SHARE トラフによる、神奈川・箱根の、彫刻の森美術館のギャラリーをフリースペース・ギャラリーに改修した「丸太広場 キトキ」の写真
トラフのウェブサイトに、神奈川・箱根の、彫刻の森美術館のギャラリーをフリースペース・ギャラリーに改修した「丸太広場 キトキ」の写真が15枚掲載されています。
日本初の屋外型美術館である、彫刻の森美術館・緑陰ギャラリーの改修計画。広大な彫刻庭園内の一角にある同施設の1階はカフェ、2階はギャラリーとなっていたが、室内で休憩できるスペースが不足していたため、2階に休憩と展示を両立するスペースが求められた。
同美術館では、屋外展示の彫刻には基本的に触れることが出来ない。そこで、触れたくなる、また山に囲まれた環境ならではの素材として、箱根山で伐採された杉の丸太材と、360mm角の集成材を土台として井桁状に並べ、階段室を境に分断された細長い空間に一体感を与える提案とした。空間全体にグリッドを設定し、橋のように架け渡した丸太材は、ベンチとしてもテーブルとしても使え、お弁当を食べたりくつろいだり、来館者の憩いの場となる。ゴムチップマットのエリアでは靴を脱いで、角材を背もたれに寄りかかったり、またはローテーブルとして囲んだりもできる。 ごく単純なルールで出来た空間は、使い方を限定せず、訪れた人それぞれが能動的に使い方を発見できる余白に満ちた場所となる。
素材そのものの力強さを感じられる、丸太のグリッドは、彫刻のような、家具のようなそのどちらともとれる不思議な光景を生み出し、来館者を受けとめる。