松尾宙+松尾由希 / アンブレ・アーキテクツが設計した、愛媛・八幡浜市の『「だんだん」保内児童センター、保内保育所』です。
愛媛県の西端に位置する八幡浜市は、漁業や水産加工業が盛んな港町で、「耕して天にいたる」と言われる段々畑が山全体を覆っている。敷地のある地域では児童館建設の要望や保育所の老朽化の問題があり、八幡浜市は、丘稜地が多く平坦地が少ない市中に約6500㎡の土地を確保し、3つの公立保育所を統合して定員200名の保育所とし,0歳〜18歳の子どもと家族が利用できる児童センターを併設して、一体的な子育て支援施設とする計画を行った。
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以下、建築家によるテキストです。
愛媛県の西端に位置する八幡浜市は、漁業や水産加工業が盛んな港町で、「耕して天にいたる」と言われる段々畑が山全体を覆っている。敷地のある地域では児童館建設の要望や保育所の老朽化の問題があり、八幡浜市は、丘稜地が多く平坦地が少ない市中に約6500㎡の土地を確保し、3つの公立保育所を統合して定員200名の保育所とし,0歳〜18歳の子どもと家族が利用できる児童センターを併設して、一体的な子育て支援施設とする計画を行った。
私達は「安心な環境で子どもの主体的な活動を見守る」ことを計画理念とし、市民に親しまれる子育て支援施設を目指した。敷地を囲む山々の風景を施設内部から感じられるように、八幡浜の建築文化である日土小学校や旧河之内小学校のハイサイド連窓を受け継ぎ、施設全体に展開することで、段々畑の風景に沿う「段々屋根の子育て空間」を提案した。
子どもの活動を内外に広げるために木造平屋とし、敷地全体で一体的な子育ての場となるように、ふたつの施設でL型に園庭を囲み、工法や建物高さ、ゾーニングを統一した。両施設が、北側を低年齢、中央を交流、南側を高年齢ゾーンとすることで、施設の中心から施設全体が見守りやすく、個々の活動が守られ、交流の活動に参加しやすい。「段々屋根」が生む大小様々なスケールの内部空間により、子どもは自ら居場所を選んで一日を過ごすことができ、子育てのための多様な空間利用を可能にしている。
■建築概要
プロジェクト名:「だんだん」保内児童センター、保内保育所
計画地:愛媛県八幡浜市
設計・監理:松尾宙+松尾由希/アンブレ・アーキテクツ
構造設計:多田脩二構造設計事務所/多田脩二、深澤大樹
施工:児童センター/小西建設株式会社、保育所/堀田建設株式会社
竣工年:2019年2月
敷地面積:児童センター 2379.63㎡
保育所 3058.12㎡
延床面積:児童センター 735.31㎡
保育所 1341.00㎡
用途:児童センター+保育所
階数:地上1階
構造:木造