SHARE 塩塚隆生アトリエによる”海と庭”
©矢野紀行 (Nacasa & Partners Inc.,)
塩塚隆生アトリエによる別荘”海と庭”です。
©矢野紀行 (Nacasa & Partners Inc.,)
以下、建築家によるコンセプト文です。
敷地は海に対して奥行きを持ち、2M程の高低差で海に向かって傾斜している。建物は、海に向かって末広がりのくさび形の平面形状で敷地のほぼ中央にを配置した。
1階は海とは切り離された、庭を楽しむための場所として計画した。半地下の空間は、庭に面する部分を全て開口とすることで、地盤の傾斜がそのまま開口部の形になって現れている。白い砂利を敷き詰めた外構は、塀に囲まれた効果と合わせてひと続きのインテリアとして考えた。居る場所によってまた移動する際に、地盤面との関係が変化する。
2階は、海からの引きを建物内部で多様に体験できるようにした。建物の長手方向の両端部を開口させ、室内の間仕切り壁をガラスで設えた。海のロケーションとその反対側のロケーションが見通せ、どの場所にいても海を見たり感じたりできる。遮蔽が必要なガラスには、透明・不透明を瞬時に切り替えることが可能な液晶シートを挟み込み、海とのつながりが損なわれないようにした。
庭を楽しむ1階と、海を楽しむ2階に明確に分けて、相互を行き来することで別荘としての非日常の時間が過ごせるようにした。
□建物概要
工事名称:海と庭
完 成:2008年8月
用 途:別荘
敷地面積:562.76㎡
延床面積:203.70㎡
規 模:地上2階建
構 造:鉄筋コンクリート造 一部プレストレスコンクリート造