SHARE 成瀬・猪熊建築設計事務所による”ひとへやの森 インタラクティブな風景展”
©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による”ひとへやの森 インタラクティブな風景展”です。
以前architecturephotoによるレビューを掲載しましたが、今回は写真家による写真と建築家のテキストによってこの作品を紹介します。
以上の写真:©西川公朗
以下、建築家によるテキストです。
この作品は、伊東豊雄・隈研吾審査員で行われたコンペの大賞作品をインスタレーションとして実現したものです。コンペのテーマは新しいワンルーム。私たちは、部屋を構成する上で手をつけることの出来ない、風呂・トイレ・収納を全て開放することを考えました。
展覧会では約35平米の部屋の中に、 8本の木のような形をしたオブジェを配置して、
枝に囲われて落ち着いた場所や、少し開けた広場のような場所など、様々な場所を一つの部屋の中に生み出しました。枝の重なりによって生まれた、奥行き・拡がりのある空間です。
このオブジェによって、私たちは、生活にまつわるあらゆるものを吊り下げたり、根元に置いたりすることができます。私達は、全てを収納にしまった、いつまでも美しく整理された空間ではなく、全てが見えているのに、散らかっているように見えず、住んでいる人の個性や生活の仕方によって、部屋の風景が変化していく、活き活きとした建築に興味があります。今回の展覧会では、そういった変化する住まいの風景を実現しました。
見に来てくれた方の多くは、30分以上座ってくつろいでいってくださったので、とても居心地の良い空間ができたと思っています。最終的には4日間で600人以上の方に見ていただくことができました。