SHARE arbolによる「西三国の家」
photo©Yasunori Shimomura
arbolが設計した「西三国の家」です。
以下、建築家によるテキストです。
都心の平屋とはどのようなものだろうか?
周辺環境とのプライバシーの問題。屋外空間の扱い方。
なによりシンプルで明快な豊かさを求めた。
必要な部屋のみを残し、そのほかは豊かな空間造りの材料へと切り替える。必要のない階はとりのぞき、かわりに光を取り入れる。
定年後のご夫婦の為のこの住宅は、新しい平屋のスタイルを提案する建築である。
場所は大阪市内。
隣地にある公園や周囲のマンション等からの視線、敷地内から周辺建物に対する視線に
配慮しつつ、街並みにも調和するよう、シンプルに木箱のように見立てた。
敷地内に設けた植栽の緑と壁によって切り取られた空の青が美しいコントラストを計っている。
庭は川の流れにみたて敷地内をS字に縦断させた。
全体像の見えない庭は各所で眺めることができ、まるで森の中にいるかの様な、深い奥行感を感じ取れる。
集合住宅の並ぶ町にたたずむ小さな箱庭は、建築面積の広さや利便性にくくられることのない、新しい豊かさを生み出している。
■ 建築概要
所在地:大阪府
敷地面積:169.24㎡
延床面積:91.70㎡
1階床面積:91.70㎡
階数:平家建て
家族構成:夫婦
基本設計・現場監理:arbol
実施設計:FLAME
施工:株式会社 住まい設計工房
外構:荻野寿也景観設計
撮影:下村康典