佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、西側より見る。 photo©Yosuke Harada
佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、手前:土間、左奥:キッチン、中央奥:2階への階段、右奥:玄関 photo©Yosuke Harada
佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、ホワイエ photo©Yosuke Harada
佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、アトリエ photo©Yosuke Harada
nevertheless / 佐河雄介建築事務所が設計した、埼玉の「耕作する家」です。
畑に面する設計者の自邸です。建築家は、農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案しました。また、計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図しました。
自邸である。
独立して事務所を構える時に、自宅近くに惹かれる貸オフィスがなかった。そんな折に、親族が持つ住宅街にポツンと残った畑の環境に惹かれ、畑に併設した倉庫の一部を間借りして仕事をしていた。
はじめは板一枚を買ってきて、机1つに蚊取線香で仕事を始めた。そのうち暑さに耐えかね、倉庫内に小屋をつくることにした。近所の材木屋から格安で木材を提供してもらい、セルフビルドでつくり上げた。それから現場に行く以外はほとんどの時間を畑の前で過ごした。
畑の前に毎日いると、学ぶことが多かった。野菜の旬は本当に一瞬で、それぞれの旬を逃さないように注意深く観察した。そして、旬を1番熟知しているのは野鳥ということがわかった。
農業では、同じ場所に同じ作物を栽培し続けると、土壌の栄養バランスが崩れ、生育に障害をきたす「連作障害」という現象がある。そのため、同じ作物を育てる際には、毎年少しずつ場所を移して栽培する。この現象は人の暮らしや営みでも同じことだと考えた。
均質空間がそれぞれに与えられてもいずれバランスを崩す。だからこの住宅は、時間と共に変化する家族の関係性に応じて、小さな居場所を住人が移動しながら生活することで、部分と全体が呼応するような場のつくり方をしている。具体的には、同サイズの個室を平面的に反復するのではなく、奥行という階層をもって空間を連ねている。
もう一つの試みとして、屋根を円弧状に切り欠いたように、軸組として率直なプランをつくる一方で平面・断面にいくつか幾何学的な介入をしている。出自とつながりをつくる畑や土間といった強いコンテクストで連関をつくりながらも、幾何学という極めて強い形を用いることで、ある種関係性を切断している面を持ちたいと考えたからだ。
大屋根や土間といった伝統空間がもつ本質的営みと異質な幾何学形状の介入が、家族や時間とは別の次元の、もっと根源的な別のあり方を生成させるようなきっかけだと今のところは考えている。
仕上げにはラワン合板のほか、白・ベージュ・ピンクの3色を散りばめた。アクリル絵の具で調色しながら選んだ色は、部屋ごとに定められた秩序をもたず、部位ごとに自由に配された。そのため、光の揺らぎに応じてコントラストが浮かび上がったり、淡く溶け合ったりし、空間にささやかな変奏を生み出している。
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佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、南側の道路より見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、西側より見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、西側より見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、南側の道路より見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、敷地内の南側より屋根を見上げる。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外観、敷地内の南側より玄関を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、土間から玄関側を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、手前:土間、左奥:キッチン、中央奥:2階への階段、右奥:玄関 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、土間から開口部越しに軒下を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、駐車場側より軒下を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、軒下より土間を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、土間、家具の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、2階への階段を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階から2階への階段 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階から2階への階段、踊場 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階から2階への階段、踊場 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、ホワイエ photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、ホワイエから部屋3と部屋2側を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、部屋3から1階の土間を見下ろす。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、部屋3から部屋2を見る。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、部屋2 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図小屋裏収納1から部屋2を見下ろす。 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階、階段、手摺の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図開口部の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、玄関、巾木の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階、アトリエ photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外構の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外構の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図外構の詳細 photo©Yosuke Harada

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図1階平面図 image©nevertheless 佐河雄介建築事務所

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図2階平面図 image©nevertheless 佐河雄介建築事務所

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図小屋裏平面図 image©nevertheless 佐河雄介建築事務所

佐河雄介建築事務所による、埼玉の「耕作する家」。畑に面する設計者の自邸。農業の連作障害への対策に“暮らし”との共通性を見出し、居場所を移動しながら生活する“奥行という階層”をもつ建築を考案。計画への幾何学的介入は“根源的な別の在り方”の生成を意図断面詳細図 image©nevertheless 佐河雄介建築事務所
以下、建築家によるテキストです。
自邸である。
独立して事務所を構える時に、自宅近くに惹かれる貸オフィスがなかった。そんな折に、親族が持つ住宅街にポツンと残った畑の環境に惹かれ、畑に併設した倉庫の一部を間借りして仕事をしていた。
はじめは板一枚を買ってきて、机1つに蚊取線香で仕事を始めた。そのうち暑さに耐えかね、倉庫内に小屋をつくることにした。近所の材木屋から格安で木材を提供してもらい、セルフビルドでつくり上げた。それから現場に行く以外はほとんどの時間を畑の前で過ごした。
畑の前に毎日いると、学ぶことが多かった。野菜の旬は本当に一瞬で、それぞれの旬を逃さないように注意深く観察した。そして、旬を1番熟知しているのは野鳥ということがわかった。
冬、始めて霜が降りた日は、バリバリと足裏と耳で土を感じる。もちろん大変なこともある。天候次第では作物が不作となる年もあるし、風の強い日は土埃も舞う。作物が育たなくても、雑草の生命力は凄まじい。
農業では、同じ場所に同じ作物を栽培し続けると、土壌の栄養バランスが崩れ、生育に障害をきたす「連作障害」という現象がある。そのため、同じ作物を育てる際には、毎年少しずつ場所を移して栽培する。この現象は人の暮らしや営みでも同じことだと考えた。
均質空間がそれぞれに与えられてもいずれバランスを崩す。だからこの住宅は、時間と共に変化する家族の関係性に応じて、小さな居場所を住人が移動しながら生活することで、部分と全体が呼応するような場のつくり方をしている。具体的には、同サイズの個室を平面的に反復するのではなく、奥行という階層をもって空間を連ねている。
もう一つの試みとして、屋根を円弧状に切り欠いたように、軸組として率直なプランをつくる一方で平面・断面にいくつか幾何学的な介入をしている。出自とつながりをつくる畑や土間といった強いコンテクストで連関をつくりながらも、幾何学という極めて強い形を用いることで、ある種関係性を切断している面を持ちたいと考えたからだ。
大屋根や土間といった伝統空間がもつ本質的営みと異質な幾何学形状の介入が、家族や時間とは別の次元の、もっと根源的な別のあり方を生成させるようなきっかけだと今のところは考えている。
仕上げにはラワン合板のほか、白・ベージュ・ピンクの3色を散りばめた。アクリル絵の具で調色しながら選んだ色は、部屋ごとに定められた秩序をもたず、部位ごとに自由に配された。そのため、光の揺らぎに応じてコントラストが浮かび上がったり、淡く溶け合ったりし、空間にささやかな変奏を生み出している。
窓台や笠木、キッチン天板の厚みを60mmに統一し、手で触れる部位には、素材の質感やものとしての量感を感じさせる厚みを与えている。一方で窓は窓台を除く三方を5.5mmのラワン合板で40mmはね出し、既製サッシを視覚的に消しフレーミングした。
民家に内在する根源的な幾何学とプライマリーな幾何学の介入、関係性の構築と切断、抽象と具象、軽さと重さ、多様なディコトミーの調停が、様々な当事者の異なる状況を結び付ける役割を果たすのではないか。そうした思いを抱きながら、この住宅を設計した。
■建築概要
件名:耕作する家
所在地:埼玉県
主要用途:専用住宅
工事種別:新築
意匠設計監理:nevertheless / 佐河雄介建築事務所 担当/佐河雄介
構造設計監理:株式会社DIX 担当/辻拓也
施工:株式会社内田産業 担当/羽深光
構造:木造軸組工法
階数:地上2階
建蔽率:44.86%(許容:60%)
容積率:68.18%(許容:200%)
最高高さ:8,963mm
最高軒高:8,612mm
敷地面積:152.10㎡
建築面積:68.22㎡
延床面積:103.70㎡
設計期間:2024年2月~2024年6月
施工期間:2024年7月~2025年2月
竣工:2025年2月
写真:Yosuke Harada