SHARE SPEAC,inc.による”蔦の家”
photo©山岸剛
SPEAC,inc.がリノベーションした池袋の住宅”蔦の家”です。
以下、建築家によるテキストです。
ネガティブポイントを魅力に昇華
築40年超の木造戸建住宅を賃貸用SOHOとしてリノベーション。
当初、蔦が建物全体を覆う外観から、近隣住民から「お化け屋敷」とあだ名されるほど。
全ての窓が蔦で塞がれ日中でも暗い室内は、細かく仕切られた狭苦しい空間。
しかし、この蔦こそがユニークなチャームポイントであるととらえ、採光を妨げる蔦以外は積極的に残す提案を行った。
また、池袋駅徒歩5分の立地から、オフィスニーズを取り込むべく、SOHO仕様のプランニングとした。
建物のポテンシャルを引き出す
面積以上の広さを感じさせることを主眼に、室内の不要な壁を取り払って筋交に置き換え、天井仕上を取り除いて、構造もあらわに天井高を確保。
加えて、階段を介して上下階の視線が抜けるよう配慮することで、空間により一層の連続性をもたらした。
更に、一部を除きすべてを真白に塗装。発光するように明るい室内は、改修前の状態が想像できないほど清々しい空気感をたたえる。
一方、2階の小屋組などは、既存の木の質感を活かした仕上。この家に刻まれた時間を魅力と感じられる要素と仕立てた。
■建築概要
構造:木造
規模:地上2階
延べ床面積:52㎡
設計監理:SPEAC,inc. (宮部浩幸、川合知子)