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長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る
photo©Kenta Hasegawa

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architecture|feature
スキーマ建築計画港区店舗事務所東京長坂常TANK長谷川健太
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る共用通路からカフェの出入口を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からキッチンを見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るテラス photo©Kenta Hasegawa

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・港区の店舗「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」です。
虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画です。建築家は、人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向しました。そして、既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作りました。施設の場所はこちら(Google Map)。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは重松象平 / OMA NYの設計で、このエリアに水平方向の移動を生み出す歩行者デッキと垂直方向の活性化を狙う「TOKYO NODE」をつくることで、建物内だけでなく地域全体の回遊性を向上させ賑わいを創出する場所となっている。

TOKYO NODEはビジネスやアート、テクノロジー、エンターテインメントなどを複合させた森ビルの新たな情報発信拠点であり、世界と日本、人と人、領域を超えたさまざまなものをつなぐ結節点「NODE」となることが意図されているが、特に8階はTOKYO NODEとその他のフロア、さらに都市を結ぶもう一つの「NODE」としての役割を期待された場所であった。そのなかで我々が依頼されたのは、TOKYO NODEの活動を支える実験場=ラボを含むカフェの内装設計である。

建築家によるテキストより

8階フロアはTOKYO NODEの「玄関」としてレッドカーペットが敷かれ、訪れるゲストを歓迎する設えが計画されていた。一方で我々が設計するラボは、TOKYO NODEの活動を支えるための場所であり、働く人がリラックスしてものを生み出せるような環境が求められたため、建物全体の「仕上がった空間」というより常に変化を受け入れられるような空間をつくることを考えた。またカフェはグランドレベルから離れているため、客席の密度が求められるようなカフェではなく、TOKYO NODEを利用する方々がゆっくりと時間を過ごせることを重視した。

建築家によるテキストより

そこで我々は「仕上がった空間」の一部を「剥がす」ことで、緊張感のある空間に対しておおらかさをもった空間を用意した。ここまで敷かれていたレッドカーペットや天井を剥がし、コンクリートおよびOAフロア現し+天井躯体現しと、「剥がされた」後の下地の状態とすることで、これまでの仕上げられた世界からコントラストをつくるように空間をデザインしている。

さらに剥がされたレッドカーペットの要素である「赤」を内装や家具にちりばめていくことで、重松象平 / OMA NYによる空間との関係性ももたせている。また剥がしたとはいえ新築ビルであるため、材料自体はすべて新しいことから、カフェでは手垢のついたバラバラのused椅子を使ったり、席の密度やテーブルの大きさを調整したり、温かみのある素材を用いたりすることで、新築のなかにほっとできる居心地をつくりだすよう工夫した。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る共用通路からカフェの出入口を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からキッチンを見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からラボ側を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェからラボを見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ、パーティションの詳細 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ、パーティションの詳細 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボからカフェ側を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボからカフェ側を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ、エンジニアデスクを見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ、エンジニアデスクの詳細 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からテラス側を見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るテラス photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るテラス photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るテラス、ベンチの詳細 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からキッチンを見る。 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、天井の詳細 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るラボ、夕景 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作るカフェ、客席からラボ側を見る、夜景 photo©Kenta Hasegawa
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る平面図 image©スキーマ建築計画
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る断面図 image©スキーマ建築計画

以下、建築家によるテキストです。


TOKYO NODE CAFEは、虎ノ門ヒルズ駅直結の新たなランドマーク、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの8階に位置する、ラボを併設したカフェである。8階+45~49階を占める複合施設「TOKYO NODE」のエントランスに当たるフロアのなかで、このカフェは超高層タワーの一隅の隠れ家のような居心地のいい場所を目指した。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは重松象平 / OMA NYの設計で、このエリアに水平方向の移動を生み出す歩行者デッキと垂直方向の活性化を狙う「TOKYO NODE」をつくることで、建物内だけでなく地域全体の回遊性を向上させ賑わいを創出する場所となっている。

TOKYO NODEはビジネスやアート、テクノロジー、エンターテインメントなどを複合させた森ビルの新たな情報発信拠点であり、世界と日本、人と人、領域を超えたさまざまなものをつなぐ結節点「NODE」となることが意図されているが、特に8階はTOKYO NODEとその他のフロア、さらに都市を結ぶもう一つの「NODE」としての役割を期待された場所であった。そのなかで我々が依頼されたのは、TOKYO NODEの活動を支える実験場=ラボを含むカフェの内装設計である。

8階フロアはTOKYO NODEの「玄関」としてレッドカーペットが敷かれ、訪れるゲストを歓迎する設えが計画されていた。一方で我々が設計するラボは、TOKYO NODEの活動を支えるための場所であり、働く人がリラックスしてものを生み出せるような環境が求められたため、建物全体の「仕上がった空間」というより常に変化を受け入れられるような空間をつくることを考えた。またカフェはグランドレベルから離れているため、客席の密度が求められるようなカフェではなく、TOKYO NODEを利用する方々がゆっくりと時間を過ごせることを重視した。

そこで我々は「仕上がった空間」の一部を「剥がす」ことで、緊張感のある空間に対しておおらかさをもった空間を用意した。ここまで敷かれていたレッドカーペットや天井を剥がし、コンクリートおよびOAフロア現し+天井躯体現しと、「剥がされた」後の下地の状態とすることで、これまでの仕上げられた世界からコントラストをつくるように空間をデザインしている。

さらに剥がされたレッドカーペットの要素である「赤」を内装や家具にちりばめていくことで、重松象平 / OMA NYによる空間との関係性ももたせている。また剥がしたとはいえ新築ビルであるため、材料自体はすべて新しいことから、カフェでは手垢のついたバラバラのused椅子を使ったり、席の密度やテーブルの大きさを調整したり、温かみのある素材を用いたりすることで、新築のなかにほっとできる居心地をつくりだすよう工夫した。ラボは常に変化を許容できるように、ポールシステムを用いてエンジニアデスクやパーティションをつくり、使い手がアップデートできる余地を残している。

ビル全体のコンテクストを活かしながら、「剥がす」という行為によってその一部を書き換え崩すことで、TOKYO NODEの玄関としてさまざまな人・ものを結びつける空間を実現している。
(宮下翔多)

■建築概要

題名:TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB
所在地:東京都港区虎ノ門2丁目6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
主用途:カフェ、オフィス
設計:長坂常 / スキーマ建築計画 担当/宮下翔多 家具担当/上野黄、小見山尚
施工:TANK
階数:地下4階 地上49階建 地上8階部
延床面積:カフェ_251.1㎡、ラボ_230.8㎡
引渡日:2023年10月
オープン:2023年10月
写真:長谷川健太


TOKYO NODE cafe is a cafe with an attached lab located on the 8th floor of Toranomon Hills Station Tower, a new landmark directly connected to Toranomon Hills Station. This floor serves as the entrance to the “TOKYO NODE” complex that occupies the 8th floor and from the 45th through 49th floors of the building. In this context, the cafe was designed to be a cozy place, like a hideaway in a corner of the skyscraper tower.

Toranomon Hills Station Tower was designed by Shohei Shigematsu / OMA NY. The pedestrian deck, which creates horizontal movement in this area, and the “TOKYO NODE,” which aims to activate the area vertically, are designed to improve circulation and create a lively atmosphere in the building and the entire district.

TOKYO NODE is a new information dissemination base for Mori Building that combines business, art, technology, and entertainment. It is intended to be a “NODE” that connects the world and Japan, between people, and across boundaries. We undertook the interior design of a café, including a lab that would support the activities of TOKYO NODE.

The 8th floor was designed as the “entrance” to TOKYO NODE, with a red carpet to welcome guests. On the other hand, the lab we designed would be a place to support TOKYO NODE’s activities, requiring an environment where workers can relax and be creative. Therefore, our idea was to create a space that is always open to change, in contrast to the “finished space” of the entire building. Also, since the cafe is relatively far from the ground level, we focused on offering a place where visitors to TOKYO NODE can spend time at leisure rather than a cafe that requires a high seating density.

Therefore, we created a space with a sense of generosity by peeling off a part of the “finished space” to contrast its tense atmosphere. We peeled off the red carpet and the ceiling to expose the concrete, raised access floor system, and revealed the substrate to create a space that contrasts with the “finished” world before this point.

The red color, an element derived from the red carpet we peeled off, is also used in the interior and furniture, creating a relationship with the space designed by Shohei Shigematsu / OMA NY. Though peeling off has been carried out, the material itself is all new, as this is a newly constructed building, so we used well-used, disparate chairs, varying the density of seating and table sizes and using materials with a sense of warmth to create a relaxing and cozy atmosphere. The lab uses a pole system for engineer’s desks and partitions to accommodate constant change, leaving room for the user to update and modify.

While utilizing the context of the entire building, our act of “peeling off” rewrites and disrupts a part of it, creating a space that serves as the entrance to TOKYO NODE, bringing together various people and things.
(Shota Miyashita)

TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB

Location: Toranomon Hills Station Tower 2-6-2 8F Toranomon, Minatoku, Tokyo
Usage: Cafe, office
Architect: Jo Nagasaka / Schemata Architects
Project team: Shota Miyashita
Furniture team: Ou Ueno, Sho Komiyama
Construction: TANK
Number of stories of the building : 49 floors above ground / 4 floor under ground
Floor where the cafe is located: 8th floor
Floor area: CAFE_251.1㎡、LAB_230.8㎡
Completion: October, 2023
Opening: October, 2023
Photo: Kenta Hasegawa

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    【ap job更新】 シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
    【ap job更新】 シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中meet tee GINZA photo©西川公朗
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
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    シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設までを手掛ける「成瀬・猪熊建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    シェアをコンセプトに、大規模なホテルから国立公園の施設まで様々なプロジェクトを手がける成瀬・猪熊建築設計事務所が、プロジェクトチーフ及び経験者、2025年新卒を募集。VR・BIMなど、設計ツールもアップデート。宿泊施設運営に進出する可能性あり。給与体系を更新、全カテゴリ給与アップ。

    【メッセージ】
    私たちの事務所では、企画・建築設計・インテリア設計・家具や備品のコーディネートまで一気通貫して行なっています。企画的な側面に踏み込んでの提案に興味のある方、建築だけでなくインテリアにも興味のある方には、非常に面白い・学びの多い事務所だと思います。私たちが培ってきたノウハウを身につけならが、事務所として更なる高みを一緒に目指していただける方のご応募をお待ちしています。

    私たちの事務所では、国立公園内の観光拠点施設や、県立公園のビジターセンター・キャンプ場、ホテル、集合住宅、文化財の改修など、官民問わずさまざまなプロジェクトが進行中です。

    また、地域の交流人口を増やし、元気にするための宿泊施設運営を行うことを考え始めているため、そうしたことに興味のある方もぜひご応募ください。
    経験者の方は、随時募集しています。新卒の方は夏休みや冬休みにインターンシップ等も可能ですので、ぜひお早めにご応募ください。

    【ビジョン】
    私たちは、人々がシェアをする場をデザインしています。
    今、社会はますます急速に変わり始めています。
    その中で私たちが目指すのは、建築を通して新しい豊かさを定義し続けることです。

    家族だけに縛られない多様な住まい、世界と地域をつなぐ宿泊施設、物の購入よりも体験に価値がおかれる商業施設、コミュニケーションとイノベーションがビジネスチャンスを作る時代の新しいオフィス、個人の人生に寄り添ったケアの場。これらはそれぞれ全く異なる用途でありながら、いずれも「シェア」によって価値を生み出します。

    私たちはこうした「シェアする場をつくる」ために、「そこにどんな営みを作り出すか」を突き詰めます。ハードとソフトの双方を捉え、それぞれの場に相応しいコンセプトとデザインを提案しています。プロジェクトによっては企画から提案を行い、人の生き方に多様な選択肢を生み出す建築を提案しています。

    設計の進め方に関しても、新しい試みを行っており、近年導入したBIMとVRによる検討は、設計段階での解像度が高まり、大きな手応えを感じているところです。

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    • ap job
    建築求人情報
    2024.07.19 Fri 18:12
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    佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す
    photo©吉田誠 吉田写真事務所

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    architecture|feature
    リノベーション千葉住戸図面あり吉田誠建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・キッチン)建材(内装・その他)栄建佐熊勇亮建築ズ
    佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す玄関から見る。正面:リビング、右:個室 photo©吉田誠 吉田写真事務所
    佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出す個室側よりリビング全体を見る。 photo©吉田誠 吉田写真事務所
    佐熊勇亮 / 建築ズによる、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」。築約40年のRC造集合住宅での計画。予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向。既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出すリビング、既存梁と「ウソ梁」 photo©吉田誠 吉田写真事務所

    佐熊勇亮 / 建築ズが設計した、千葉・習志野市の「津田沼の住宅改修」です。
    築約40年のRC造集合住宅での計画です。建築家は、予算の制約下で“効果的に使い倒せる”場を目指し、元々の質を読み取り“環境に相乗りする”設計を志向しました。そして、既存梁を参照した“ウソ梁”で一室空間の中に“領域性”を作り出しました。

    築36年の鉄筋コンクリート造のマンション一室のリノベーションである。

    建築家によるテキストより

    既存プランは四畳半ほどの個室や和室がある3LDKであったが、間仕切を一部取り広いリビングがある1LDKとした。また部屋の気積を大きくするために天井の除去を行い躯体あらわしとした。躯体が露わになった天井面には既存のRC梁が2箇所渡っていたため、その梁を手がかりに、梁の間を埋めるように新規の梁(ウソ梁)を設ける計画とした。

    27畳ほどのリビングは可能な限り気積を確保した細長い平面形状の一室空間としつつも、既存梁とウソ梁によって天井面を平面的に分節することで大きい気積の中に生活や活動の手がかりとなる領域性をつくる計画とした。

    建築家によるテキストより

    予算の兼ね合いもあり華美な装飾や十分な作り付け造作もなく手を掛けられる箇所は多くなかったが、既存空間の質を読み取り環境に相乗りする計画にすることで、広さの中にある手がかりを元に、効果的に空間を使いたおすことができる場を意図している。

    建築家によるテキストより
    • 残り12枚の写真と建築家によるテキスト
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    リノベーション千葉住戸図面あり吉田誠建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・キッチン)建材(内装・その他)栄建佐熊勇亮建築ズ
    2024.07.19 Fri 15:50
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    2024.7.18Thu
    • 長坂常 / スキーマ建築計画による、岐阜・大垣市の店舗「船町ベース」。江戸時代から栄えた地域に建つカフェ併設の和菓子店。隣接する公園との繋がりを求め、同じ樹種を植えて連続性を作り“徐々に中に引き込まれる”状況を構築。大屋根を持つ三棟の配置で“心地良い”外の居場所も作る
    2024.7.20Sat
    • チョウ・ミンスクとハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談の動画。チョウが設計した2024年のサーペンタイン・パヴィリオンをテーマに開催。2024年6月に行われたもの

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