SHARE 麻生征太郎建築設計による、神奈川の既存マンション1室の改修「横浜の住宅」
麻生征太郎建築設計による、神奈川の既存マンション1室の改修「横浜の住宅」です。
既存マンション1室の改修。
施主は60代の夫婦。
10数年ぶりにこの家で生活することになり、典型的な3LDKファミリー向けプランを、広くゆったり使える空間へ変えることになった。対象となった住戸は、傾斜地に立つRC壁式構造の建物の1階。南北に長い一室で、南東側にL字状の専有庭があり、内部は取り除くことのできない耐力壁が空間を三分割していた。
耐力壁間毎にスラブレベルが設定されており、気積をできる限り大きく取ろうと思うと、既存の間取りから大きく変更するよりも、部屋を細かく区切っていた間仕切り壁を撤去し、仕上げを調整することが最も有効な方法であると考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
既存マンション1室の改修。
施主は60代の夫婦。
10数年ぶりにこの家で生活することになり、典型的な3LDKファミリー向けプランを、広くゆったり使える空間へ変えることになった。
対象となった住戸は、傾斜地に立つRC壁式構造の建物の1階。南北に長い一室で、南東側にL字状の専有庭があり、内部は取り除くことのできない耐力壁が空間を三分割していた。
耐力壁間毎にスラブレベルが設定されており、気積をできる限り大きく取ろうと思うと、既存の間取りから大きく変更するよりも、部屋を細かく区切っていた間仕切り壁を撤去し、仕上げを調整することが最も有効な方法であると考えた。
キッチン、リビングダイニング、和室はLDK一室へ、洋室(子供部屋)二室は寝室一室へ、洗面脱衣室、トイレは一室へまとめて、それぞれを広くした。部屋を区切る建具は引き込み戸、ガラス框戸とし、視線が端から端まで通るようにした。
同時に、既存躯体に添って梁形状をふかしたり、なかったところに梁型をつくったり、天井を張るところと張らないところの区別、造作家具の取り付き方など、室内空間のアウトラインを調整し、抑揚のある空間になればと考えた。
床はオークフローリング、壁・天井は石膏ボード、もしくコンクリート素地の上に塗装、建具・造作家具はラワン下地に染色、キッチンはカウンタートップから、そこに接する壁一面をライトグレーの左官材で繋ぎ目なく仕上げた。色味、質感、機能性のバランスに気を配りながら仕上げのレイアウトを決めていった。
できあがった空間は光が満ち、風が抜ける開放的な住まいとなった。
建物の新しさ、古さはあまり意識せず、住戸が元々持っていた特徴や可能性を引き出すことに注力したプロジェクトである。
■建築概要
プロジェクト名:横浜の住宅
計画種別:インテリアの改修
用途:住宅
設計期間:2017年6月~2017年12月
施工期間:2018年1月~2018年4月
竣工年月:2018年4月
計画面積:63.53㎡
計画地:神奈川県横浜市
設計:麻生征太郎(麻生征太郎建築設計)
施工:白川建設株式会社
撮影:刀祢平喬