SHARE 日建設計 / 田中渉+TAKT PROJECTによる、熊本の、天草市複合施設「ここらす」
日建設計 / 田中渉+TAKT PROJECTが設計した、熊本の、天草市複合施設「ここらす」です。施設の公式ページはこちら。
天草には駅がない。自家用車をモビリティの主役に据えた街のために、提案したのは駅のような建築です。多様な目的をもった人々がただただ同居することのできる、おおらかな場所を作りたいと考えました。
「ここらす」は、図書館・保健所・公民館といった5つの施設を再編した複合施設です。これらの用途が、敷地中央の「おおらかな庭」を介して一体的に使われる場を目指しました。おおらかな庭は、その一部が盛り上がって2Fの図書館にも繋がっています。起伏のある庭をリニアな建築が包み込むプランニングによって、あらゆる施設の利用者がおおらかな庭を体感できるよう工夫しました。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家とデザイナーによるテキストです。
天草には駅がない。自家用車をモビリティの主役に据えた街のために、提案したのは駅のような建築です。多様な目的をもった人々がただただ同居することのできる、おおらかな場所を作りたいと考えました。
「ここらす」は、図書館・保健所・公民館といった5つの施設を再編した複合施設です。これらの用途が、敷地中央の「おおらかな庭」を介して一体的に使われる場を目指しました。おおらかな庭は、その一部が盛り上がって2Fの図書館にも繋がっています。起伏のある庭をリニアな建築が包み込むプランニングによって、あらゆる施設の利用者がおおらかな庭を体感できるよう工夫しました。
施設には四枚のおおらかな大屋根が架かっています。屋根を段違いに架けることで、その隙間から北面採光や山からの風を取り込む計画です。木造屋根は、天草の製材による近似カテナリー形状で、集成材を使わずに大スパンの開放的な空間を実現しました。
誰にでも開かれた、駅のようにおおらかなパブリックスペースで、当初は考えもしなかった使い方を見つけてほしいと願っています。
(田中渉/日建設計)
おおらかな大屋根の下に人々が集まり、様々な活動が生まれる事を願い、大屋根をモチーフとしたロゴマークをデザインしました。マークの下に様々な名称を表記する事でサインとなり、この場所で生まれる状況のように、そのままサインシステムとして多様に展開していきます。
建築的な特徴を生かし、サインのあり方も内外を心地よく繋ぐ存在を目指しました。 天草固有の素材である天草陶石を使い、地元の窯元と製作した磁器サインは、時に庭園の飛び石のように、時に公園の道案内のように、屋外から屋内へその存在が自然に佇み案内してくれます。
家具も同様に、屋外と屋内を繋ぐ存在を目指しました。 水平基調にデザインされた書棚は、可能な限り目線を遮らず、屋外への視界を連続的に提供してくれます。またその姿は、水平に伸びやかに存在する建築の存在感そのものです。 屋内と屋外との境界である窓側に置かれた多様な家具は、おおらかな庭を囲みながら利用者それぞれの活動が自然と多様になる事を後押ししてくれます。
(TAKT PROJECT)
■建築概要
建築概要
名称:天草市複合施設「ここらす」
所在地:熊本県天草市浄南町4番15号
用途:図書館、保健福祉センター、市民活動の場
竣工:2020年3月
構造:RC造、S造、木造
階数:地上2階
敷地面積:20,115.18㎡
建築面積:4,605.10㎡
延べ面積:5,452.87㎡
耐火性能:準耐火建築物(ロ準耐-1)
発注者:天草市
設計監理:日建設計+TAKT PROJECT
施工:吉永・金子・大昌特定建設工事共同企業体ほか
撮影:太田拓実
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・床 | テラス床 | |
外装・屋根 | 屋根 | 金属屋根:立平葺きラジアールーフ(元旦ビューティー工業) |
外装・建具 | 開口部 | |
内装・床 | 図書館床1 | |
内装・床 | 図書館床2 | |
内装・床 | 多目的室床 | |
内装・天井 | エントランス天井 |
※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません