トラフのウェブサイトに舞台美術『小池博史ブリッジプロジェクト「銀河鉄道」』の写真が掲載されています
トラフのウェブサイトに舞台美術『小池博史ブリッジプロジェクト「銀河鉄道」』の写真が23枚掲載されています。
2009年に行われた「パンク・ドンキホーテ」に続き、演出家小池博史の公演「銀河鉄道」の舞台美術を手掛けた。生と死のあいだを標榜する、脆く儚い世界を演出するため、紙を使った舞台美術を求められた。
身体表現を追求する舞台において、背景としての舞台というより、パフォーマーの動きを拡張する道具としての可能性を見出したいと考えた。舞台後方には小道具を収めた“書棚”があり、シーンに応じてパフォーマーが道具を取り出して役回りをスイッチする。
たびたび現れる鉄道の車内を演出するために、ジャバラ式に折りたたまれる窓が舞台中央で昇降する。生物のようにふわふわと立ち上がる紙の立体物が、停車した別の惑星のシーンをつくり、舞台空間に変化を与えながら物語は進んでいく。後半には書棚自体も大きな船へと変化する。軽くて変形しやすい紙の物性に注目しながら、折ることで生まれる強度と伸縮性を生かして、パフォーマーのダイナミックな動きに取り込まれ、融合していく。
物語の最後には、大きな線路が現れ天と地を結び、生と死、現実界と非現実界の架け橋となる。