SHARE 岸名大輔 / BAUMによる、福井・大野市の、築90年の蔵を曳家し改修した住宅「S HOUSE」
岸名大輔 / BAUMが設計した、福井・大野市の、築90年の蔵を曳家し改修した住宅「S HOUSE」です。
福井県大野市の山間に位置するこの敷地は古くからある日本家屋と田畑に囲まれた静かな土地である。施主の要望は実家と隣接して建てられていた築90年の蔵の解体と住居の新築であったが、両親の希望により蔵を残しリノベーションをすることとなった。
住宅としての耐震性・断熱性などの構造的な問題と駐車場の確保が課題であったことを踏まえ曳家を提案したところ施主も両親も納得しこの計画を進めることとなった。
現代では珍しくなった梁組や8寸の柱などの既存の構造材を意匠として見せ、必要な場所は新しい材料で補強。小屋組に使われている丸太も現しにして天井を再構築した。解体してから分かる可能なこと不可能なことを都度施主と相談しながら工事を進めていった。
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以下、建築家によるテキストです。
福井県大野市の山間に位置するこの敷地は古くからある日本家屋と田畑に囲まれた静かな土地である。施主の要望は実家と隣接して建てられていた築90年の蔵の解体と住居の新築であったが、両親の希望により蔵を残しリノベーションをすることとなった。
住宅としての耐震性・断熱性などの構造的な問題と駐車場の確保が課題であったことを踏まえ曳家を提案したところ施主も両親も納得しこの計画を進めることとなった。
現代では珍しくなった梁組や8寸の柱などの既存の構造材を意匠として見せ、必要な場所は新しい材料で補強。小屋組に使われている丸太も現しにして天井を再構築した。解体してから分かる可能なこと不可能なことを都度施主と相談しながら工事を進めていった。
玄関の建具は長く使用されていた蔵の扉を修繕し当時の面影を残した。元々の蔵の雰囲気やどこか可愛らしい外観の形状は生かしながら、新築にはない懐かしいあたたかさを感じられる建物となった。
■建築概要
竣工年月日:2016年8月
所在地:福井県大野市
設計:BAUM 岸名大輔
主要用途:専用住宅
工事種別:リノベーション
主要構造:木造
延べ床面積:139.86㎡
写真:Mov 明直樹