MVRDVによる、アムステルダムの集合住宅「De Oosterlingen」。7棟が連結したような建物として計画され緑化された屋上や壁面が都市環境にも貢献 image©MVRDV
MVRDVによる、アムステルダムの集合住宅「De Oosterlingen」。7棟が連結したような建物として計画され緑化された屋上や壁面が都市環境にも貢献 image©Proloog
MVRDVによる、アムステルダムの集合住宅「De Oosterlingen」。7棟が連結したような建物として計画され緑化された屋上や壁面が都市環境にも貢献 image©Proloog
MVRDV が設計している、オランダ・アムステルダムの集合住宅「De Oosterlingen」。7棟が連結したような建物として計画され緑化された屋上や壁面が都市環境にも貢献する建築となっています。2022年末の着工を予定。
以下、リリーステキストの翻訳
MVRDVが設計したサステナブルな集合住宅が、アムステルダムの玄関口に新たな緑の通りを創り出す
MVRDVは、アムステルダムのオーステンブルグ島に7棟のサステナブルな集合住宅を建設する「De Oosterlingen」の設計を公開しました。このプロジェクトは、島の入り口に位置しています。ここは、かつては工業地帯でしたが、急速に発展して活気ある居住エリアとなっています。不動産開発会社「ビーイング」のために設計された「バーコード」と呼ばれる構成の建物は、明確なファミリーを形成していますが、高さや屋根の形状、木材やガラス、リサイクルレンガ、バイオベースの複合材を使用したファサードなど、それぞれが独自の個性を持っています。総面積13,950㎡のこのプロジェクトには、様々なターゲットグループのオーナーや賃貸人が住むことになります。
アムステルダム・オオステンブルグには豊かな歴史があります。2017年以降、記念碑的な岸壁、倉庫、クレーンなどが近隣の一部として保存され、産業の歴史がわかりやすく残る活気ある街区へと変貌を遂げています。
「De Oosterlingen」は、島の入り口、近隣の広場の隣に建設されます。不動産開発会社のビーイング社とアムステルダムの住宅公社Stadgenoot社は、緑が多く、人が多く集まる通りで、地区の印象的な入り口を形成することを望んでいました。MVRDVは、7つの隣接した建物を設計しました。それぞれが独自のアイデンティティを持ち、集まるための場や屋上を中心とした独自の生活スタイルを確立し、街の緑化に貢献しています。一端は「温室」で、順に「養蜂家」「塊」「庭」「家」「石」「鳥小屋」となっています。
この7つの建物を合わせて、グリーンラボ(緑の博覧会)を構成しています。建物は階段状になっていて、一番下の建物から一端のタワーまでテラスが続いています。低層ビルの屋上は、庭園、リンゴ園、都市農業、屋上林などで活性化されます。低排出ガスを実現するための「ローテク」ソリューションに加え、持続可能なビジョンを実現するための数々の実践的な取り組みも行われています。
この地域の歴史的な倉庫を模したファサードの多くは、折り畳み式のシャッターやキャノピー、バルコニーなどによって開放されていますが、これらは建物の表皮を「折り畳む」ことによって作られたように見えます。折りたたみ、スライド、ヒンジなどにより、それぞれが異なるファサードでありながら、関連性を持った生き生きとしたファサードのパレットが生まれます。また、シャッター、キャノピー、スライディングドアは、太陽光や熱を利用するだけでなく、居住者が自由にファサードを開閉できるため、プライバシーの確保にもつながります。
MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「人だけでなく、鳥や虫にとっても良い環境の複合施設になると思います。」
「古くからある持続可能な建築方法である版築を使用した建物と、完全にグリーンなファサードを持つ建物があります。また、スズメやツバメ、コウモリのための巣箱もさまざまなファサードに組み込まれます。これらは、アムステルダムの伝統的な方法で、より環境に配慮したキュートなストリートを作り出しています。」
この計画では、人間的な側面が中心に考慮されています。住民同士が簡単に出会うことができるように歩行経路が設計されており、コミュニティ意識が促進されます。複合施設には活気のあるゾーンと落ち着いたゾーンがあり、誰にでも適した空間を提供しています。また、建物の台座部分には1,000㎡のスペースが確保され、ケータリング施設や健康食品のショップ、12人収容の小型プライベートシネマ、社会起業家を目指す企業のためのソーシャル・インパクト・ファクトリーなど、さまざまな施設が設置される予定です。着工は2022年末を予定しています。