SHARE 畑友洋による、京都の、都市グリッドに対し45度振ったグリッドを用いて設計された住宅「斜条坊の家」の写真
畑友洋のウェブサイトに、京都の、都市グリッドに対し45度振ったグリッドを用いて設計された住宅「斜条坊の家」の写真が掲載されています
畑友洋のウェブサイトに、京都の、都市グリッドに対し45度振ったグリッドを用いて設計された住宅「斜条坊の家」の写真が23枚掲載されています。
条坊性がスプロールする京都市郊外の建築。条坊による意味や歴史を持たない郊外において、強固な直行グリッドに支配された街区におけるオルタナティブとしての提案。
平安時代に現在の街並みの基礎が形成され、条坊制による東西軸・南北軸方向に広がるグリッドを基準に街区が整備されてきた。
条坊制は京都市郊外にも合理的な「地割」として引き継がれ、意味を失いながらスプロールした郊外を形成している。敷地は、北山通りに近く、 総合資料館やコンサートホールなど巨大な建築に隣接しながら、まさに合理的な地割としてスプロールした条坊によって構成された郊外の一角をなしている場所である。そもそも小分けされた地割単位で、条坊グリッドに沿った計画を前提とし、建築面積をそれぞれの区画で確保した場合、隣棟間隔が狭く、街区として窮屈である。同時に隣家との正対を余儀なくされ、 互いに意味のある開口を設けることが困難である。よって必然的に表から奥に向かう一方向的な単調な空間の連なりになっている例が多く見受けられる。
ここで、条坊グリッドを45度傾けた斜条坊グリッドについて考察してみる。この新しいグリッドは、隣棟間に三角形の空地を生み、小面積でありながら奥行きを生むことができ、 連続する通り庭のような緩衝空間を生み出せることがわかる。同時に、隣家と開口が正対することを緩和できるため、少し気楽に開口を設けることができる。 構成は合理的な室形状が雁行する形式となり、街区の条坊から自由になりながらも、合理性を担保した多方向的な空間の関係性を可能とする形式となる。