迫慶一郎/SAKO建築設計工社による”北京ラチス”
サムネイル:迫慶一郎/SAKO建築設計工社による

迫慶一郎/SAKO建築設計工社による”北京ラチス”

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©Misae Hiromatsu/BEIJING NDC STUDIO, INC.

迫慶一郎/SAKO建築設計工社が設計した北京の商業施設”北京ラチス”です。

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©Misae Hiromatsu/BEIJING NDC STUDIO, INC.
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以下、建築家によるテキストです。


「格子 装飾/表層」
 北京の大使館地区にある「三里屯」という老舗のバー・ストリートの再開発である。北京・東京・ニューヨークを拠点とする建築家が参加し、各々に個性溢れるデザインの商業施設が設計された。外国の街や人気キャラクターをコピーするだけのテーマパーク的な開発ではなく、現代建築デザインの「混成」により活気を生み出し、それが三里屯の新しいアイデンティティとなるように想定されている。
 クライアントからの設計条件は「中国的な要素を取り入れること、バーが集積する建物であることを考慮すること」であった。その答えとして採用した材料は、金と銀の鏡面ステンレスと、伝統的な格子パターンをかたどった鋳鉄のスクリーンである。街区の外側に面する部分には、金色鏡面ステンレスと鋳鉄のスクリーンを組み合わせて用いた。500mm角の鋳鉄スクリーンは鏡面ステンレス面から300mmオフセットして設置された「装飾」である。90度ずつ回転させ設置することで、4種類のパターンの組み合わせとなる。昼間は黒い鋳鉄スクリーンが鏡面に映り込むために、2倍の量の鋳鉄が用いられているように見え、金色の派手派手しさがコントロールされている。夜間は鋳鉄スクリーンと鏡面ステンレスの間に設置された照明により、鋳鉄スクリーンのシルエットが浮かび上がる。一方街区の内側に面する部分には、金と銀の鏡面ステンレスにプレス加工したものを採用した。多数の凹点により鋳鉄スクリーンと同様の格子パターンが浮かび上がる。夜間は周囲の光を敏感にそして艶めかしく映し出す「表層」をつくり出す。
 これらの「装飾」と「表層」に絡むかたちで、正方形の大小の開口を多数設けている。開口の位置は、鏡面ステンレス面、鋳鉄スクリーン面、さらにそれから300mm突き出た面の3箇所ある。各テナントはその開口を用いて、ショーウィンドウ、広告、窓などさまざまな使い方をすると想定している。
 こうしたいくつものパラメーターにより、複雑で豊かなファサードが形成されると考えている。
■建物概要
用途:商業施設
所在地:中国北京市
実施段階: 竣工
設計期間: 2005.09-12
施工期間: 2006.01-2007.12
竣工日時: 2007.12
規模:地上3階、地下2階
敷地面積: 4,200㎡
建築面積: 2,900 ㎡
延床面積: 8,000 ㎡

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