹央祐
竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図中庭と回廊を見下ろす。 photo©大竹央祐
竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図回廊から中庭を見る。 photo©大竹央祐
竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図菓子工房から開口部越しに中庭を見る。 photo©大竹央祐
竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルが設計した、京都・宇治市の「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」です。
増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加えた施設です。建築家は、新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案しました。また、伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
一期二期工事のコンストラクション・マネジメントを手掛けたのは、阪急コンストラクション・マネジメントです。一期工事の伝統構法の設計監修は京町家再生研究会で、設計は内田康博建築研究所が手掛けています。
江戸時代から六代にわたって宇治茶の問屋業を営んできた森半。
時代の移り変わりに伴い、大阪でのビジネス展開、近代的な工場の設立そして海外との取引と業態を変えながらも、宇治市小倉地区にある創業の地では街道に面した築100年以上の母家に創業家が住まい、奥の加工場で茶師によるお茶の審査や合組(ブレンド)が行われてきた。
この創業の地にたつ建物の全面改修を通じて、伝統的な職と住の場を、加工から消費まで広さと厚みのある茶文化を総合的に体験できる場へと変容させ、TEA SQUARE MORIHANとして開かれることとなった。
私たちは、まず解体調査から始めて、特に伝統的な様式でつくられた街道側の母家、店舗、蔵を一期工事として江戸時代の茶問屋建築の形式を取り戻すことを目指す一方で、木造トラスなど比較的新しい構法の見られる部分を二期工事として、カフェや抹茶を使ったスイーツの開発・販売といった新たな業態の場とするために、加工場の一部を減築し、シンボルとなる中庭を新しく設けることとした。
中庭部分を減築するにあたって、幾重にも重なりあって増築された建物群を切り離す必要があったため、中庭に面する継ぎはぎの多い既存構造体は一旦撤去し、新しく基礎、耐力壁、梁を中庭側にまわした。そして中庭側に新たな窓や出入口が設けられ、ガラスの庇がかけられたことで、様々な構法の既存建物が、構造的にも、プログラム的にも、この回廊によって整理され、繋ぎあわされることになった。
このようなスパンの長い改修を行うにあたって、一期二期工事を通じて阪急コンストラクション・マネジメントがCM(コンストラクション・マネジメント)を、京町家再生研究会が一期工事の伝統構法の設計監修を、内田康博建築研究所が一期工事の、株式会社アルファヴィルが二期工事の設計を担当するというように、伝統的なものに、新しいものを対比させるだけでない、常に革新が重ねられてきたこの場所の歴史を、再び重ねるようなリノベーションとなった。
以下の写真はクリックで拡大します
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図外観、東側の道路から見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図中庭と回廊を見下ろす。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図店舗1 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図路地から回廊と中庭を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図回廊と中庭 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図回廊から中庭を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図回廊から路地を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図菓子工房から開口部越しに回廊と路地を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図菓子工房から開口部越しに中庭を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図中庭から菓子工房側を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図サロンから回廊を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図中庭から拝見場側を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図拝見場 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図拝見場から開口部越しに中庭を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図外廊下から回廊と中庭を見る。 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図トイレ photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図工場、ホール photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図配置図 image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図改修前の屋根伏図、改修後の屋根伏図 image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図平面図(一期含む) image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図断面図 image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図断面図 image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図矩計図 image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図構造アクソノメトリック図 image©アルファヴィル
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図施工中の写真、サロン photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図施工中の写真、厨房 photo©大竹央祐
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竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・宇治市の店舗「TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事」。増築が繰り返された茶問屋を改修してカフェ等の機能を加える計画。新旧の構法が入り混じる既存に対し、新設の中庭と回廊で既存の構造とプログラムを整理する計画を考案。伝統的な場所への更なる歴史の重層も意図施工中の写真、厨房 photo©大竹央祐
以下、建築家によるテキストです。
180年以上の歴史を持つ宇治の茶問屋
江戸時代から六代にわたって宇治茶の問屋業を営んできた森半。
時代の移り変わりに伴い、大阪でのビジネス展開、近代的な工場の設立そして海外との取引と業態を変えながらも、宇治市小倉地区にある創業の地では街道に面した築100年以上の母家に創業家が住まい、奥の加工場で茶師によるお茶の審査や合組(ブレンド)が行われてきた。
この創業の地にたつ建物の全面改修を通じて、伝統的な職と住の場を、加工から消費まで広さと厚みのある茶文化を総合的に体験できる場へと変容させ、TEA SQUARE MORIHANとして開かれることとなった。
伝統と革新
巨椋神社の面する古い街道には茶問屋が多く立ち並び、森半でも街道に面した母家と店舗から、茶室や蔵を挟んで、お茶の審査をする拝見場、ブレンド室、冷蔵室、茶を袋詰めをする大詰といった加工場が、必要に応じて増築、改修を繰り返した結果、明治の伝統工法から昭和の木造トラス工法といった新旧の工法が入り混じった迷路のような建物となっていた。
私たちは、まず解体調査から始めて、特に伝統的な様式でつくられた街道側の母家、店舗、蔵を一期工事として江戸時代の茶問屋建築の形式を取り戻すことを目指す一方で、木造トラスなど比較的新しい構法の見られる部分を二期工事として、カフェや抹茶を使ったスイーツの開発・販売といった新たな業態の場とするために、加工場の一部を減築し、シンボルとなる中庭を新しく設けることとした。
歴史を統合するリング
中庭部分を減築するにあたって、幾重にも重なりあって増築された建物群を切り離す必要があったため、中庭に面する継ぎはぎの多い既存構造体は一旦撤去し、新しく基礎、耐力壁、梁を中庭側にまわした。そして中庭側に新たな窓や出入口が設けられ、ガラスの庇がかけられたことで、様々な構法の既存建物が、構造的にも、プログラム的にも、この回廊によって整理され、繋ぎあわされることになった。
このようなスパンの長い改修を行うにあたって、一期二期工事を通じて阪急コンストラクション・マネジメントがCM(コンストラクション・マネジメント)を、京町家再生研究会が一期工事の伝統構法の設計監修を、内田康博建築研究所が一期工事の、株式会社アルファヴィルが二期工事の設計を担当するというように、伝統的なものに、新しいものを対比させるだけでない、常に革新が重ねられてきたこの場所の歴史を、再び重ねるようなリノベーションとなった。
■建築概要
作品タイトル:TEA SQUARE MORIHAN 第二期工事
所在地:京都府宇治市
主用途:複合施設(製茶工場+飲食店舗+物販店舗+事務所)
設計:株式会社アルファヴィル(第二期) 担当/竹口健太郎+山本麻子
施工:木村工務店(第二期)
協力:川勝真一、FUJISAKI DESIGN
構造設計:柳室純構造設計
構造:木造 一部、鉄骨造
階数:地上2階
敷地面積:1,222.80㎡
建築面積:827.07㎡
延床面積:1,023.72㎡
設計:2020年1月~2021年7月
工期:2021年7月~2023年5月(第2期)
竣工:2023年7月
写真:大竹央祐