小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、東京・日本橋の宿泊施設「Hotel Rakuragu」です。
都心の雑居ビルに囲まれた狭小地での計画です。建築家は、“面積以上の広さの獲得”を求め、“都市の隙間”に向けて各階ごとに異なる形状のバルコニーを設ける建築を考案しました。また、構想を実現する為に“ブレース併用ラーメン構造”を採用しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
場所は東京の日本橋です。
周囲は東京都心の典型的な雑居ビル群に囲まれているエリアで、景勝地のような遠方へのビューはなく、高さも幅も素材も開口部に関しても、統一されたデザインコードがないビルに囲まれた場所です。敷地面積はわずか84㎡の狭小地で、限りある面積の中で14部屋の客室を求められました。
建物の敷地自体は小さいですが、左右の建物形状と敷地向かいの建物形状を観察することで、建物が密集するエリアの中においても気持ちよく外に開ける方角を各階毎に見つけていきました。そのような手法で室内の面積は限りがありますが、面積以上の広さを獲得できないかと考えました。
白い直方体をくり抜いていったような外観が特徴の形状を成立させるための構造形式がまず1番の大きな特徴です。
ゲストの外への視線を遮らないようにバルコニーには柱が落ちていません。各階毎に左右に三角にくり抜いたようなバルコニーもあれば、前面を全て大きくバルコニーにしたり、リズム感があるファサードですが、その形状を実現するために、一般的な柱梁のラーメン構造ではなく、ブレース併用ラーメン構造を採用することで、柱配置をある程度プランに合わせて自由にすることができ今回のような空間を作り出せました。
都心の狭い敷地というネガティブな面を払拭するために、私達は都市の隙間に着目して視線の抜けをテーマにし設計をしました。
この1つのバルコニーのコンセプトが建築のアイコニックなファサードを生み出し、バルコニーの違いによるプランがそのままホテルのルームミックスもバランスよく生み出しています。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
場所は東京の日本橋です。
周囲は東京都心の典型的な雑居ビル群に囲まれているエリアで、景勝地のような遠方へのビューはなく、高さも幅も素材も開口部に関しても、統一されたデザインコードがないビルに囲まれた場所です。敷地面積はわずか84㎡の狭小地で、限りある面積の中で14部屋の客室を求められました。
オーナーのA.M Inc.は本プロジェクトのために設立された非常に若く野心的な会社です。本ホテルはクライアントにとって第一号店で2023年の6月に竣工しました。
建物の敷地自体は小さいですが、左右の建物形状と敷地向かいの建物形状を観察することで、建物が密集するエリアの中においても気持ちよく外に開ける方角を各階毎に見つけていきました。そのような手法で室内の面積は限りがありますが、面積以上の広さを獲得できないかと考えました。
白い直方体をくり抜いていったような外観が特徴の形状を成立させるための構造形式がまず1番の大きな特徴です。
ゲストの外への視線を遮らないようにバルコニーには柱が落ちていません。各階毎に左右に三角にくり抜いたようなバルコニーもあれば、前面を全て大きくバルコニーにしたり、リズム感があるファサードですが、その形状を実現するために、一般的な柱梁のラーメン構造ではなく、ブレース併用ラーメン構造を採用することで、柱配置をある程度プランに合わせて自由にすることができ今回のような空間を作り出せました。
都心の狭い敷地というネガティブな面を払拭するために、私達は都市の隙間に着目して視線の抜けをテーマにし設計をしました。
この1つのバルコニーのコンセプトが建築のアイコニックなファサードを生み出し、バルコニーの違いによるプランがそのままホテルのルームミックスもバランスよく生み出しています。(大きなバルコニーはスイートタイプ。バルコニーのないお部屋はツインベッドタイプなど)
1つの少ない手数で多くの問題を解決し価値に変えていくというアプローチが、狭い住空間を賢く利用する日本的でユニークなデザインだと思います。
■建築概要
住所:東京都中央区日本橋本町
建築設計・工事監理:小大建築設計事務所 担当/小嶋伸也、小嶋綾香、中村靖怡、赤崎雄太(※元所員)
構造設計:田中哲也建築構造計画
設備設計:ZO設計室
施工:日向興発
照明デザイン:大好照明
サインデザイン:鈴木哲生
1階アート:we+
構造:鉄骨造(ブレース併用ラーメン構造)
階数:9階 / 14部屋
高さ:29.17m
敷地面積:83.47㎡
建築面積:60.66㎡
延面積:441.62㎡
オープン日:2024年3月3日
写真:堀越圭晋 / SS Tokyo