SHARE 荒木信雄 / アーキタイプによる東京・世田谷の住宅「代沢の家」
photo©SHIMIZU KEN
荒木信雄 / アーキタイプが設計した東京・世田谷の住宅「代沢の家」です。
以下、建築家によるテキストです。
「代沢の家」 自立壁のある家
この住宅は世田谷区の閑静な住宅地に建っている。敷地は南側に前面道路のある、南北に奥行きのある土地である。この計画では敷地に対し、コンクリートの一枚の壁を挿入することで、周辺環境に開きつつ閉じた住宅ができないかと考えた。
その壁には3つの要素がある。外の視線を遮るものとして。茶室の中門的な意味合いをもつゲートとして。庭に存在する用途や機能をあえて限定しない遊具的なしつらえ。
さらにその一枚の壁は、敷地を南北に分節している。具体的な機能としては、壁の南側を駐車スペースとしての機能をもったコンクリートの庭、壁の北側はプライバシーを保った住居スペースとした。コンクリート庭は、コンクリートの一部を隆起させることで、駐輪スペースや車止めの機能とし、住居スペースは南庭と北庭を同時に感じることができるように、抜け感を意識した空間としている。
それぞれ南庭からは直接的な光、北庭からは緑にバウンドさせた光、階段上からはトップライトから時間によって異なる角度の光、その3つの光が同時に差し込む。それらの光が混ざり合い、朝から夕方まで多様な光を楽しむことができる空間が生まれた。
建築概要
■プロジェクト名;代沢の家
■工事種別;新築工事
■所在地;東京都世田谷区
■主要用途;専用住宅
■竣工年;2013年
■施主(家族構成);家族
■設計;一級建築士事務所 有限会社アーキタイプ/担当;荒木信雄
構造;我伊野構造設計室(G.DeSIGN) /担当;我伊野威之
設備;株式会社SH建築事務所/担当;永井浩二、長澤集
照明;株式会社On&Off/担当;山口晋司
■施工
建築; 株式会社渡辺富工務店/担当;太田昭
設備; 株式会社五十嵐工業所/担当;関口勉
電気; 株式会社野島電工/担当;野島寛生
■規模
地上2階建
敷地面積;165.37㎡
建築面積;66.04㎡(建蔽率39.94%<50%)
延床面積;111.15㎡(容積率67.22%<150%)
■構造・構法
主体構造;木造
基礎;ベタ基礎
■敷地条件
第一種低層住居専用地域
準防火地域
第一種高度地区
道路幅員 区道5.975m〜5.980m
駐車場台数 2台
■主要外装仕上げ;フレキシブルボード t=6+6 縦貼り ハットジョイナー工法の上、撥水材2回塗布
■主要内装仕上げ;PB t=12.5 の上GP塗装仕上
■自立壁仕様;コンクリート打放し(普通型枠)の上、撥水材2回塗布
■設備システム
空調;冷暖房方式/壁掛式エアコン、暖房方式/ガス温水式床暖房
給排水;給水方式/上水道
配水方式/公共下水道
給湯;給湯方式/ガス給湯器