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2024.1.30Tue
2024.1.29Mon
2024.1.31Wed
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入
photo©鈴木竜馬 SEC

SHARE 加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入

architecture|feature
建材(外装・壁)HELLO TREES池田工務店イタル・マエダ・デザインばんだい東洋建設建築再構企画スタジオピース井上健一構造設計事務所加藤渓一建材(内装・造作家具)建材(外装・建具)建材(外構・床)建材(外装・屋根)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)八王子市図面あり鈴木竜馬店舗東京
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入エントランス photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「ミルクスタンド」から「FARM BASEL」(レストラン)を見る。 photo©鈴木竜馬 SEC

加藤渓一 / スタジオピースが設計した、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」です。
地域循環にも取り組む牧場に計画された店の計画です。建築家は、施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向しました。そして、地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入しました。施設の公式サイトはこちら。

事業主である磯沼ミルクファームは都内でも最大規模の牧場。
オープンファーム、生物の多様性や地域循環など様々な社会課題にも積極的に取り組んでいる。このプロジェクトでは、生産環境が厳しくなる中で、住宅地にある都市型牧場としての意義、地域に愛され続けるために計画された。

建築家によるテキストより

その理念と敷地に広がる自然にどう建築として応えるか。自然や動物が持つコントロールができないことを建築にも取り入れ、それが環境と調和した豊かな表現につながるのではと考えた。

建築家によるテキストより

敷地に入ると見えてくる土壁は、誰もが「手」で塗れるよう、牛のご飯を混ぜ込んだ土を左官職人、大橋和彰氏と共に開発。地域住民を巻き込んだWSを企画し仕上げた。300㎡にも及ぶ面積を、4日間で170名の方が参加し、大人も子供も泥だらけ。凹凸やひび割れ、多くの人の手によって、楽しんでいることが伝わるような仕上がりとなった。

その土の壁に開けられた入口をくぐると、550㎡にもなる大きな木の屋根が広がる。杉や椹など数種類の樹種からなる野地板は飯能の岡部材木店が製材過程で発生し捨てられてしまうような端材を丁寧に整えて残していたものを使用。長い時間をかけて育てられたバラバラの色や質感は、天然のエージング、人が意図しては作れない表情を獲得し、放牧場や雑木林と呼応するように感じられる。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観(壁に土を塗る前の状態) photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観、エントランス側を見る。 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入エントランス photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入エントランス photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入土壁の詳細 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「ミルクスタンド」 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「ミルクスタンド」から「FARM BASEL」(レストラン)を見る。 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「FARM BASEL」(レストラン) photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入テラス photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観、テラス側を見る。 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観、テラス側を見る。 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観、テラス側を見る、夕景 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入外観(壁に土を塗る前の状態) photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「FARM BASEL」(レストラン)、内装施工前の状態 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「FARM BASEL」(レストラン)、内装施工前の状態 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入「FARM BASEL」(レストラン)、内装施工前の状態 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入天井の詳細 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入開口部の詳細 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入テラス、内装施工前の状態 photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入配置図 image©スタジオピース
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入平面図 image©スタジオピース
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入立面図 image©スタジオピース
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入矩計図 image©スタジオピース
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入矩計図 image©スタジオピース
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入矩計図 image©スタジオピース
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入土壁ワークショップ photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入土壁ワークショップ photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入土壁ワークショップ photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入土壁ワークショップ photo©鈴木竜馬 SEC
加藤渓一 / スタジオピースによる、東京・八王子市の店舗「TOKYO FARM VILLAGE」。地域循環にも取り組む牧場に計画された店。施主の理念への応答も意図し、自然や動物が持つ“操作できない”要素を取り込む設計を志向。地域住民を巻き込んだ“土壁”や地域産の端材を使った“野地板”を建築に導入左官職人と共に手でも塗りやすい土を開発し、総勢170名が参加した土壁ワークショップを実施。 photo©鈴木竜馬 SEC

video©houses inc.

以下、建築家によるテキストです。


制御しないことを楽しみながら豊かな風景と呼応する建築を作る

事業主である磯沼ミルクファームは都内でも最大規模の牧場。
オープンファーム、生物の多様性や地域循環など様々な社会課題にも積極的に取り組んでいる。このプロジェクトでは、生産環境が厳しくなる中で、住宅地にある都市型牧場としての意義、地域に愛され続けるために計画された。

その理念と敷地に広がる自然にどう建築として応えるか。自然や動物が持つコントロールができないことを建築にも取り入れ、それが環境と調和した豊かな表現につながるのではと考えた。

敷地に入ると見えてくる土壁は、誰もが「手」で塗れるよう、牛のご飯を混ぜ込んだ土を左官職人、大橋和彰氏と共に開発。地域住民を巻き込んだWSを企画し仕上げた。300㎡にも及ぶ面積を、4日間で170名の方が参加し、大人も子供も泥だらけ。凹凸やひび割れ、多くの人の手によって、楽しんでいることが伝わるような仕上がりとなった。

その土の壁に開けられた入口をくぐると、550㎡にもなる大きな木の屋根が広がる。杉や椹など数種類の樹種からなる野地板は飯能の岡部材木店が製材過程で発生し捨てられてしまうような端材を丁寧に整えて残していたものを使用。長い時間をかけて育てられたバラバラの色や質感は、天然のエージング、人が意図しては作れない表情を獲得し、放牧場や雑木林と呼応するように感じられる。

多くの地域の方々が参加し共に作ること。地域の山から切り出され廃棄されるはずの材料を選り好みせず使うこと。制御できないことを楽しみ、周囲の風景と呼応する表情を持った建築では、その先に望む風景から採れる、牛乳や牛肉、牛糞堆肥を利用して育てられた新鮮な野菜で調理したケーキや料理を楽しむことができる。
 
訪れた人々は不変的な豊かさのお裾分けを受けて、都市の中にもある豊かな自然に想いを馳せて欲しい。

■建築概要

作品名:TOKYO FARM VILLAGE
所在地:東京都八王子市小比企町1673-1
建築主:磯沼ミルクファーム
設計:株式会社スタジオピース一級建築士事務所 加藤渓一
デザイン監修及び店舗デザイン:イタル・マエダ・デザイン株式会社 前田格 
施工:株式会社池田工務店(建築)、ばんだい東洋建設株式会社(内装)
構造設計:井上健一構造設計事務所 井上健一
開発申請、法規コンサルティング:建築再構企画
植栽計画:HELLO TREES
構造:鉄骨構造
地域地区:準住居地域 準防火地域
階数:地上1階
最高高さ:4.4m
軒高:3.16m
道路幅員:北12.0m
敷地面積:1,239.83㎡
建築面積・建蔽率:358.23㎡・28.90%
延床面積・容積率:290.25㎡・23.41%
設計期間:2021年4月~2022年2月
施工期間:2022年3月~2022年9月
撮影:鈴木竜馬(SEC)

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

スレート大波

外装・壁壁

土壁手塗り仕上げ

外装・建具開口部

スチールサッシ
木製ガラス框戸

外装・建具エントランス戸

木製引戸 [八王子産材]

内装・床床

土間コンクリートの上ウレタン塗装

内装・壁壁

土壁手塗り仕上げ
Pbt12.5+EP塗装

内装・天井天井

野地板t15ノコ引きラフ仕上げ

内装・造作家具什器

梁材
足場板エイジング塗装

外構・床外構

砕石

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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2024.01.30 Tue 07:09
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    鈴木理考建築都市事務所による、東京・小平市の「天神町テラス」。障がいを持つ人々が表現する為の劇場。幸福に繋がる“媒介者”の様な存在を目指し、通りに接する二面に“吹き放ち”の空間を配した建築を考案。安心できる距離感で内外を接続し“生き生きとした活動”の舞台を作る1階、「劇場」 photo©矢野紀行

    鈴木理考建築都市事務所が設計した、東京・小平市の「天神町テラス」です。
    障がいを持つ人々が表現する為の劇場の計画です。建築家は、幸福に繋がる“媒介者”の様な存在を目指し、通りに接する二面に“吹き放ち”の空間を配した建築を考案しました。また、安心できる距離感で内外を接続し“生き生きとした活動”の舞台を作ることも意図されました。

    知的障がい者たちが、音楽や人形劇などの表現活動を行い、地域の人々や道行く人々と共にその喜びを分ちあうために建てられた、小さな木造の劇場。人通りの多い、歩行者専用の緑道沿いにある。

    一般的には、知的障がい者は作業所で作業をすることが多いが、リズム工房(社会福祉法人星座会、小平市)は、そういった作業だけではなく音楽や人形劇などの表現活動の公演を通じて、地域の人々と共に喜びを分ち合い、生きがいを得られるような、障がい者が暮らしやすいまちや環境づくりを目指して活動をしている。

    その活動に対し、篤志家の施主夫妻から土地と建設費が出資提供され、新たな「地域に開かれた」表現活動の場所を実現するため、施主・社会福祉法人・設計者で打合せを重ねて実現に至った。

    建築家によるテキストより

    1階の小劇場(ビレッジグリーン)と、居住も可能な2階の賃貸スペースからなる。障がい者たちをメンバーとする「キラキラ人形劇団」による公演時以外は、彼ら劇団員自身によってカフェが営まれている。また彼らがサポートスタッフとなって、地域の人たちのサロンや展示会、ワークショップなども行われる。

    劇団員たちの活動、そこで働くスタッフ、道行く人々、2階の利用者、緑道の自然の移ろい。そのままではバラバラで無関係に流れていくそれぞれの日常を、建築が介在することによって、豊かさやそれぞれの幸福につながるような関係を生みだす、「媒介者」のような建築にしたいと考えた。

    建築家によるテキストより

    そこで、2階の大屋根まで達する、柱や梁と木製ルーバーで構成された1間分の「吹き放ち」の空間を、通りに面した2面につくった。そこは劇場から溢れた観客の桟敷になったり、カフェのテラス席になったり、緑道の一部になったりと、内外をつなぐ場所である。
    そして、その高さの中間にある木製ルーバーは、この吹き放ちを落ち着いた居場所にし、同時に、緑道に大きく開いた2階の足元へ侵入する視線を遮ぎるも、2階からの視線を階下の活動へと緩やかにつなぐ。軒天も2階天井も、一体的にシルバー塗装し、ゆらめく緑陰を内側へ導く。

    建築家によるテキストより
    • 残り23枚の写真と建築家によるテキスト
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    建築求人情報
    2024.01.30 Tue 11:01
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    2024.1.29Mon
    • 【ap job更新】 活気あるメンバーが集い、建築の魅力を探求する“建築家集団”「株式会社PROJECTS」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)とCADオペレーターを募集中
    • 武田幸司 / Ginga architectsによる、宮城・仙台市の「館のリノベーション住宅」。軽量鉄骨造の二世帯住宅の2階部分を改修。既存の“ダイナミック”な天井架構から着想して、新設した各部屋が“天井で繋がる”構成を考案。一世代分のサイクルを終えた住まいを現代の生活様式や要求に適合させる
    • 後藤周平建築設計事務所による、静岡・浜松市の住宅改修「船越の家」。木造家屋の2階のみを改修し二世帯の住まいにする計画。“適切な距離感”の構築を目指し、世帯間を繋ぐ“階段室”を再考する設計を志向。上下で分割した壁を“ずらして設置”して“視線の抜け”等のバランスを操作
    • 最先端の“木造耐火技術”を採用した、東京都江東区の複合商業施設「豊洲 千客万来」の完成見学セミナーが開催。床面積が約3万3千㎡あり、飲食物販の“食楽棟”と湯処などの“温浴棟”からなる施設。見学に加え“木造耐火技術”についても設計担当者が解説
    • 最も注目を集めたトピックス[期間:2024/1/22-1/28]
    2024.1.31Wed
    • 【ap job更新】 調査と研究に基づく計画と、質の高いデザインを統合した設計を行う「岡田新一設計事務所」が、設計スタッフ(新卒)を募集中
    • 北澤伸浩建築設計事務所による、東京・練馬区の「小川邸」。クラシックカーに乗る施主家族の住宅。“車の中”と“家の中”の体験の連続を求め、車庫と居室が同じ形式の中で共存する建築を志向。各階のセットバックと四周のバルコニーは室内だけでなく周辺環境の向上にも寄与

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