SHARE 尾形良樹 / 尾形良樹+SALTによる、東京の、既存倉庫を改修したシェアオフィス「STOCK Share Office」
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尾形良樹 / 尾形良樹+SALTが設計した、東京の、既存倉庫を改修したシェアオフィス「STOCK Share Office」です。
貸し倉庫だった建物を、シェアオフィスにコンバージョンした計画である。
今回、企画から参入して計画している。他のシェアオフィスとの差別化として、食のライターやデザイナー、泉岳寺駅というアクセスから地方の食文化の事業者をターゲットとする施設を目指すこととなった。
そのため、大きなキッチンを設け、そのキッチンを中心とした集いの空間構成を目指している。
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以下、建築家によるテキストです。
STOCK Share Office
貸し倉庫だった建物を、シェアオフィスにコンバージョンした計画である。
今回、企画から参入して計画している。他のシェアオフィスとの差別化として、食のライターやデザイナー、泉岳寺駅というアクセスから地方の食文化の事業者をターゲットとする施設を目指すこととなった。
そのため、大きなキッチンを設け、そのキッチンを中心とした集いの空間構成を目指している。
既存建物はコンテナのフレームを積み上げて建てた5階建てのコンテナ建築である。
コンテナ倉庫であるため、天井高さが低く、窓もなく金属に囲まれた無機質な空間であった。
そのため、まず道路面に木サッシで大きな開口部を設けた。
坂の途中にある本物件には目印となる特徴がないため、12mを超えるセコイヤをシンボルツリーとして植え込んだ。植え込みの奥行きが1800mmしかなかったため、限界まで根鉢を小さくし坂の一番頂上に設置した。残りの植栽は、セコイヤに向かってパースがかるように高さを揃え、色も奥に向かうほどに葉の色が濃くなっていく選別とした。
玄関は、10年利用された海上コンテナの扉をカットして設置し、オープン/クローズを表す暖簾のような役割を持たせた。
約10mのキッチンを、フリーアドレスである大きな空間に向かってステージのように配置している。
ステージからくる美味しそうな匂いに誘われて、シェアリングしている人々がコミュニケーションが図れるようになっている。
シェアオフィスの使用者の気分や、イベント、仕事内容に対応し、コミュニケーションを図りやすいような可変的な家具を設計した 。
例えば、組み替えると囲炉裏のようになるベンチ群や、スタックすると棚になるスツール。気分で選んでもらい日々座る位置が変わっても楽しくなるように、3つ以上同じ家具はない。
色々な行為や、自分のシチュエーションにあった居場所をゾーニングし、大きなダイニングテーブルの集いのような空間となった。
■建築概要
題名 : STOCK Share Office
設計:尾形 良樹/尾形良樹+SALT 渡瀬育馬
担当:尾形 良樹 渡瀬 育馬
グラフィック:UMA design farm
植栽:花一春園 西畠 靖和 西畠 優太
家具:iei studio 永田 幹
所在地:東京都港区高輪2-16-4
主用途:シェアオフィス
施工:D.BRAIN CO.,LTD.
階数:5
床面積:1F:231.02m2 2F:231.02m2 3F:217.98m2 4F:217.98m2 5F:188.90m2
構造:鉄骨造
竣工:2015年9月1日
写真:増田好郎