SHARE 田根剛がデザインアーキテクトを務め、帝国ホテルが2031年から本館の建替えを開始することを発表。考古学的リサーチにより、“東洋の宝石”をコンセプトにした完成予想のパースも公開
田根剛が率いるAtelier Tsuyoshi Tane Architectsがデザインアーキテクトを務め、東京・千代田区の宿泊施設「帝国ホテル」が2031年から本館の建替えを開始することが発表されました。考古学的リサーチにより、“東洋の宝石”をコンセプトにした建築です。工事は2031年から2036年を予定しています。
コンセプトは「東洋の宝石」
田根氏は、独自のアプローチである考古学的(Archaelogical)リサーチにより、帝国ホテルのみならずホテル業そのものを考察。
賓客を迎え入れる「宮殿」の構えと人類の進歩の証である「塔」を融合することで、唯一無二かつ新しい迎賓館にふさわしく、首都の中心に燦然と輝く存在として、ライト館を形容する言葉として使われた「東洋の宝石」を継承し、未来につなげるコンセプトを提案されました。
当社は、田根氏の「帝国ホテルの歴史を深く考察し、それに立脚して未来につながる建物を造る」というアプローチ姿勢を高く評価。
さらに、これまで田根氏がプロジェクト毎に全く異なるデザインによってオリジナリティを表現されていることから、当社の独自性を創出してくれることへの期待と、才能ある若手建築家とともに未来の帝国ホテルを創るという気概を示していきたいという見地から、田根氏の起用を決定し、現在も協議を重ねております。
デザインアーキテクト選考の経緯
選考にあたっては、当社が新本館に求める「品格・継承・挑戦」という 3つのキーワードといくつかの条件のもと、国際的に活躍する国内外の建築家を候補に コンペティションを実施。
帝国 ホテルの歴史・理念を十分に把握し、ビジネス・文化・交流の中心地である日比谷地区で、次世代の日本のホテル文化をリードする「新しいグランドホテル・迎賓館」にふさわしく、近景、遠景、どこから見ても「ザ・ホテル」の顔・存在感や独自性を体現するデザインを共に創り上げることができる建築家からの提案を求めました。
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帝国ホテル東京 建て替え計画
帝国ホテルは、1890年(明治23年)、日本の近代化を推進する明治政府の国策により、海外貴賓を遇する迎賓館として、初代会長である渋沢栄一の「社会の要請に応え、貢献する」という信念とともに開業しました。
初代本館の風格ある洋風建築は、 隣接する鹿鳴館とともに西欧化を目指す日本のシンボルとなりました。
近代建築の雄たるフランク・ロイド・ライトにより設計され、1923(大正12)年に開業した2代目の本館は、通称「ライト館」と呼ばれ、首都東京の近代化を先導した歴史的建築物でありました。 そして1970(昭和45)年に大阪万博を機に建て替えられた現在の本館、また1980年代の高度利用・複合化の先進事例となった1983(昭和 58 )年開業の 帝国ホテルタワーなど、現在に至るまで、それぞれの時代に於いて国際的ベストホテルを目指す企業として最高の施設であるべく努めてまいりました。本計画は、この先の100年・200年も「メイド・イン・ジャパン」のホテルとして、その中心的存在であり続けるための4代目新本館建築計画となります。
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