SHARE 末光弘和+末光陽子/一級建築士事務所SUEP.による”オオキナキ”
©鳥村鋼一
末光弘和+末光陽子/一級建築士事務所SUEP.が設計した仙台の住宅”オオキナキ”です。
©鳥村鋼一
以下、建築家によるテキストです。
立体田の字プラン→大きな樹
仙台市若林区に建つ夫婦2人、幼い子供2人のための小さな住宅です。敷地は、幹線道路から一本入った小道の一番奥にある小さな場所で、郊外の風景と住宅地のひっそりした雰囲気が入り混じった環境にあります。
私たちは、この4人の家族のために、この場所に「大きな樹」のような家を用意することにしました。
敷地中央に配置された建物は、3.6m角の4グリッドで田の字型プランによってつくられています。中央の十字の壁柱は、下階では小さく、上階になるほど大きくなり、ダイニング・リビングなどパブリック性が高い場所では、室同士のオープンな関係をつくり、個室などプライバシーが高くなる場所では、だんだん部屋として囲まれていきます。
十字の壁の周りには様々な高さで床が張付き、それぞれの場所から建物周囲に配された緑やそれぞれの方位の景色を楽しむことができます。また、この樹木のような壁によって作られた居室は、1つの場所から同時に4つの他の居室を見通すことができ、家族がどこにいても、常に何をやっているか気配を感じられます。
家族それぞれが、好きな場所で好きなことをして生活しながらも、お互いを感じながら暮らす。1本の樹の下にいるような安心感のある、そんな生活の場の提案です。
■建築概要
所在地 宮城県仙台市若林区
主要用途 専用住宅
家族構成 夫婦+子供2人
設計
建築・監理 末光弘和+末光陽子/SUEP.
構造 坪井宏嗣構造設計事務所
施工 聖建設