トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の道路より見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY
トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、階段側から客席(半個室)側を見る photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY
トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、客席(テーブル)から開口部越しに外部を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY
トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の駐車場より見る。夜景 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY
トイットデザインと西和人一級建築士事務所が設計した、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」です。
大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画されました。建築家は、乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向しました。そして、木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案しました。
街中に建つ、地域に開かれたカフェの計画である。
施主はこの建物を通して、地域の方々が気軽に訪れる事のできる場の創造と、それに伴う自社ブランドの向上を望んでいた。
建設地は大型施設が建ち並ぶ地方都市の中にあり、雑然とした街の一角にある。
どこか表面的で、自然味の感じられない乾いた都市環境の中で、建築が“その存在をあるがままに表現していく強さ”を持つことで、この地に、生き生きとした状態・場をつくり出すことができるのではないかと考えた。
具体的には、主要構造を木造とし、できる限りその構造躯体・耐力部材に至るまで隠さず表し、それがファサードとして生きるよう計画を行ない、人工的な町の中に大きな枝葉を広げた大樹の集合体のような建築を計画した。
森の中にいるような気持ちの良さと、木々の持つ力強さを体現したような建築である。
エントランスより建物内部に入ると、大樹を支える大きな枝葉のような力強い躯体が天井を覆う。木素材以外は白とグレーのモノトーンの背景を用意し、構造躯体の解像度を高めている。2階に上がるとその枝葉はより細分化され軽やかさを増す。
この地の持つある種商業的に画一されたデザインコードから建築を脱線させ、自然環境から生成される存在の一部として読み替えていくことで、ここに訪れた人々がより、自然体で緩やかな時間を過ごすことができるよう場を整えた。
また、木を使うことは単に空間形成とは別の意味も持つ。
木を積極的に活用していくことで、「建築行為」自体が都市部での森林資源の新たな需要となり、「木の循環」の一部となる。
木材の中には二酸化炭素のもととなる炭素が固定化されている。木造建築の中で木の姿をとどめているあいだは炭素貯蔵という点においても建築自体が第2の森林、都市の森であるとも考えられる。
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トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の道路より見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の道路より見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の駐車場より見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側よりポーチとエントランスを見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案1階、エントランス側から客席を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案1階、エントランス側から客席を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案1階、客席からエントランス側を見る photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案1階、客席から開口部越しに外部を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案1階、客席からエントランス側を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、階段側から客席(カウンター)側を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、階段側から客席(半個室)側を見る photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、客席(カウンター) photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、客席(カウンター) photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、左:客席(カウンター)、右:客席(半個室) photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、左:客席(カウンター)、右:客席(半個室) photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、客席(テーブル)から客席(半個室)と客席(カウンター)を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、客席(テーブル)から開口部越しに外部を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、客席(テーブル)から開口部越しに外部を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、左:客席(半個室)、右:客席(カウンター) photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、階段横のホールからレクチャールーム側を見る。 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階、レクチャールーム photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の駐車場より見る。夜景 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の道路より見る。夜景 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案外観、東側の道路より見る。夜景 photo©MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案1階平面図 image©トイットデザインと西和人一級建築士事務所

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案2階平面図 image©トイットデザインと西和人一級建築士事務所

トイットデザインと西和人事務所による、石川・金沢市の「街中に建つ大樹のカフェ」。大型施設が建ち並ぶ街の一角に計画。乾いた都市の中に“生き生きとした場”の創出を目指し、“存在をあるがままに表現していく強さ”を備えた存在を志向。木造の躯体を現しとした“大樹の集合体”の様な建築を考案断面図 image©トイットデザインと西和人一級建築士事務所
以下、建築家によるテキストです。
街中に建つ、地域に開かれたカフェの計画である。
施主はこの建物を通して、地域の方々が気軽に訪れる事のできる場の創造と、それに伴う自社ブランドの向上を望んでいた。
建設地は大型施設が建ち並ぶ地方都市の中にあり、雑然とした街の一角にある。
どこか表面的で、自然味の感じられない乾いた都市環境の中で、建築が“その存在をあるがままに表現していく強さ”を持つことで、この地に、生き生きとした状態・場をつくり出すことができるのではないかと考えた。
具体的には、主要構造を木造とし、できる限りその構造躯体・耐力部材に至るまで隠さず表し、それがファサードとして生きるよう計画を行ない、人工的な町の中に大きな枝葉を広げた大樹の集合体のような建築を計画した。
森の中にいるような気持ちの良さと、木々の持つ力強さを体現したような建築である。
エントランスより建物内部に入ると、大樹を支える大きな枝葉のような力強い躯体が天井を覆う。木素材以外は白とグレーのモノトーンの背景を用意し、構造躯体の解像度を高めている。2階に上がるとその枝葉はより細分化され軽やかさを増す。
この地の持つある種商業的に画一されたデザインコードから建築を脱線させ、自然環境から生成される存在の一部として読み替えていくことで、ここに訪れた人々がより、自然体で緩やかな時間を過ごすことができるよう場を整えた。
また、木を使うことは単に空間形成とは別の意味も持つ。
木を積極的に活用していくことで、「建築行為」自体が都市部での森林資源の新たな需要となり、「木の循環」の一部となる。
木材の中には二酸化炭素のもととなる炭素が固定化されている。木造建築の中で木の姿をとどめているあいだは炭素貯蔵という点においても建築自体が第2の森林、都市の森であるとも考えられる。
本建物では、地元野菜を使ったカフェメニューを楽しむことができると同時に、地域の人々に対するレンタルスペースも内包している。
これら施設を利用する人々をおおらかに包みこみながらも、この建物が次世代につながる建築のあり方、企業と社会との関わり方、そして人と都市、自然との関わり方、その全てのつながりを考えるきっかけの場となることを願い、本建物を計画した。
■建築概要
題名:街中に建つ大樹のカフェ
所在地:石川県金沢市
設計:(株)toit-design+(株)西和人一級建築士事務所
施工:鈴木建設(株)
構造:木造
階数:地上2階建
敷地面積:279.03㎡
建築面積:118.45㎡
延床面積:221.13㎡
竣工:2025年2月26日
写真:MARK AND PORTER PHOTOGRAPHY