宮本久美子+寺嶋利治+久保井聡 / ボンドアーキテクツが設計した、茨城の店舗「星乃珈琲店 守谷店」です。
ロードサイドで駐車場等の外部が過半を占める計画、“新しい郊外型店舗”を目指して歴史的建築を参照した“雁行型”で内外の多様な繋がりを形成、意匠の役割も担う架構が内装変化を経ても空間強度を維持する事も意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
星乃珈琲店の新店舗の計画。
従来の「蔵」をテーマとした店舗に変わる「新しい郊外型店舗のデザイン」が求められた。
敷地は茨城県守谷市のロードサイドに立地する。一般的に郊外店舗は建物より駐車場などの外部空間が敷地の過半を占める。また、外装・内装には一定のコストをかけ設えるが、平面・構造・外構計画などはコストを抑えるため簡便なものとなることが多い。加えて従来の星乃珈琲店は、蔵というデザインソースも相まって外部との積極的なつながりのある店舗は少なかった。
そこで桂離宮など豊かな外部環境を持つ歴史的建築に多くみられる雁行型を参照し、現代の郊外環境において内外の多様なつながりをつくることで、立体的なファサードや外部とつながる客席、庭園のようなエントランス空間を計画した。
商業建築は必要に応じて模様替えや内装変更などが行われる。このような改変が加えられても変わらない強さを持った空間とするため片流れ大屋根によるおおらかな断面形式を採用した。
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以下、建築家によるテキストです。
星乃珈琲店の新店舗の計画。
従来の「蔵」をテーマとした店舗に変わる「新しい郊外型店舗のデザイン」が求められた。
敷地は茨城県守谷市のロードサイドに立地する。一般的に郊外店舗は建物より駐車場などの外部空間が敷地の過半を占める。また、外装・内装には一定のコストをかけ設えるが、平面・構造・外構計画などはコストを抑えるため簡便なものとなることが多い。加えて従来の星乃珈琲店は、蔵というデザインソースも相まって外部との積極的なつながりのある店舗は少なかった。
そこで桂離宮など豊かな外部環境を持つ歴史的建築に多くみられる雁行型を参照し、現代の郊外環境において内外の多様なつながりをつくることで、立体的なファサードや外部とつながる客席、庭園のようなエントランス空間を計画した。
商業建築は必要に応じて模様替えや内装変更などが行われる。このような改変が加えられても変わらない強さを持った空間とするため片流れ大屋根によるおおらかな断面形式を採用した。
中間梁より下の空間は必要に応じた設えの変化を許容し、上部の空間において空間の純粋さが保たれる。加えて、大屋根の構造は三角形平面なりの扇垂木とし、大屋根の象徴性をいっそう高める計画とした。架構自体が意匠の一部として空間を彩ることで、表層的な仕上げのコストを最低限に抑え、内装が更新されても維持される強度を持った空間を目指した。
背後に広がる雑木林と一体となった新店舗が、さながら鎮守の森を背負った神社のように、画一的な風景の広がる郊外ロードサイドの中で、地域の特別な場所になることを願っている。
■建築概要
名称:星乃珈琲店 守谷店
所在地:茨城県守谷市百合ヶ丘
主要用途:飲食店
設計監理:ボンドアーキテクツ/宮本久美子+寺嶋利治+久保井聡
構造設計:藤尾建築構造設計事務所/藤尾篤
施工:日本建設
規模:地上1階
構造:木造 一部SRC造
敷地面積:1,277.05㎡
建築面積:235.60㎡
延床面積:194.63㎡
竣工年月:2021年6月
写真:ToLoLo studio
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板
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外装・壁 | 外壁 | RC躯体 撥水剤塗布
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内装・床 | 客席床 | 玉砂利洗い出し
ウォールナットフローリング
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内装・壁 | 壁 | モルタル金鏝仕上げ
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内装・天井 | 天井 | ヒノキ化粧羽目板
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