SHARE 杉山聖昇 / mascotによる家具「kamaboko」
杉山聖昇 / mascotによる家具「kamaboko」です。杉山は、加藤隼輝とPoten-Potenという建築ユニットも組んでいて、こちらの名義での作品「木組みの森」と「上松の美容室」を過去にアーキテクチャーフォトで特集記事として紹介しています。
新婚の夫婦のためにつくった椅子、机、ソファーです。大きな机やソファーは現在の2人が住む家に搬入することが困難でした。また、将来引越しの際にも搬出が容易にできるほうがいいことが予想できます。そこで、椅子の座面、背板、机の天板、ソファーの座面、背板と脚が取り外せる家具を考えました。まず、 板材と脚のフレームそれぞれに凹凸を作ることで板がずれ落ちないようにしました。さらに強力な磁石をそれぞれの板に取り付け、脚と接続できるような仕組みになっています。磁石を用いることで、普段の生活では板材と脚が外れることはなく力を入れると外すことができます。栗集成材という荒々しさと美しさがある素材の角2箇所を曲面にすることで、優しい印象を持たせた板材。スチールを防錆塗装のライトグレーにし、華奢だが力強く支えている脚。これらの組み合わせにより、重量感がありつつ浮遊感もある重力のバランスを意識しました。そうすることで、主張しすぎず何気なく人に寄り添う家具をつくりました。
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■作品概要
場所:静岡県沼津市
設計:mascot
製作:mascot、BlackPepper
完成:2017年12月
写真:sachi.u.