荒木信雄 / アーキタイプによる、東京都渋谷区の店舗「retaW store Harajuku」
サムネイル:荒木信雄 / アーキタイプによる、東京都渋谷区の店舗「retaW store Harajuku」

荒木信雄 / アーキタイプによる、東京都渋谷区の店舗「retaW store Harajuku」

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all photos©SHIMIZU KEN

荒木信雄 / アーキタイプによる、東京都渋谷区の店舗「retaW store Harajuku」です。

“retaW store Harajuku”は、retaWにおけるはじめての路面店である。

この店舗における主な目的は、フレグランスブランドとしてのretaWを体現し紹介することにあった。

今回の空間は、「by プロダクト」「by フレグランス」「バックスペース」と
主に3つの目的を持った要素(設え)で構成されている。

「by プロダクト」とは、全プロダクトを紹介、陳列するためのもの。
それは、プロダクトをよりわかりやすくプレゼンテーションするために
ショーケースのなかで、種類ごとに整然と並べられている。
その設えは、目的、機能をストレートにデザインに昇華させているコンビニの陳列棚のようでもあり、日本的、東京的表現とも重なり合っている。

※以下の写真はクリックで拡大します

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以下、建築家によるテキストです。


“retaW store Harajuku”は、retaWにおけるはじめての路面店である。

この店舗における主な目的は、フレグランスブランドとしてのretaWを体現し紹介することにあった。

今回の空間は、「by プロダクト」「by フレグランス」「バックスペース」と
主に3つの目的を持った要素(設え)で構成されている。

「by プロダクト」とは、全プロダクトを紹介、陳列するためのもの。
それは、プロダクトをよりわかりやすくプレゼンテーションするために
ショーケースのなかで、種類ごとに整然と並べられている。
その設えは、目的、機能をストレートにデザインに昇華させているコンビニの陳列棚のようでもあり、日本的、東京的表現とも重なり合っている。

「by フレグランス」とは、全フレグランスを体験するためのディスプレイ。
さまざまな香りを、エモーショナルに表現するゆるやかな曲線を用いたデザインにしている。
このディスプレイにおいてタイルが使用されているのは、“retaW”の名前の由来でもある”Water”に関係する、生活空間における水回りを意識したものである。

また、店内の奥に位置する「バックスペース」は主に木材を使用し、ここでも
生活空間における居住部分の暖かさを意識している。

これらの、一見違うベクトルの3つの要素(設え)を違和感なく中和させるために、
全く違う要素の設えやマテリアルのバランス、各部所の取合い部分のディテール、配色、自然光と照明計画、いずれもセンシティブに調和をはかりながら、そのレイヤーを重ね合わせていくように空間をつくっていった。

■建築概要
建物名:retaW store Harajuku
所在:東京都渋谷区神宮前4-26-22
設計:荒木信雄/アーキタイプ 荒木信雄 辻本潤 中尾茂 岡村健太
施工:㈱工作舎
設計照明:On&Off
竣工:2016年8月27日
面積:
延床面積(工事該当)─26.35㎡ 
地域地区─第一種住居 準防火地域

主な内部仕上げ:
天井───LGS組みPBt12.5下地 AEP塗装仕上(ツヤ消)
壁────LGS組みPBt12.5下地 AEP塗装仕上(ツヤ消)
LGS組みPBt12.5下地 ホワイトオーク突板合板張り オスモクリア塗装仕上
   カウンター腰:25角モザイクタイル貼り
   カウンター天板:人工大理石 t=10 グレイシアホワイト
床────300角タイル貼り

主な外部仕上げ:
壁────既存サイディングの上、SUS PL t1.5 下地 OP塗装仕上(3分ツヤ)
   袖壁:St 75×75下地 SUS PL t=1.5(2B)貼り(現場塗装)
床────300角タイル貼り

設備:
冷暖房──空冷ヒートポンプエアコン 天井埋込カセット形
建築金物─d-line、東屋、スガツネ
主な設備機器:照明器具─FLOS、大光電機
撮影:PHOTOGRAPHER / SHIMIZU KEN

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2、佐々木勝敏建築設計事務所による、愛知・豊田の工場「PHIARO Tokai Creative Center」

3、原田将史+谷口真依子 / Niji Architectsによる、東京・渋谷の、青木淳設計の建築内に計画され、その意匠に敬意を払い設計された「窓のフィットネスクラブ」

4、日本建築学会が、2017年各賞受賞者を発表。作品賞は小堀哲夫の「ROKI Global Innovation Center – ROGIC -」と三分一博志の「直島ホール」。

5、世界的に著名な建築家 BIGのビャルケ・インゲルスが、日本滞在中に撮影した、日本の風景

6、BIGのビャルケ・インゲルスが、日本を訪問しているようで、自身のインスタグラムに京都や直島の写真を投稿しています

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9、池田泰朗建築設計事務所による、埼玉県さいたま市の住宅「ymgc -浦和の家-」

10、村上建築工舎による、京都市上京区の、カフェと学習塾のシェア空間「出町柳の会所」

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12、バンコク・プロジェクト・スタジオによる、タイの、開放的なボックスの中に様々なレベルの床を設け複数の螺旋階段でつなぐ操作が、強い建築への意志を感じさせる、ワイン愛好者の為の施設「The Wine Ayutthaya」の写真

13、隈研吾による、トルコ・エスキシェヒルの現代美術館「The Odunpazari Modern Art Museum」の画像

14、スノヘッタの設計で完成した、フランス・モンティニャックの「国際洞窟芸術センター」の写真

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