湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 外観、敷地内東側より玄関ポーチを見る、夕景 "Untitled (The House in Inariyama #266)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、リビングからダイニングの階段を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #47)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 2階、個室3から吹抜越しに個室2を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #341)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介 が設計した、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」です。
ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想されました。建築家は、“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向しました。そして、形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げました。
ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』という小説の中にはさまざまな光の描写が散りばめられている。
灯台、蝋燭、ランプ、陽、月、緑、心、理性。スコットランド北部の一つの島、一つの家族を中心に描かれた10年をまたぐたった二日間の物語の中、変わらないものとして描かれているある灯台の周りで、変化する人々の心情と状況にさまざまな光が寄り添っている。
限られた場所と関係性の中で、何気ない日常から人の生死まで、作家自身が追い求めていたのかもしれないある普遍性とその人なりの真理を描こうとする物語に惹かれている。
静かに小さく、明るみのようにそこに佇む家を想像していた。
一本の坂道を登った先にある家に、カフカの城のような象徴性を思い浮かべたこともあったが、同じたどり着けない象徴の建物でありながら、全く異なるムードをもつウルフが描く灯台に、人を縛ることなく寄り添い続ける安全地帯のような静謐さを感じ、この住宅のモチーフとして思い描いていた。
壁や建物はある場所とある場所を分かつものとしての境界を明示するが、ごくパーソナルな家という建物の佇まいが、灯台のように光を指し示すような在り方になれたなら、分断を感じるより前に、それが誰のものかにもよらずに、誰かの帰りの足並みを軽くしてくれるかもしれない。
周囲の住宅の立ち位置とは少し変えて敷地境界に対して余裕をもってセットバックし、屋根の高さを低く抑えてベランダも設けず、外向きに花柄模様をつけたカーテンと窓を設えた。窓から漏れ出る灯りやそれが照らす隣地の雑木林の葉たちは、坂道の先に誰のためともなく灯る灯りとなり、建築がもつ排他性を少しでも弱めることに寄与してくれないかと考えていた。
内部が見えてしまうからカーテンをつけるのではなく、内部が見えてしまうから見ないように目をそらすのでもなく、庭先の花壇を眺めてほしいと願うように外を歩く誰かに向けて花の模様を設え、見上げた時に柔らかな光となって外に漏れ出すための開口部として、窓を高い位置に設けカーテンを外向きにつけている。
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湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 外観、敷地内東側より玄関ポーチを見る、夕景 "Untitled (The House in Inariyama #266)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 外観、南東側の道路より見る、夜景 "Untitled (The House in Inariyama #293)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 外観、南側の道路より見る、夜景 "Untitled (The House in Inariyama #271)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、ダイニング "Untitled (The House in Inariyama #102)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、ダイニング、2階への階段 "Untitled (The House in Inariyama #191)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、ダイニングから玄関越しに庭側を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #252)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、ダイニングからリビング側を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #289)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、リビングからダイニングの階段を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #47)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階、リビングからダイニングの階段を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #68)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 2階、個室3から吹抜越しに個室2を見る。 "Untitled (The House in Inariyama #341)", 2024 © Gottingham Image courtesy of Office Yuasa and Studio Xxingham photo©Gottingham
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 配置図 image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 1階平面図 image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 2階平面図 image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 断面図 image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 断面図 image©湯浅良介
湯浅良介によるドローイングとスケッチ
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湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 初期段階のドローイング image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 初期段階のドローイング image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 初期段階のドローイング image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 初期段階のドローイング image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 初期段階のドローイング image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 初期段階のドローイング image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる 手帳に描かれたスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』を参照した灯台のスケッチ image©湯浅良介
湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』を参照した煙突のスケッチ image©湯浅良介
ゴッティンガムによる竣工写真撮影のビハインドザシーンとしての映像作品「Lights」
VIDEO
映像クレジット / 映像作品名: Lights、建築: LIGHTS、建築設計: 湯浅良介、ピアノ: モモ、キャスト: ゴッティンガム、アンリ、ケン、コウセイ、編集・音声: 矼由之輔、制作: オフィスユアサ、脚本・撮影・監督: スタジオイナリヤマ / Video title: Lights, Architecture: LIGHTS, Architect: Ryosuke Yuasa, Piano: Momo, Cast: Gottingham, Anri, Ken, Kosei, Edit and Sound: Yunosuke Ishibashi, Produce: Office Yuasa, Screenplay, Cinematography and Director: Studio Inariyama / ©︎ 2024 Inariyama Film. All Rights Reserved. Image: Ryosuke Yuasa, Sketch for LIGHTS, 2023 ©︎ Ryosuke Yuasa, Image courtesy of Office Yuasa
以下、建築家によるテキストです。
流れる時間と佇む空間; 光
“She praised herself in praising the light, without vanity, for she was stern, she was searching, she was beautiful like that light. It was odd, she thought, how if one was alone, one leant to things, inanimate things; trees, streams, flowers; felt they expressed one; felt they became one; felt they knew one, in a sense were one; felt an irrational tenderness thus (she looked at that long steady light) as for oneself. There rose, and she looked and looked with her needles suspended, there curled up off the floor of the mind, rose from the lake of one’s being, a mist, a bride to meet her lover.”
(Woolf, Virginia. To the Lighthouse. 1927)
“あの光を讃めることを、自分を讃めることになるのでしたが、全く虚栄の心は皆無でした。その光のようにおごそかに、探究的でしかも美しかったのでした。奇妙なことであるけれど、自分が独りであると、物に、命のないものに、樹とか、流れとか、草花に身を寄せるのです。その生なき物どもが自分を具現しているように感じ、あたかも自分に対するように(私はあの息のながい、あの着実な光に眼をすえました)いわれのないほどの優しさを感ずるのでした。すると心の奥底からうずまき上り、自分の生命の湖から立ちのぼる一条の霧、私は編針をとめて眺めいりましたが、それはまるで、その恋人を迎える花嫁のようでありました。”
(ヴァージニア・ウルフ[著]、伊吹知勢[訳]『灯台へ』みすず書房、1999年)
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ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』という小説の中にはさまざまな光の描写が散りばめられている。
灯台、蝋燭、ランプ、陽、月、緑、心、理性。スコットランド北部の一つの島、一つの家族を中心に描かれた10年をまたぐたった二日間の物語の中、変わらないものとして描かれているある灯台の周りで、変化する人々の心情と状況にさまざまな光が寄り添っている。
限られた場所と関係性の中で、何気ない日常から人の生死まで、作家自身が追い求めていたのかもしれないある普遍性とその人なりの真理を描こうとする物語に惹かれている。
静かに小さく、明るみのようにそこに佇む家を想像していた。
一本の坂道を登った先にある家に、カフカの城のような象徴性を思い浮かべたこともあったが、同じたどり着けない象徴の建物でありながら、全く異なるムードをもつウルフが描く灯台に、人を縛ることなく寄り添い続ける安全地帯のような静謐さを感じ、この住宅のモチーフとして思い描いていた。
壁や建物はある場所とある場所を分かつものとしての境界を明示するが、ごくパーソナルな家という建物の佇まいが、灯台のように光を指し示すような在り方になれたなら、分断を感じるより前に、それが誰のものかにもよらずに、誰かの帰りの足並みを軽くしてくれるかもしれない。
周囲の住宅の立ち位置とは少し変えて敷地境界に対して余裕をもってセットバックし、屋根の高さを低く抑えてベランダも設けず、外向きに花柄模様をつけたカーテンと窓を設えた。窓から漏れ出る灯りやそれが照らす隣地の雑木林の葉たちは、坂道の先に誰のためともなく灯る灯りとなり、建築がもつ排他性を少しでも弱めることに寄与してくれないかと考えていた。
内部が見えてしまうからカーテンをつけるのではなく、内部が見えてしまうから見ないように目をそらすのでもなく、庭先の花壇を眺めてほしいと願うように外を歩く誰かに向けて花の模様を設え、見上げた時に柔らかな光となって外に漏れ出すための開口部として、窓を高い位置に設けカーテンを外向きにつけている。
外装の150mmピッチで貼られた杉板はこの建築全体のモジュールガイドの役目を担っている。
この150mmピッチのラインが玄関から室内へ、300mm、450mm、600mmと拡大しながら流れ込み、内部の壁面や天井、扉や各所の高さを決定づける根拠になっている。
部屋や扉、階段や目地などのエレメントは左右対称に配置され、展開面ごとの正面性を確保しながら、各面上に敷かれたガイドに沿って伸縮し、その形状やサイズが決定されている。ダイニングに置かれた薪ストーブもこのガイドに沿って壁の中央に配置され、その結果煙突は窓の目の前を通り屋根を貫く一本の線として内外共に現れる。
冬になり煙突から立ちのぼる煙の筋もまた、この家の住人がおこした灯りの漏れ光のように、それを見た誰かの足取りを軽くしてくれるだろうか。
『灯台へ』の最終部、10年間未完成のままだった絵にリリーが一本の線を描き絵は完成を迎え、「ヴィジョンをとらえた」と彼女が言い放ち物語が終わる。時は閃光のように過ぎ人も状況も時に押し流されるように刻々と変わる。その流れの中で、灯台のような存在は、それよりはもっとずっと遅く、静かに、耐えるようにその場所に佇んでいる。
人があるヴィジョンを獲得するまでの時間、ある空間が同じ場所に静かにただあるということに、人が救われることもあるのかもしれない。
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“She looked at the steps; they were empty; she looked at her canvas; it was blurred. With a sudden intensity, as if she saw it clear for a second, she drew a line there, in the centre. It was done; it was finished. Yes, she thought, laying down her brush in extreme fatigue, I have had my vision.”
(Woolf, Virginia. To the Lighthouse. 1927)
“上り段を見た、空だった。キャンバスを見た、ぼんやりとしていた。不意に一種、はげしい感情にかられた、一つの線を真ん中にひいた。出来た、完成した、とリリーは考えた、極度の疲労で刷毛をおいた、そうよ、私はヴィジョンをとらえました。”
(ヴァージニア・ウルフ[著]、伊吹知勢[訳]『灯台へ』みすず書房、1999年)
■建築概要
題名:LIGHTS
所在地:埼玉県狭山市
主用途:住宅
設計:湯浅良介
構造:mhr 梅原智洋
カーテン:堤有希
施工:諸井工務店 代表/諸井昌典 担当/西澤章太
構造:木造軸組工法
階数:地上2階建
基礎:べた基礎
敷地面積:195.13㎡
建築面積:61.66㎡
延床面積:92.42㎡
1F面積:60.24㎡
2F面積:32.18㎡
設計期間:2023年2月~2023年10月
工事期間:2023年11月~2024年7月
竣工年月:2024年7月
写真:GOTTINGHAM
映像:STUDIO INARIYAMA
ドローイング:Ryosuke Yuasa