SHARE 山家章宏+戸村英子による、東京・港区の、サロンスペース&ショップ「tac:tac I’M HERE」
山家章宏+戸村英子 / 戸村英子設計事務所による、東京・港区の、サロンスペース&ショップ「tac:tac I’M HERE」です。
二人は共に石上純也建築設計事務所出身の建築家です。また、こちらの空間は2019年9月23日まで見ることが可能です。
本プロジェクトは、アパレルブランド「tac:tac」が期間限定でオープンしたサロンスペース&ショップの計画である。
ブランドの考え方を広く知ってもらうために、路面である1階には、展示する洋服をあえて1着だけにし、ブランドのコンセプトを表現するインスタレーション空間とした。地下はこれまでのアーカイブと新作の商品を展示、販売する空間とし、1階と地下、2つの異なった空間構成とした。
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以下、建築家によるテキストです。
本プロジェクトは、アパレルブランド「tac:tac」が期間限定でオープンしたサロンスペース&ショップの計画である。
ブランドの考え方を広く知ってもらうために、路面である1階には、展示する洋服をあえて1着だけにし、ブランドのコンセプトを表現するインスタレーション空間とした。地下はこれまでのアーカイブと新作の商品を展示、販売する空間とし、1階と地下、2つの異なった空間構成とした。
1階のインスタレーション空間は、植物と映像と音楽により構成されている。当初は、植栽部分の配置を、回遊性のあるかたちや島状のかたちなど、歩くことにより楽しんでもらえるような形状のスタディを重ねたが、「時間」というブランドのコンセプトを軸に捉え、訪れた人たちがこの空間でどんな時間を過ごすのかを考えた。歩く事に加え、待ち合わせをしたり、座って時間を過ごしたり、それぞれ自分の時間を過ごしてもらえるような、そんな場所になるように計画を進めた。
大きな半円状の緑のボリュームを店内の中央に配置し、その緑の中に、大きさの違う3つの待ち合わせ場所が入り込んだ、ひとつの公園のような空間をデザインした。背丈の高い植物を使い、それぞれの待ち合わせの場所をやわらかく分けている。ベンチに座ると空間ごとに植物と音楽に包まれ、ゆっくりと映像を楽しむ事ができる。
床のモルタルは既存のフローリングの上に15mmだけ敷き、短期間での開催と撤去にも対応できるように考えている。また、植栽の部分は既存のフローリングを撤去した深さ30mmを基準の土の厚みとして、植栽の種類に合わせて必要最低限の土の厚さをそれぞれ設定した。植栽によって地面の高さが変化していく事によって、小さな丘が連続していくような計画としている。
■建築概要
「tac:tac I’M HERE」
所在地:東京都港区
延床面積:153.34 m2
竣工:2019年9月
設計:山家章宏、戸村英子(戸村英子設計事務所)
映像:中村壮志
音楽・音響設計:辰田翔
什器製作:furniture studio KOKKOK
サイン:鳴尾仁希
施工:リスタートホーム、小島植物苑
撮影:小川優樹