SHARE ル・コルビュジエの“美術作品”に焦点をあてる展覧会「もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」の入場チケットをプレゼント。近代建築を代表する建築家の油彩・素描・版画・タピスリー・彫刻など約130点の作品を展示。創作活動の根底にあった絵画への情熱を紹介する内容。まとまった作品群の公開は約30年ぶり
- 日程
- 2024年6月25日(火)–8月12日(月)
ル・コルビュジエの“美術作品”に焦点をあてる展覧会「もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
近代建築を代表する建築家の油彩・素描・版画・タピスリー・彫刻など約130点の作品が展示されます。創作活動の根底にあった絵画への情熱を紹介する内容です。また、まとまった作品群の公開は約30年ぶりとのこと。
会期中には、古谷誠章、藤井由理、青木淳、加藤道夫、中村研一、隈研吾が其々に参加する講演会も企画されています。加えて、ギャルリー・タイセイ林美佐によるギャラリートークも計4回行われます。
会期は、2024年6月25日~2024年8月12日。会場となる大倉集古館の公式サイトはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年6月17日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
「私の探求や知的生産の根底の秘密は、絶え間ない絵画実践のなかにあるのです。」※
フランスを拠点に活動した建築家ル・コルビュジエ(1887~1965)は、7か国にある17資産がユネスコの世界文化遺産に登録されるなど、20世紀を代表する重要な建築家として高く評価されていますが、同時に数多くの美術作品を残したアーティストとしても知られています。
本展では、世界有数の所蔵作品をもつ大成建設ル・コルビュジエ・コレクションの中から約130点の作品を展示することで、ル・コルビュジエの美術作家としての側面をご紹介いたします。
本コレクションの素描やパピエ・コレ作品がまとまって公開されるのはおよそ30年ぶりのことです。本展をご覧いただくことで、建築を含めたル・コルビュジエのすべての創作活動の根底にあった、彼の絵画への情熱に気づいていただけることと思います。
※(“Le Corbusier Lui Meme”(『ル・コルビュジエ みずから語る生涯』 P250)
以下に、写真と詳細な情報を掲載します。
出展作品の一部
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展示作品
油彩、素描、パピエ・コレ、版画、タピスリー、彫刻など 約130点
ピュリスムから
1917年に故郷を出てパリに定住したル・コルビュジエは、画家アメデ・オザンファンとともに「ピュリスム」を提唱しました。これはキュビスムを批判的に継承したもので、機械時代に即し、大量生産の工業製品を普遍的なオブジェとしてそこに美を見出し、対象を幾何学的な形態にまで単純化し、黄金比や正方形を基準にした厳格な構図のなかで描くものでした。
その後、1925年にオザンファンと別れてからは、詩的な感情を喚起する静物とよぶ骨や石などを描き、シュルレアリスム的な作品も描くようになりました。女性たち
1920年代末以降、ル・コルビュジエの絵画の中心的テーマとなったのは女性です。まず、旅先で目にした働く女性たちの姿。そして、偶然船に乗り合わせた黒人レビューの大スターのジョセフィン・ベイカーや女性アスリートやサーカスのパフォーマーなどの逞しい姿が描かれました。ル・コルビュジエが描く女性たちは、その姿態のかたちを描くことにのみ力が注がれ、モデルの女性たちの内面を描くことには関心がありませんでした。女性たちの姿はしだいにデフォルメがすすみ、最終的には人体とは思えないほど変形していきます。
象徴的モチーフ
第二次世界大戦中、ル・コルビュジエは一時的に事務所を閉めて疎開し、絵画の制作に励みました。身の回りの風景を描くだけでなく、自分が昔描いた作品をもとに新しいアイデアを生み出していきました。戦後になると、こうした象徴的なモチーフを繰り返し描くようになります。それらは牡牛、翼のある一角獣、開かれた手、イコンなどで、いずれも物語性を秘めたものでした。牡牛はその力強さから旧弊を打ち破る力の象徴としてよく描かれ、ル・コルビュジエは自分を投影していたのかもしれません。翼のある一角獣はペガサスとも従来の一角獣とも違って女性の姿をし、ル・コルビュジエにとってのミューズ的な存在だったようです。開かれた手はあらゆるものを受け取って、与える調和のシンボルとして彼が都市計画を手掛けたチャンディガールにモニュメントが建てられました。イコンは祈りのポーズをとった女性の姿で妻イヴォンヌを彷彿させます。
グラフィックな表現
ル・コルビュジエの第二次世界大戦後の絵画表現は、油彩に加えて版画やパピエ・コレに拡がっていきます。同時に描く内容も象徴的なモチーフが中心となり、写実的に描くことはなくなることで、より記号的で平面的な表現になっていきました。画面は大きく、単純化された描線と大きな色面で表現され、それぞれが自律することで、線と色が自在に展開している画面となり、やがて、色紙を切ったような大胆な色面だけで構成されるように変化してきました。
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■展覧会概要
展覧会名:特別展 大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~
会期:2024年6月25日(火)~8月12日(月・祝)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで) 金曜日は19:00まで開館(入場は18:30まで)
休館日:毎週月曜日(休日の場合は翌火曜日)
入館料:一般1,500円、大学生・高校生 1,000円、中学生以下無料
※同会期中のリピーターは500円引き
※20名様以上の団体は500円引き
※障がい者手帳、被爆者手帳をご提示の方とその同伴者1名は無料
※お着物(和装)でご来館の方は300円引き(割引併用不可)
※ミュージアムパスポート5,500円
※オークラ東京とのセット鑑賞券(ランチセット6,000円、茶菓セット3,100円)
主催:公益財団法人 大倉文化財団 大倉集古館 、大成建設株式会社
協力:株式会社ホテルオークラ、特種東海製紙株式会社、早稲田大学建築学科
会場:公益財団法人 大倉文化財団 大倉集古館
〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-3(オークラ東京前)
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講演会、鼎談
いずれも聴講無料(事前申込制、先着順、全席自由)
お電話、もしくはGoogleフォームよりお申込みください。Googleフォームの2次元バーコードは本展覧会チラシおよび当館ウェブサイトにも掲載しています。
大倉集古館 電話03-5575-5711(月~金 10:00~17:00)
1.「ル・コルビュジエの眼」
日時:2024年6月30日(日)14:00~15:30
講師:古谷誠章氏(建築家、早稲田大学教授)、藤井由理氏(建築家、早稲田大学招聘研究員)
会場:早稲田大学西早稲田キャンパス57号館201号室(420名)
申込フォーム:https://forms.gle/LJ1sMuiEtFuUgkuD9
2.「ル・コルビュジエの絵画が語りかけること」
日時:2024年7月6日(土)13:00~14:30
講師:青木淳氏(建築家、京都市京セラ美術館館長)、加藤道夫氏(東京大学名誉教授) 中村研一氏(建築家、中部大学教授) 五十音順
会場:国際文化会館講堂(120名)
※定員に達したため受付を締め切りました
3.「ル・コルビュジエの建築と絵画を語る」
日時:2024年7月21日(日)14:00~15:30
講師:隈研吾氏(建築家、東京大学特別教授、東京大学名誉教授、早稲田大学特命教授)
会場:早稲田大学西早稲田キャンパス57号館201号室(420名)
申込フォーム:https://forms.gle/3RzZvFADiuPhJFdq6
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ギャラリートーク
日時:2024年7月10日(水)、17日(水)、24日(水)、31日(水)各15:00から
担当:林美佐(大成建設ギャルリー・タイセイ主任学芸員、本展監修者)
会場:大倉集古館 展示室 1階展示室EV前にお集まりください
お申込み:不要(ただし入場には入館券が必要です)