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2025.10.10Fri
2025.10.09Thu
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す
photo©釣井泰輔

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architecture|feature
BEYOND ENGINEERING安藤祐介西安建設釣井泰輔建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・照明)建材(内装・キッチン)建材(内装・水廻り)建材(外構・床)住宅図面あり
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南東側より見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニングからリビング越しに趣味室を見る。 photo©釣井泰輔

安藤祐介建築空間研究所が設計した、愛媛の「連続窓と風景片の家」です。
通りからの視認性が高い三角形の土地での計画です。建築家は、施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案しました。そして、周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成しています。

美容業界で仕事をされるご夫婦から、自宅を建てたいと依頼を受けた。

市内最大の河川沿いにある計画地は、旗状地かつ三角形という変形敷地であった。隣地は相続放棄された空地で建物の建つ見込みがほぼ無く、眺望が大きく開けている。人通りの多い土手道から一望できるこの敷地で、住まい手の個性を主張する建物の立ち現れ方を問われた。

建築家によるテキストより

建物ボリュームの検討から設計をスタートし、変形地に合わせた外形であること、そして各階で必要な容積の検討から、積み木のような段々形状が導かれた。さらに段々に合わせ規則的に窓を配列することにより、外観に特徴的なリズムと連続感を生むことを考えた。

この段々形状と連続窓を、一貫した変化を繰り返す明解な形態生成規則として整理し、室の広さなどの機能性とプロポーションといったデザイン性を調整していった。今回は住宅サイズだが、同じ連続的変化を繰り返すことで、より規模の大きな建物まで応用可能な形態生成規則となっている。
また結果としてこの特徴的な建物形状は、公衆トイレや化学工場の集水ポンプといった近隣の異彩なオブジェクト群とも不思議な調和を生み出すこととなった。

建築家によるテキストより

段々形状と連続窓は、室内にも秩序と広がりもたらしている。一つの室がいくつの窓を含んでいるかで部屋サイズのバリエーションを設定し、Lサイズ(窓3つ):リビング・ダイニング・キッチン、Mサイズ(窓2つ):主寝室、Sサイズ(窓1つ):子供室・トイレ、といった具合に、用途機能ごとの必要面積によって振り分けた。
室内に連続的に表れる縦長窓が景色を断片的に切り取り、風景のかけらをインテリアの一部として取り込む住空間となった。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す俯瞰、南側より見下ろす。 photo©Yusuke Ando Architects
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、東側の道路より見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南東側より見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より玄関側を見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニング側から玄関を見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、左:ダイニング、右:玄関 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、左手前:ダイニング、左奥:玄関、右:リビング photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニングからリビング越しに趣味室を見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニング側からリビング越しに趣味室を見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、趣味室からリビングを見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、趣味室側からリビング越しにとダイニングを見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニング側からキッチンを見る。 photo©Yusuke Ando Architects
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニングから2階への階段を見る。 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階から2階への階段の詳細 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す2階、主寝室 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す2階、子供室1 photo©Yusuke Ando Architects
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、脱衣室 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、洗面所 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、WC photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニングからリビング越しに趣味室を見る。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、ダイニング側からリビング越しに趣味室を見る。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、中央手前:リビング、右奥:趣味室。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階、趣味室側からリビング越しにダイニングを見る。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より見る。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より見る。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南東側より見る。夕景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より見る。夜景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す外観、南側より見る。夜景 photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す1階平面図 image©安藤祐介建築空間研究所
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す2階平面図 image©安藤祐介建築空間研究所
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す断面図 image©安藤祐介建築空間研究所
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成すダイアグラム image©安藤祐介建築空間研究所
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成すプランダイアグラム image©安藤祐介建築空間研究所
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す俯瞰(建築家による解説:近隣の特徴的なオブジェクト群との不思議な調和) photo©釣井泰輔
安藤祐介建築空間研究所による、愛媛の「連続窓と風景片の家」。通りからの視認性が高い三角形の土地。施主の個性の表現と変形敷地への応答を考慮し、規則的に窓を配列した“積み木のような段々形状”の建築を考案。周囲の“異彩なオブジェクト群”とも“不思議な調和”を成す俯瞰(建築家による解説:旗状地かつ三角形という特徴的な敷地形状) photo©釣井泰輔

以下、建築家によるテキストです。


美容業界で仕事をされるご夫婦から、自宅を建てたいと依頼を受けた。

市内最大の河川沿いにある計画地は、旗状地かつ三角形という変形敷地であった。隣地は相続放棄された空地で建物の建つ見込みがほぼ無く、眺望が大きく開けている。人通りの多い土手道から一望できるこの敷地で、住まい手の個性を主張する建物の立ち現れ方を問われた。

建物ボリュームの検討から設計をスタートし、変形地に合わせた外形であること、そして各階で必要な容積の検討から、積み木のような段々形状が導かれた。さらに段々に合わせ規則的に窓を配列することにより、外観に特徴的なリズムと連続感を生むことを考えた。

この段々形状と連続窓を、一貫した変化を繰り返す明解な形態生成規則として整理し、室の広さなどの機能性とプロポーションといったデザイン性を調整していった。今回は住宅サイズだが、同じ連続的変化を繰り返すことで、より規模の大きな建物まで応用可能な形態生成規則となっている。
また結果としてこの特徴的な建物形状は、公衆トイレや化学工場の集水ポンプといった近隣の異彩なオブジェクト群とも不思議な調和を生み出すこととなった。

段々形状と連続窓は、室内にも秩序と広がりもたらしている。一つの室がいくつの窓を含んでいるかで部屋サイズのバリエーションを設定し、Lサイズ(窓3つ):リビング・ダイニング・キッチン、Mサイズ(窓2つ):主寝室、Sサイズ(窓1つ):子供室・トイレ、といった具合に、用途機能ごとの必要面積によって振り分けた。
室内に連続的に表れる縦長窓が景色を断片的に切り取り、風景のかけらをインテリアの一部として取り込む住空間となった。

■建築概要

所在地:愛媛県
主用途:専用住宅
設計:安藤祐介建築空間研究所 担当/安藤祐介、森梢
構造設計:Beyond Engineering 担当/木村洋介
照明計画:U-Lighting Office 担当/松隈祐紀
施工:西安建設株式会社 担当/米田正人、久保勝
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:244.49㎡
建築面積:60.19㎡
延床面積:100.41㎡
建蔽率:24.62%
容積率:41.07%
設計:2023年8月~2024年5月
工事:2024年6月~2024年10月
竣工:2024年10月
写真:釣井泰輔、Yusuke Ando Architects
動画撮影・編集:Yusuke Ando Architects
動画Music:BENSOUND(License code: FDK56GNEYGGWQR23)

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外構・床土間テラス

モルタル金鏝押さえ

外装・壁1階外壁

アクリル樹脂系吹付塗装[ベルアート ジュラク](エスケー化研)

外装・壁2階外壁

ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き

外装・屋根屋根

ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き

内装・床主要箇所 床

複合フローリングt=15[カンヌブラン](IOC)
塩ビタイルt=3[ワイドモルタルIS-1037B](サンゲツ)

内装・床土間床

モルタル金鏝押さえ

内装・壁1階 壁

アクリル樹脂系塗装刷毛目付け
キッチンパネル[セラールFKJ6200ZNN74](アイカ工業)

内装・壁2階居室・廊下 壁

ビニルクロス貼り[SP9740](サンゲツ)

内装・壁2階WC 壁

ビニルクロス貼り[FE76042](サンゲツ)

内装・水廻りWC

水栓便器[ピュアレストQR](TOTO)

内装・キッチンキッチン

システムキッチン[グラッド45](Miratap)

内装・照明照明

スポットライト[DSL-5398YBG、DSL-5397YBG、DSL-5395YBG](大光電機)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません


House of Continuous Windows

There was a request to build a house from a married couple working in the beauty industry. The planned site, located along the city’s largest river, was a flag lot and triangular land. An adjacent land is abandoned and vacant, and it is unlikely any building will be built there. The view from the site is widely open and the site is seen from a bank along the river where many people pass by. Therefore, we were challenged to find a building appearance that expresses the individuality of its homeowner.

The design process began with a study of the building volume: the outer shape that fits into the deformed land and the space volumes required for each floor were studied, which led to a stepped shape similar to building blocks. Moreover, the windows were arranged in a regular pattern to match the steps, creating a distinctive rhythm and sense of continuity on the exterior. This stepped shape and continuous windows were arranged into an explicit morphogenetic pattern that repeats consistent changes. design features and functionality were aligned, such as room sizes and proportion. The building is a residential size for this project, but the morphogenesis patterns can be applied to larger-scale buildings by repeating the same continuous changes. This characteristic building shape resulted in harmonising with the neighbor conspicuous objects such as a public lavatory and water pomp cages of a chemical factory.

The stepped shape and the continuous windows also bring the order and spaciousness to the interior space. Variation of the room sizes is decided depending on the number of windows that a room contains, and assigned according to the area required for each function of the room such as L size (three windows) for living room, dining room and kitchen; M size (two windows) for master bedroom; S size (one window) for children’s room and rest room. In this house, the vertical windows that continuously appear in the inside space fragment the landscape and capture pieces of the scenery as a part of the interior design.

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    畠山文聡 / NTTファシリティーズが設計した、大阪・関西万博の「NTTパビリオン -感情を纏う建築-」です。
    建築家は、多様性を育む“パラコンシステント”の思想の表現を求め、“建物や素材を細分化”して“体験や振舞を粒子化”する存在を志向しました。そして、布やカーボンファイバーを主要素材とする建築を考案しました。施設の公式サイトはこちら。

    2025年万博では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとし、人とのつながりや、心地よい未来社会を描いていくことをめざしている。生命科学やAI、ゲノム研究によるサイエンスが進歩し続ける時代において、生命倫理や原点回帰の思想に今一度立ち帰り、考え続けることが重要だ。

    建築家によるテキストより

    NTTパビリオンの建築において、異なる事象が同じ場と同じ時間に共に在る関係性「パラコンシステント」の思想を表現することに取り組んだ。内と外、自分と他者、人間と自然、などあらゆる二項対立をなくし、どこまでもひとつにつながっていくような多種同在的な関係性をパビリオンで実現することをめざした。

    半年という期間に適したテントのような設置・解体が容易にできる膜構造とし、独特な柔らかさをもつ空間を生み出す「布」を使用した。どちらの素材も会期後の循環性を意識し、建物が消えた後にも体験や感動が残り続けるように計画を行った。

    建築家によるテキストより

    人・自然・デジタルが溶け合う多種同在的な関係性を実現する為に体験やふるまいを粒子化し、建物や素材を細分化した。
    細分化により生まれた隙間が場となり、布や構造体となるカーボンファイバー(糸)により多様なふるまいが生まれる。古来より人と環境の間に衣服が介在しているように衣服(布)を建築にまとわせ、風や動きによってゆらめく自然の機微を可視化し環境を調律する手段とした。

    次に、布は生分解性を有した素材を使用し、来館者の子どもたちが布を結びつけていくことで、会期を通してパビリオンを一緒につくりながら、会期後は自然に還るような循環性を意識した計画とした。またNTT技術により建物内の人の表情を読み取り、布を振幅させることで物理的な壁を越えた拡張性を表現した。

    建築家によるテキストより
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    CREATEE JAPAN大阪・関西万博建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(外装・その他)建材(外構・床)図面ありパヴィリオン松村康平NTTファシリティーズ畠山文聡淺川敏
    2025.10.10 Fri 13:46
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    2025.10.08Wed
    • axonometricによる、福岡・福津市の店舗「DILLY DALLY」。風が強い海辺に計画された広場のある飲食店。風から守られた“岩陰の様な場所”を意図し、広場を囲むように細長い建築を配置する構成を考案。壁面の配置は雑多な景色を遮蔽しつつ自然の美しい風景の導入も意図

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