SHARE 山崎壮一建築設計事務所による東京の住宅「世田谷の家」
all photos©小川重雄
山崎壮一建築設計事務所が設計した東京の住宅「世田谷の家」です。
敷地は駅からも程近い都心の市街地にある。一区画を4つに分割することで生まれた小さな土地で、面積は14坪、建蔽率60%のため建築面積は8.5坪となる。幅員4Mの袋小路状道路に接続し、隣り合う家の距離は近い。ここに若いご夫婦のための木造3階建て住宅を計画した。平面的な広がりに限度があり、かつ密集地という状況のもと、外部環境への接続をいかにコントロールするか、が主題となった。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は駅からも程近い都心の市街地にある。一区画を4つに分割することで生まれた小さな土地で、面積は14坪、建蔽率60%のため建築面積は8.5坪となる。幅員4Mの袋小路状道路に接続し、隣り合う家の距離は近い。ここに若いご夫婦のための木造3階建て住宅を計画した。平面的な広がりに限度があり、かつ密集地という状況のもと、外部環境への接続をいかにコントロールするか、が主題となった。
南側の接道面に3層にわたる外部吹抜けを挿入した。この吹抜けが外側の世界との接点である。街から少し引きを取る干渉空間とし、一方でここから光と風を取り込み、空間の広がりを得る。この吹抜けに対して単純に大きな孔を空けただけでは緩衝帯としての性能が落ちるため、開口部に日射と視線をコントロールするフィンを設置した。フィンの角度は太陽高度をふまえて決めてあり、夏の日射と見上げの視線をカットし、冬場の光と熱を取り入れる。内部は取り入れた光と風を最大限に活かすように、床をずらし、隙間をあけ、空間の一体性を高めるように断面を決定している。
金属鋼板に包まれた外皮の奥に、光を取り入れて貯める白い空間がある。内部に入ると家具や建具、一部の天井等、身体に近い場所に木の内装が配置されている。茶→白→茶と、中から外へレイヤー状に空間を重ねることで、空間に奥行きを生み出した。
道路に開かれた開口部からは、内部を覗き見られることはないが、夕暮れ時を迎えるとフィンの隙間から光と影の動きが漏れる。密集地であればこそ、程よく住まう人の気配を感じさせることは生き生きとした街をつくる上で大切な要素だと考える。
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■建築概要
敷地:東京都世田谷区
敷地面積:47.01m2(14.2坪)
建蔽率:60% 容積率:160%
建築面積 28.09m2(8.5坪)
延床面積 80.19m2(24.26坪)
規模:地上3階建て
構造:在来木造
構造設計:間藤構造事務所