SHARE noizが会場構成を手掛けた、台湾国立歴史博物館で行われているPeng Wei展の会場写真
Photo: Courtesy of Tina Keng Gallery
Art work: Peng Wei
art curation: Rudy Tseng
Space design: noiz
noizが会場構成を手掛けた、台湾国立歴史博物館で行われている、Peng Wei(彭薇)の展覧会「圓滿的旅程」の会場写真です。
この展示デザインでは、彭薇(Peng Wei)の作品の優美さと繊細さーその光や空気の粒のレベルまで表現するにふさわしい展示環境をつくることを考えた。
展示会場である台灣國立歷史博物館はかなり古い建物で、現代美術にふさわしい自然採光の展示空間をつくり出すことは難しかった。しかし我々はここに均一な光に満ちた白い空間を実現し、重量感のない静逸な空気のなかで、彼女の作品の繊細なマテリアリティーやディテールの美を最大限引き出した。
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以下、建築家によるテキストです。
この展示デザインでは、彭薇(Peng Wei)の作品の優美さと繊細さーその光や空気の粒のレベルまで表現するにふさわしい展示環境をつくることを考えた。
展示会場である台灣國立歷史博物館はかなり古い建物で、現代美術にふさわしい自然採光の展示空間をつくり出すことは難しかった。しかし我々はここに均一な光に満ちた白い空間を実現し、重量感のない静逸な空気のなかで、彼女の作品の繊細なマテリアリティーやディテールの美を最大限引き出した。
デザインのもうひとつの鍵は「旅」。展示計画は、時を超えたひとつの旅の道程というコンセプトに基づいている。彼女の作品の現代性は、抽象化された三角形のエレメントで表現され、それらは鑑賞者を彭薇のアートを巡る旅へと誘う。第一の空間には、中国の切り立った岩山の風景を象徴する三角柱がランダムに配置される。第二の空間では三角形の断面形状を持つ細長いディスプレイテーブルが角度を変えて回転しながら連なる。これらは水面にさざめく波を表し、川を横断する古代の旅人の身体的な経験の記憶を象徴している。シンプルで白い現代的な展示空間の静逸さのなかで、直接的かつ繊細に身体感覚に訴えかけるような「旅」を経験してもらいたいと思っている。