SHARE OMA / 重松象平が手掛ける、ニューヨークの、ティファニー旗艦店の改修計画案が公開
OMA / 重松象平が手掛ける、アメリカ・ニューヨークの、ティファニー旗艦店の改修計画案が公開されています。既存の歴史的建造物の上に、ガラスのヴォリュームが載る構成が特徴的な計画です。
ニューヨーク(2020年8月24日) ティファニーは、改装中の五番街の旗艦店ティファニー ニューヨーク本店の上階構造についての計画を公開いたしました。五番街727番地のアイコニックな建築として知られるティファニー ニューヨーク本店の10フロアのうち、1980年にオフィススペースとして加えられた上層階(8,9,10階)は全面的に改築され、エキジビション、イベント、クライアンテリング用の新たなスペースに生まれ変わります。今回、歴史的な建物の上に築かれるのはコンテンポラリーなガラス張りの構造物です。カーテンのような波打つガラスに囲まれたスペースは、天井が高く広々とした歴史的メインフロアの風格からインスパイアされており、7階以下のクラシックなライムストーンによるファサードとのコントラストが見事に調和しています。2019年春に始まったこの改装工事は、2022年春に完成する予定です。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、リリーステキストです。
ティファニーのチーフアーティスティックオフィサーのリード・クラッコフはこう述べています。
「ニューヨークの五番街にあるティファニーの旗艦店が、世界で最も愛され、最も知名度が高いラグジュアリーリテールスペースの一つであることに間違いはないでしょう。多くの人々にとって人生の記念碑的なひとときを過ごした場所、感動に満ち、類い希な体験への期待を裏切らない場所です。今回の改装によって生まれ変わる旗艦店は、183年のレガシーにオマージュを捧げつつ、私たちのブランドの未来を象徴することになるでしょう」
この建物の80年の歴史において、これほどの規模の改装が行われるのは今回が初めてです。このたびのプロジェクトでパートナーを務めているのは、著名な建築設計事務所、オフィス・フォア・メトロポリタン・アーキテクチャ(OMA)です。パートナーである重松象平が代表を務めるOMAニューヨーク事務所は、過去に増築された上階部分の全面的見直しも含め、改装の主要な側面に関わっています。
OMA 重松象平氏はこう述べられています。
「ティファニーの五番街旗艦店は、単なるリテールスペースではありません。人々が一目見たいと思う名所でもあるのです。今回の新たな増改築は、進化し続けるティファニーの実用的なニーズに応えるものであり、アイコニックな地上階スペースとそこで展開される活動に呼応する現代的なスペース、人々が集まる場所の創造です。ルーフトップテラスの上にさながら浮かんでいるような構造部分は、この建物を下から上まで訪れる人を待っているさまざまな体験が、いかなるものかを読み解くためのビジュアル的なヒントとなっています」
新たな上部構造を設計するにあたってのチャレンジは、既存の下部構造との縦方向の継続性を創り出すとともに、大胆で革新的な付加部分として際立つ個性を持たせることでした。元々の建物のやわらかな凹みを持つコーニスのイメージは、最上層部のスランピング加工ガラスのファサードに反映されています。視線は上へ上へと導かれ、新旧二つの建築のあいだの違いに違和感を覚えることはありません。リボンを連想させるデザインディテールは、近隣ビルのフラットガラスのカーテンウォールとは対照的で、柔らかな雰囲気を漂わせ、建物に官能的なタッチをもたらします。起伏のあるガラスで囲まれたエキジビション&イベントスペースは、天井高が二層分で柱のないメインフロアからインスパイアされています。たっぷりとしたガラスファサードは建物の両サイドに開放感を与え、その足元に広がるアウトドアテラスからは、ラグジュアリーブランドが軒を連ねる世界で最も有名な交差点から五番街を経てセントラルパークにいたるまでの眺望を楽しむことができます。
1940年に完成した当時、豪華なティファニー旗艦店は近代的建築のシンボルでした。荘重な建築スタイルのノーブルなたたずまいとエッセンスはこれからも維持され、生まれ変わったストアに足を踏み入れるお客様を以前と同じく圧倒することでしょう。そして、さらに進化したラグジュアリーリテール体験が消費者の皆さまを惹きつけ、メインフロアから建物の最上階までの旅へと誘うことでしょう。
それまでの間、隣接するイースト57丁目6番地のティファニーフラッグシップ ネクストドアがティファニーのニューヨーク本店として機能し、本来の旗艦店が2022年春にリニューアルオープンを迎えるまで、卓越した数々のコレクションを取りそろえてブランドのスピリットを余すことなく伝える役目を担います。