SHARE 萬代基介建築設計事務所による、「新しい建築の楽しさ2014」展の会場構成
all photos©高木康広
展示模型と外の景色の重なり
萬代基介建築設計事務所が設計を手掛けた、「新しい建築の楽しさ2014」展の会場構成です。
東京,京橋にある旭硝子のショールームAGC studio1階にあるギャラリーで行われる建築模型展の会場構成である.
厚さ2mmの透明な天板を無数の細い柱が支える.梁はなく,柱が床から自立し,その上に薄く透明なアクリルの板が載っているだけである.天板が1mm以下の微小な撓みを生むようなピッチで柱を不均質に林立させると,天板には水面のような微かなゆがみが生まれる.細い柱は単体では模型の重量に耐えられない弱いものだが,天板を介して柱同士が繋がる事で,全体で何とか座屈に耐えている.
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以下、建築家によるテキストです。
小さな風景 「新しい建築の楽しさ2014」展 会場構成
東京,京橋にある旭硝子のショールームAGC studio1階にあるギャラリーで行われる建築模型展の会場構成である.
厚さ2mmの透明な天板を無数の細い柱が支える.梁はなく,柱が床から自立し,その上に薄く透明なアクリルの板が載っているだけである.天板が1mm以下の微小な撓みを生むようなピッチで柱を不均質に林立させると,天板には水面のような微かなゆがみが生まれる.細い柱は単体では模型の重量に耐えられない弱いものだが,天板を介して柱同士が繋がる事で,全体で何とか座屈に耐えている.
模型を覗き込み視点を下げた時の,模型の背景に流れ込んでくる歪んだ外の風景の映り込み.差し込んだ日光の反射がつくる水面のゆらぎのような模様.展示される模型と,展示を眺める人と,街行く人とのスケールを超えた重なり合い.自然界にあるような,重力との絶妙な均衡.
単純で最小限の構造に還元されて出来た風景が持つ開放性に可能性を感じている.
(萬代基介)
■建築概要
所 在 地 :東京都中央区
設計種別:展覧会
会場面積:94.39㎡
主 催:「新しい建築の楽しさ2014」展委員会(代表:AGC studio)
企 画:中崎隆司(建築ジャーナリスト、生活環境プロデューサー)
特別協賛:旭硝子株式会社 AGC studio
協 力:ケンプラッツ
設計監理:萬代基介建築設計事務所 (担当:萬代基介、協力:高橋貴美乃)
施 工:スーパー・ファクトリー
制 作:アクリル/株式会社シンシ 鉄骨/日南鉄構株式会社
設計期間:2014.7- 10
施工期間:2014.10- 11
展示期間:2014.11- 2015.2