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2024.12.11Wed
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鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案
photo©小島康敬

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architecture|feature
建材(外装・屋根)鹿内真沙子Kizuki 小泉木材Sデザインファーム鹿内健GAヤマザキ小川共立建設田中哲也建築構造計画建材(外構・床)建材(外装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(内装・床)小島康敬図面あり千葉住宅
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、西側より見下ろす。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、「外リビング」と庭 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、リビングとダイニングから開口部越しに「外リビング」を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案ロフトからダイニング越しに「外リビング」を見る。 photo©小島康敬

鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームが設計した、千葉の、設計者の自邸「増減の家」です。
コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画されました。建築家は、限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向しました。そして、高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案しました。

室内面積65㎡。断熱等級6(UA値0.44、BEI0.68、C値0.3)、6kwの太陽光発電によるZEHの平屋住宅です。

建築家によるテキストより

コロナ禍を経て家とは?生活とは?暮らしとは?
そこに必要となるものは?どうなったか?今回自邸をつくるにあたり考えた事です。

豊かさとは何か?
暮らしの豊かさとは、物質的な物があれば豊かである、、、という事では決してなかったと思います。満ち足り状況、心踊る瞬間があること、そんな形にもならない感覚や気分が大切なのだと思います。家にできること、建築にできることは限られているけど、そんな情緒的な豊かさが益々大切になってきている気がします。

一方で現実問題としては、物価も上がり建設費も高騰しています。どんなに予算があっても程度の差こそあれ全ては満たせない状況です(そうでない人もいますが)限られた予算、限られた条件の中で家という器に豊かさをどうつくれるか?が最近考えているテーマでもあります。

建築家によるテキストより

自邸である今回の家では最近Sデザインファームが取り組んでいる高気密、高断熱化で断熱等級6の家としています。

これは「増やすことでの豊かさ」だと思います。
高気密・高断熱住宅はどうしても「何年で回収するか?」など投資回収の話になってしまいますが、子どもたちの時代、孫たちの時代に対してエネルギー問題、温暖化対策として建築家・工務店などの作り手はもちろんの事、今を生きる住み手も何かする必要があると感じています。高断熱化、高気密化などの断熱強化、トリプルガラス、創エネとなる太陽光発電はわずかなエネルギーで家が涼しくなり、太陽の恵みで室内は暖かくなります。この1年暮らしてみて、こんなに快適なのかと改めて実感しています。

一方で「減らすことでの豊かさ」にも取り組んでいます。
建物をごそっとくり抜いたような外リビングは屋根があり単板サッシによる欄間がありますが、室内が残されたまま外化されたような空間です。室内空間でなくコントロールされてない屋外空間であるため、暑さ寒さなど外的要因が如実に反映されます。でも外でご飯、焚き火、寝転んで猫と戯れる、虫の飼育場、汚れても出しっぱなしにしていても気にならない緩さがあります。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、南西の参道より見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、西側より見下ろす。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、南側の道路より見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、庭より「外リビング」を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、「外リビング」と庭 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、「外リビング」から南の道路側を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、「外リビング」から玄関側を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、玄関側よりダイニングとリビングを見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、ダイニングから開口部越しに「外リビング」を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、リビングとダイニングから開口部越しに「外リビング」を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、リビングとダイニングから開口部越しに「外リビング」を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、リビングからダイニング越しにキッチンを見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、正面奥:キッチン、右手前:ダイニング photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階、キッチンとダイニングから寝室側を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案ロフトからダイニング越しに「外リビング」を見る。 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、南側の道路より見る、夕景 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案外観、庭より「外リビング」を見る、夜景 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案ダイニングからキッチンを見る、夜景 photo©小島康敬
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案1階平面図 image©Sデザインファーム
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案ロフト平面図 image©Sデザインファーム
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案断面図 image©Sデザインファーム
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案ダイアグラム image©Sデザインファーム
鹿内健+鹿内真沙子 / Sデザインファームによる、千葉の、設計者の自邸「増減の家」。コロナ禍以降の“豊かさとは?”を主題に計画。限られた条件での実現性も考慮し、“増による豊かさ”と“減による豊かさ”を両立させる建築を志向。高気密高断熱の内部空間に“外リビング”を付加する構成を考案室温変化1年目 image©Sデザインファーム

以下、建築家によるテキストです。


概要

室内面積65㎡。断熱等級6(UA値0.44、BEI0.68、C値0.3)、6kwの太陽光発電によるZEHの平屋住宅です。

考えたこと

コロナ禍を経て家とは?生活とは?暮らしとは?
そこに必要となるものは?どうなったか?今回自邸をつくるにあたり考えた事です。

豊かさとは何か?
暮らしの豊かさとは、物質的な物があれば豊かである、、、という事では決してなかったと思います。満ち足り状況、心踊る瞬間があること、そんな形にもならない感覚や気分が大切なのだと思います。家にできること、建築にできることは限られているけど、そんな情緒的な豊かさが益々大切になってきている気がします。

一方で現実問題としては、物価も上がり建設費も高騰しています。どんなに予算があっても程度の差こそあれ全ては満たせない状況です(そうでない人もいますが)限られた予算、限られた条件の中で家という器に豊かさをどうつくれるか?が最近考えているテーマでもあります。

自邸である今回の家では最近Sデザインファームが取り組んでいる高気密、高断熱化で断熱等級6の家としています。

これは「増やすことでの豊かさ」だと思います。
高気密・高断熱住宅はどうしても「何年で回収するか?」など投資回収の話になってしまいますが、子どもたちの時代、孫たちの時代に対してエネルギー問題、温暖化対策として建築家・工務店などの作り手はもちろんの事、今を生きる住み手も何かする必要があると感じています。高断熱化、高気密化などの断熱強化、トリプルガラス、創エネとなる太陽光発電はわずかなエネルギーで家が涼しくなり、太陽の恵みで室内は暖かくなります。この1年暮らしてみて、こんなに快適なのかと改めて実感しています。

一方で「減らすことでの豊かさ」にも取り組んでいます。
建物をごそっとくり抜いたような外リビングは屋根があり単板サッシによる欄間がありますが、室内が残されたまま外化されたような空間です。室内空間でなくコントロールされてない屋外空間であるため、暑さ寒さなど外的要因が如実に反映されます。でも外でご飯、焚き火、寝転んで猫と戯れる、虫の飼育場、汚れても出しっぱなしにしていても気にならない緩さがあります。

ふとした瞬間に見せる自然の表情、鳥や虫やカエルなど思わぬ来訪者、気がついたら居座ってしまった野良猫の子猫。出しっぱなしのスケートボードやバスケットボールや焚き火台。収穫して乾燥させているさつまいも。全てをコントロールしきれない、されきれない、そんな豊かさもここにはあると思います。

間取り

室内面積をコンパクトな65㎡としていますが、33㎡のロフト空間と20㎡の外リビング空間があります。日常生活は65㎡とコンパクトですが、普段使わない物などはロフト空間においています。天井高さ3.8mでロフトまで広がり感があるので開放的なLDKとなっています。各個室は天井高さを2.1mと最小限とし広さも4.5~6畳と小さくしていますが、クーラーの効きが良く今年の夏の設定温度は30℃の弱運転でした(29℃にすると寒くて寝られない)。

素材

窓はトリプルガラスの樹脂複合サッシです。樹脂の方が結露は抑えられると思いますがフレームの細さを優先しています。床は磁器質タイルとしていますが床暖房は設置していません。冬場は南側の高窓からの日射取得で室内が温まりますので最初は不安でしたが一冬過ごした印象では問題なかったです。壁は光を鈍く反射する薄塗り左官材です。天井は室内外が連続するように木材を貼っています。

コストダウン

面積を小さくすることでコストダウンをしています。インテリア素材をダウングレードするよりも1坪でも面積を絞るのがコストダウンのコツだと思います。キッチン・お風呂は前回の自邸では最優先で作ったので今回は既製品を素っ気なく入れていますが、ゆくゆくオーダーキッチンにでも変更できたらと思っています。

良かったこと

・室温は20~25°の間で年間を通じて安定した室温環境。
・冬の暖房利用はエアコンを1~2時間程度。主に外気温が1桁台近くになる時に温める程度。就寝時は基本的に掛ふとん1枚程度で問題なし。
・夏は庇がなく風景を取り込む西向きに大開口を設置しているので心配をしていたが室内の断熱ハニカムブラインドとエアコン(外気温が38°近くになっても25~26°設定の弱運転)で問題なかった。太陽光発電が余剰している季節なので売電せずに自家消費
・冬の結露は放射冷却によって高窓サッシの足元部分にうっすら生じるが太陽が出てくる時間帯には消える(結露をなくすのは住まい方、湿度管理もあるので難しいが明らかに減ります)
・太陽光発電は年間を通じた発電量6813kwh、消費量6936kwhと発電より消費量が上回っているが1次エネルギー消費量の計算に含まれない家電や調理のエネルギーも含んでいるのでZEHは達成。多くの太陽光発電を載せるのではなく自家消費程度の6kwを積載したのでメンテナンスも最小限で済む。一般的な電気+ガス代とこの1年の浮いたお金の差額で計算すると太陽光発電費用は10年程度で回収。FIT期間後は蓄電池も現実的かも。
・外リビングは大雨でも欄間のサッシがあるので1m程度しか吹き込まないので家具は置きっぱなし(風が強いときはたたみますが)出し入れがないのでさっと使えるが良い
・室内が暖かく直ぐに戻れるので外リビングは意外と冬季も利用する。

想定外

・断熱をしっかりしたので寝室の窓のコールドドラフトは強く感じる。最初は窓辺にベッドを寄せていたが、冷気を感じて離した。
・寝室は6畳で天井高さ2.1mと体積が小さいので人間2人の発熱で部屋が温まる。一方で中間期は屋外が過ごしやすい気温になるが平屋のプライバシー問題から窓を開けては寝づらく、多少の罪悪感を感じながら冷房をつける(外気温が18°程度なのに室温が23°なので31°設定の冷房をつける)
・エアコンの温度管理、絶対湿度など心地よい室温、湿度は人によって異なるので意外と数値を把握する必要がある。
・特に冬期の絶対湿度は12g/㎥が風邪やインフルエンザ対策に良いと言われるが暮らし方によって変動するのでコントロールは少し難しい。
・ドラム式洗濯機の乾燥とユニットバスに市販の除湿機(消費電力が浴室暖房乾燥機に比べて格段に少ない)を設置して洗濯干しをしたので結局天日干しをしなかったが、全く問題なかったのは良い想定外。

■建築概要

題名:増減の家(鹿内邸)
所在地:千葉県
主用途:一戸建ての住宅
設計:Sデザインファーム 担当/鹿内健、鹿内真沙子
協力:田中哲也建築構造計画、kizuki 小泉木材、小川共立建設、GAヤマザキ
構造:在来木造
階数:1階+ロフト
断熱仕様:断熱等級6(地域区分:6地域)
外皮平均熱貫流率(UA値):0.44 W/㎡K
相当隙間面積(C値):0.3㎠/㎡
再生可能エネルギーを除いた設計一次エネルギー消費量の基準一次エネルギー消費量からの削減率:32%削減(BEI=0.68)
再生可能エネルギーを加えた設計一次エネルギー消費量の基準一次エネルギー消費量からの削減率:175%削減(ZEH)
敷地面積:217.39㎡
建築面積:86.92㎡
延床面積:84.46㎡
設計:2022年7月~2023年3月
工事:2023年4月~2023年10月
竣工:2023年10月
写真:小島康敬

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

ガルバリウム鋼板0.35t 立平ロック20型 働き幅350mm KS95H銀黒 縦はぜ葺き(セキノ興産)

外装・壁外壁

窯業系サイディング16t フィエルテ NH4976A フィエルテチタンアイロン(Kmew)

内装・床LDK 床

磁器質タイル:スターダスト トバコ(オオムラ)

内装・壁LDK 壁

薄塗り左官:ラ・クレセンテ フラット(ラ・クレセンテ)

内装・天井LDK 天井

フローリング:オルモシア(望造)

外構・床外構

鉄平石:ジャワ鉄平石 ミックスブラウン(オオムラ)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    【ap job更新】 設計した自社オフィスが“国際的な建築賞”も受賞する「R/URBAN DESIGN OFFICE」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と アルバイトを募集中
    【ap job更新】 設計した自社オフィスが“国際的な建築賞”も受賞する「R/URBAN DESIGN OFFICE」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と アルバイトを募集中『ラーバンデザインオフィス本社(2020)』 写真:千葉顕弥
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
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    設計した自社オフィスが“国際的な建築賞”も受賞する「R/URBAN DESIGN OFFICE」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と アルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    R/URBAN DESIGN OFFICEでは、一緒にプロジェクトを進めるメンバーを募集しています 。

    弊社は、東京大学大学院卒業後シーラカンス(CAt)から独立した雨宮知彦が設立した建築設計事務所です(経歴等はHP参照ください)。
    近年、規模の大きい仕事も増えてきており、一緒に事務所を成長させていける仲間を探しています!

    以下のような特徴のある事務所です。興味を持った方はぜひご連絡ください。

    【2項対立】
    事務所名(rural/urban)の由来でもありますが、農村的/都市的、固着/流動、永遠性/永続性、フォーマル/インフォーマル、抽象/具象といった2項対立的な視座で環境をとらえつつ、そのあいだのトレード関係や境界面、グラデーションをデザインの主題としていきます。

    【多用途】
    様々な用途の設計にチャレンジしています。これまで、個人住宅・集合住宅・店舗・オフィス・保育所・学校・美術館などの実績があります。現在は公共の教育施設2件・大型リゾートホテル・スポーツ施設・共同住宅1棟改修・戸建て住宅1棟改修など多彩なスケールのプロジェクトが進行中で、それぞれの得意な仕事を担当できます。実務経験のある方、優遇します。

    【グローバル】
    日本国内だけでなく、インドネシアやアルゼンチンなど海外のプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。英語堪能な方、優遇します。

    【世界一のオフィス】
    国際建築賞FRAMEAWARDS2021「SMALL OFFICE OF THE YEAR」を受賞した事務所は、道路に面した1階の地域に開かれた場所です。内装は自社でリノベーションし、コロナに対応した風通しの良い快適な執務空間です。

    【コンペ】
    コンペやプロポーザル、アワードにも積極的にトライします。各種プロポーザルコンペや、SDレビュー・建築学会新人賞や海外の建築賞など、入選・受賞多数。

    【アカデミック】
    代表が大学で研究や非常勤講師をしている関係で、大学のプロジェクトとの協働機会があります。

    【フレキシブル】
    フルタイム勤務だけでなく、個人のスタイルに合った働き方を推奨します。代表も5歳と10歳の子育てに励んでいます。

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    • ap job
    建築求人情報
    2024.12.11 Wed 15:46
    0
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    2024.12.10Tue
    • 高池葉子建築設計事務所による、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」。設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画。沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案。先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図
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    • 【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・2025年新卒)を募集中
    • ATELIER MOZHによる、中国・上海市の「Havas Events Shanghai Office」。天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修。交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出。孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担う
    2024.12.12Thu
    • 【ap job更新】 “デザインの力で世界を美しくする”を掲げ、“未来の古典”となる建築を目指す「STAR / エスティエイアール」が、建築設計とインテリアデザインに携わるスタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中
    • 中山拓也建築事務所による、東京・港区の店舗「木漏日のカウンター」。飲食店の一部にカウンター席を作る計画。内装ではなく“建築を考える”ように取組み、全体を“手仕事の判”で覆って新旧が緩やかに繋がる空間を構築。約1m×5mの天板は9mm厚鉄板をT字型に溶接して支える

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