SHARE 岸本姫野建築設計事務所による、和歌山の週末住宅「白浜町の家」
all photos©笹倉洋平
岸本姫野建築設計事務所が設計した、和歌山の週末住宅「白浜町の家」です。
敷地内は既存の樹木があり、地面には高低差があるため、海への眺望を求めつつできるだけ平らでひらけた場所に建てようと考えると、敷地面積の割には建物を建てることができる範囲は限られていた。その限られた範囲に地を這うように母屋を計画した。室内は敷地内の高低差をそのまま取り込み、玄関から奥に進むに従いフロアレベルが変化していく。屋根の高さは一定であるため、プライベート度の高い奥の主寝室に向かっていくに従って天井高さが抑えられ、落ち着きをもたすようにしている。また、かつての記憶を残した場所で食事をとりたいとのクライアントの意向のもと既存の建物が載っていた鉄骨を一部残し、上部に食事の場である小さな離れとデッキを計画した。
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以下、建築家によるテキストです。
眼下に太平洋を見下ろす優れた眺望をもつ週末住宅(母屋+離れ)である。
かつてこの場には貸しコテージとして利用されていた分棟型の建物が幾つか建っており、そのままの状態で利用していた。しかし、家族で利用するには不便なものであったため、それらを取り壊し建て替える事を決めた。
敷地内は既存の樹木があり、地面には高低差があるため、海への眺望を求めつつできるだけ平らでひらけた場所に建てようと考えると、敷地面積の割には建物を建てることができる範囲は限られていた。その限られた範囲に地を這うように母屋を計画した。室内は敷地内の高低差をそのまま取り込み、玄関から奥に進むに従いフロアレベルが変化していく。屋根の高さは一定であるため、プライベート度の高い奥の主寝室に向かっていくに従って天井高さが抑えられ、落ち着きをもたすようにしている。また、かつての記憶を残した場所で食事をとりたいとのクライアントの意向のもと既存の建物が載っていた鉄骨を一部残し、上部に食事の場である小さな離れとデッキを計画した。
目の前に海が広がるという、決して変わることのない風景をもつこの住宅では、都市の中では実現できない風景や周辺環境との関わり方をより単純に考え構築していった。
■建築概要
白浜町の家
所在地:和歌山県西牟婁郡
主要用途:週末住宅
設計監理:岸本姫野建築設計事務所
担当 岸本将太、姫野友哉
構造設計:株式会社 エス・キューブ・アソシエイツ
担当 橋本一郎、今田光祐
施工:株式会社 後工務店
担当 後棟晃
株式会社 システムキッチンマインド
担当 東端雄一
主要構造:木造在来工法
基礎:ベタ基礎(母屋)
既存鉄骨(離れ)
階数:地上1階 一部 2階建(母屋)
地上1階(離れ)
敷地面積:619.62㎡
建築面積:160.84㎡(母屋)
80.01㎡(離れ+デッキ部)
延床面積:171.00㎡(母屋)
17.22㎡(離れ)
竣工:2016年11月
写真:笹の倉舎
担当 笹倉 洋平