SHARE 齋藤達也が展示及び作品制作ディレクションを手掛け、空間デザインをが南木隆助手掛けた展覧会『 演劇博物館「プロジェクションメディアの考古学」 』
all photos©阿部文香
齋藤達也が展示及び作品制作ディレクションを手掛け、空間デザインを南木隆助が手掛けた展覧会『 演劇博物館「プロジェクションメディアの考古学」 』です。会期は2015年8月2日まで。
光やイメージを投影する手法は、現代の機材の進化によって、
舞台演出やインスタレーション、或は日常のプレゼンテーションにまで
多くの場面で見られるものになっているが、その歴史が古いものであることや
原初のプロジェクションの仕組みについては多くの人が知らずにいる。東京の早稲田大学内にある演劇博物館で、
プロジェクションメディアという存在にフォーカスし、
その黎明期から現代におけるインタラクティブな仕掛けを持つ
新しいプロジェクション作品までを追いかける展覧会を行なった。
※以下の写真はクリックで拡大します
<現代のプロジェクションの新作解説>
1、光のロゴタイプ
アクリルブロックの中に封入されたフィルムに光を当てると、今回の展覧会のロゴが照射される。
展覧会の入り口に展示された。
2、Fullmoon effect
ガラスの球体に当たった光が透過/湾曲しながら様々な像を周囲に映し出す。
3、逃げ去る鳥
間接照明に近づくと、鳥の羽ばたきの音ともに点滅し続ける。
鳥の姿は見えないのに気配を感じる。
4、几帳面な影
ハンドルを回すとそれに連動して影の歯車が動く。
影と言う虚の存在にもかかわらず、機構として認識される。
5、光学の森
プロジェクターから投影された光が鏡に反射し、
様々な光線の像を映し出す。その姿はまるで森や木のように有機的な形をつくる。
6、月見明かりの幻燈
多面体の各面に中心から像が投射される。中心に種板を置けば種板の像で出来た多面体が生まれる。
以下、作品の概要です。
演劇博物館「プロジェクションメディアの考古学」
<展示概要>
光やイメージを投影する手法は、現代の機材の進化によって、
舞台演出やインスタレーション、或は日常のプレゼンテーションにまで
多くの場面で見られるものになっているが、その歴史が古いものであることや
原初のプロジェクションの仕組みについては多くの人が知らずにいる。
東京の早稲田大学内にある演劇博物館で、
プロジェクションメディアという存在にフォーカスし、
その黎明期から現代におけるインタラクティブな仕掛けを持つ
新しいプロジェクション作品までを追いかける展覧会を行なった。
この展覧会は大きくは2つの要素で構成されている。
一つは最初期のプロジェクションメディア:幻灯で構成されている空間である。
種板と呼ばれるガラス板に直接描かれた絵や最初期の写真技術で印影された画像に
ロウソク等の光を照射する装置、その仕組みを示す模型等が展示された。
演劇博物館が大量に所蔵している種板を中心に、幻灯装置やそれが使われた様子がわかる
図版等も合わせて展示された。
もう一つは、プロジェクションという技法が使われたアート作品の併設である。
作品は光の照射を前提にしつつ、それを反射させたり、点滅させたり、陰を作ったり、
増幅させるなど、光を様々に変化させた作品を展示された。
これは現代の作家が、プロジェクションと言うテーマに対して、新たに作品を作った。
<空間デザイン>
展示の什器は独特の空気感を持つ演劇博物館にとけ込みながらも
大量の所蔵品と新たな作品の両方を際立った見せ方をする必要があった。
そのため、木材は博物館のインテリアと同じく、濃いオークに塗り、
要所に建築ファサードモチーフである×の要素を取り入れた。
また、いくつかの什器は博物館の味気ない既存什器を使い、そうとは分からないように改造した。
さらに、種板を美しく見せるための光の仕掛けは、フロストアクリルを使うよりも
圧倒的にコストを下げながら、日本的な光を作り出すために、
日本家屋のインテリアに使われ、美しく光を透過させるる障子紙を使った。
■作品概要
展示及び作品制作ディレクション:齋藤達也
空間デザイン :南木隆助
什器製作/設置:bibariki
展示期間:4月1日~8月2日
キューレーション:大久保遼/張 宝芸
作品制作:1、齋藤達也 2、田中誠人 3、齋藤達也+魚住雄太+杉本和
4、堀晃+小林颯 5、森脇統 6、桒原寿行
グラフィックデザイン:加藤公太