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2022.6.29Wed
2022.6.28Tue
2022.6.30Thu
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用
photo©大竹央祐

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architecture|feature
エス・キューブ・アソシエイツ笹原建設建材(内装・床)建材(内装・壁)図面あり大竹央祐店舗兼住宅リノベーションコンバージョン奈良阿曽芙実
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用外観 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用ネイルサロンの部分 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用玄関と廊下の土間空間からリビング方向を見る。 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用リビングからキッチン方向を見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所が設計した、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」です。
築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修する計画です。建築家は、家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想しました。そして、既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用しました。

土地探しからのご依頼で、当時は新築住宅を建てるための土地を探していたが、なかなか思う土地が見つからずにいた時、長らく空き家になっていたこの建物と出会った。

築40年のこの中古住宅は、空き家を感じさせないほどの生命力があった。丁寧に造られていたこと、そして丁寧にお住まいになられていたことが建物を介して伝わってきた。そんな中古住宅に魅せられて、クライアントは自らここを選択した。

旗竿型の敷地形状で道路からのアプローチは狭いが、敷地も建物も広さが十分にあったため、予算の関係からも1階のみを住居兼ネイルサロンにリノベーションすることとした。

建築家によるテキストより

既存住居は田の字型を基本とした南向きの間取りで、仏間のある和室は、冠婚葬祭ができる設えとなっていた。
昭和50年ごろまでに、大工によって建てられた住宅に多く、日本全国で見受けられる典型的な形式である。メインの玄関は来客用で、日常的に家族は裏側にあるお勝手から出入りする。日当たりの良い田の字の4間は日常的には使わず、あくまでも来客用で、家族は北側にある台所とその南にある応接間を生活の場としていた。

このように住宅の中にパブリックとプライベートの領域がはっきりと区分けされ、パブリックは表に、プライベートは裏へと配置されていた。日当たりや向きだけでなく、装飾や柱などの構造材までもパブリックが上位になるヒエラルキーがあり、パブリックに主眼をおいて造られていた。

建築家によるテキストより

時代と共に、核家族化や地域の高齢化、業者の出現などにより冠婚葬祭を家で行わなくなると、4間の田の字形式はしだいに消えて行き、核家族中心の小さな都市型住居が増え始め、家族の生活の場を中心とした間取りへと変化する。

この計画では、そのような表にあるパブリックな田の字空間に、裏にしかなかった家族のためのプライベート空間を移動させることで、パブリックとプライベートを逆転させ、家族の暮らしに主眼をおいた住居を再構築することとした。

建築家によるテキストより

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阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用外観 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用玄関と廊下 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用ネイルサロンの部分 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
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阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用玄関と廊下の土間空間からリビング方向を見る。 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用リビングからキッチン方向を見る。 photo©大竹央祐
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阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
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阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 image©阿曽芙実建築設計事務所
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 image©阿曽芙実建築設計事務所
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用かつての中古住宅では、親戚が集まる行事や来客者のための空間=「パブリック」と家族の生活の空間=「プライベート」がはっきりと区切られていた。 冠婚葬祭などで使われる田の字空間の和室や来客の玄関は南側の表にあり日当りが良い。それに対し家族が生活する場や水回りなどは北側、いわば裏に位置している。家族団欒の場よりも、祭事で使われる空間の方がヒエラルキーが上であった。また、パブリックゾーンは、それぞれの空間が襖や障子で境界が作られ曖昧だが、プライベートゾーンは壁で境界が分けられ、空間だけでなく光の取り込み方にもヒエラルキーが生まれている。 image©阿曽芙実建築設計事務所
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用田の字空間の和室は、空間を間仕切る襖をなくし一室空間とした。田の字空間のうち、日当たりの良い南側の2ブロックはくつろぎのスペースとして、北側の2ブロックは、キッチンとダイニングの空間を生み出し、構造補強を兼ねた腰壁を挿入することで、書斎と北側の縁側が生まれ、リビングのおおらかな空間とは違う、個人の落ち着いた居場所を作った。既存の鴨居や敷居のラインを残し、境界線による空間の分節を行うことで、大きな一室でありながらも性格の違う居場所が生まれ、空間にメリハリをつけている。 こうした操作により「パブリック」と「プライベート」を逆転させることで、「パブリックとプライベートの間」の空間が拡張され、より家族の暮らしに主眼を置いた住宅となった。 image©阿曽芙実建築設計事務所
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用裏にあった生活の中心を表の場に移すことで、生活の中心を明るい空間にした。また、生活の中心を移動させたことで、日常の空間がバッファゾーンである縁側や外部の庭にまで拡張され、内部と外部の境界はさらに溶かされていく。 南の玄関に近い客間を店舗空間のネイルサロンとした。生活空間と店舗空間の間に土間を挿入することで、ネイルサロンの店舗と生活空間が、全体的なつながりを持ちながらもプライバシーを保ったまま、程よい距離感で分けている。 image©阿曽芙実建築設計事務所
阿曽芙実建築設計事務所による、奈良の店舗兼住宅「T house Renovation」。築40年の木造住宅をネイルサロンと住居に改修。家族の暮らしに主眼を置く在り方を目指して、私より公が優先された典型的な田の字プランの逆転を構想。既存の“鴨居”等は残して空間の緩やかな分節に援用 image©阿曽芙実建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


中古住宅との協奏

奈良県斑鳩町にある敷地は、小高い丘の三室山を大和川の支流である竜田川によって削り取られ、川に囲まれ自然豊かで長閑な場所にある。昔ながらの瓦屋根の佇まいが建ち並び、趣深さや歴史を感じられる地域ではあるが、所々でミニ開発が行われ、数年後には大きく景色が変わってしまいそうな危うさも感じる場所だ。

中古住宅との出会い
土地探しからのご依頼で、当時は新築住宅を建てるための土地を探していたが、なかなか思う土地が見つからずにいた時、長らく空き家になっていたこの建物と出会った。

築40年のこの中古住宅は、空き家を感じさせないほどの生命力があった。丁寧に造られていたこと、そして丁寧にお住まいになられていたことが建物を介して伝わってきた。そんな中古住宅に魅せられて、クライアントは自らここを選択した。

旗竿型の敷地形状で道路からのアプローチは狭いが、敷地も建物も広さが十分にあったため、予算の関係からも1階のみを住居兼ネイルサロンにリノベーションすることとした。

既存住居は田の字型を基本とした南向きの間取りで、仏間のある和室は、冠婚葬祭ができる設えとなっていた。
昭和50年ごろまでに、大工によって建てられた住宅に多く、日本全国で見受けられる典型的な形式である。メインの玄関は来客用で、日常的に家族は裏側にあるお勝手から出入りする。日当たりの良い田の字の4間は日常的には使わず、あくまでも来客用で、家族は北側にある台所とその南にある応接間を生活の場としていた。

このように住宅の中にパブリックとプライベートの領域がはっきりと区分けされ、パブリックは表に、プライベートは裏へと配置されていた。日当たりや向きだけでなく、装飾や柱などの構造材までもパブリックが上位になるヒエラルキーがあり、パブリックに主眼をおいて造られていた。

時代と共に、核家族化や地域の高齢化、業者の出現などにより冠婚葬祭を家で行わなくなると、4間の田の字形式はしだいに消えて行き、核家族中心の小さな都市型住居が増え始め、家族の生活の場を中心とした間取りへと変化する。

この計画では、そのような表にあるパブリックな田の字空間に、裏にしかなかった家族のためのプライベート空間を移動させることで、パブリックとプライベートを逆転させ、家族の暮らしに主眼をおいた住居を再構築することとした。

残すものと残さないもの、新しく加えたもの
既存建物のパブリックゾーンにある装飾や高価な構造材は、素の材料で設えられ、これからの長い時間軸にも耐えられ、既存建物が大切にして来たものと捉え、残すこととした。それはつまり、田の字の間取りを形成している敷居や鴨居も残すこととなる。大きな一室空間は、田の字のラインにより4つのエリアに緩やかに分けたり、繋げる役割を果たす。

また、敷居や鴨居は、鳥居効果によって、単なる1室空間とは違い、空間の連続性が東西にも南北にも生まれた。
既存建物の中でもそれほど良質では無い仕上げ材、つまり当時の新素材は経年劣化もあり、色落ちや腐食もあったので、取っ払い、柱や梁を現しとすることで、付け加えることなく、空間を構築した。

そして、ネイルサロンの中には、新しい機能としての空間に飾り棚を加えることになったが、既存建物のもっとも丁寧に設えられた床の間や違い棚との背景の柄を合わせる事で、残したものと新しく加えたものとを繋げることとした。

パブリック空間だった表の場にプライベートな家族の暮らしがくることで、外部と内部との関係が緩やかに繋がり、それは、地域と家族との関係もつなぐこととなる。単なる表裏の逆転だけでは無い広がりやつながりのある住宅を再構築することができた。

■建築概要

名称:T house Renovation
所在地:奈良県生駒郡
主要用途:住居+サロン
設計:阿曽芙実建築設計事務所
構造:株式会社エス・キューブ・アソシエイツ
施工:笹原建設株式会社
主体構造:木造
建築面積:153.26㎡
延床面積:234.58㎡
設計期間:2020年9月~2021年3月
施工期間:2021年4月~2021年8月
撮影:大竹央祐(Yousuke Ohtake)

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床床

複合タモフローリング(ニッシンイクス)
ラワンベニヤ t=12mm OSCL(プラネットジャパン)

内装・床玄関土間床

モルタル金ごて仕上げ

内装・壁壁

ラワン構造用合板 t=9mm 上部素地、腰壁OSCL(プラネットジャパン)

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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  • 2020.8.06Thu
    奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュによる、京都市の住宅「洛北の家」
  • 2020.7.31Fri
    奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュによる、兵庫の住宅「竹林の家」
  • 2020.4.14Tue
    塔本研作建築設計事務所による、滋賀・大津市の、ギャラリー併用住宅「2kwgallery」
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    建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催。近作のドバイ万博日本館や東急歌舞伎町タワーに加え、様々な作品を通して“素材”について語る

    SHARE 建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催。近作のドバイ万博日本館や東急歌舞伎町タワーに加え、様々な作品を通して“素材”について語る

    日程
    2022年7月7日(木)
    architecture|exhibition|promotion
    建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催。近作のドバイ万博日本館や東急歌舞伎町タワーに加え、様々な作品を通して“素材”について語る
    永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催されます
    kmew.seminarone.com

    建築家の永山祐子によるトークイベント「素材使いの極意」が、オンラインで開催されます(※少人数制でリアルでも開催)。ケイミュー株式会社主催、株式会社ユニオン共催の「素材FES」内のEvent.3にて行われます。永山による近作「ドバイ万博日本館」や「東急歌舞伎町タワー」に加えて、様々な作品を通して“素材”について語られます。開催日時は2022年7月7日(木)18:30~19:20。参加費無料。要事前申込です。

    また、Event.1(開催時間:15:00~15:40)では、Natural Living代表の渡辺美穂による「みんなにやさしいヴィーガンキャロットケーキ」が、Event.2(開催時間:16:40~17:30)では、株式会社ユニオン代表取締役社長の立野純三と宣伝広告室による「砂と金属 -ミラノデザインウィーク2019『One Design ‒ One Handle』」も企画されています。

    2017年にSOLIDOが誕生してからわずか数年で世界は大きく変わり、新しい価値観が一気に広がりました。
    リモートワーク&オンライン、多様性、サステナビリティという意識の浸透、そんな時代の中で素材にこだわった新しい外壁材 SOLIDO typeF facade が誕生します。
    それを記念した、素材フェチな方々とともに送るリアル&オンラインでのお祭りです。[ 参加費無料 ]
    会場での商品見学と、3つのウェビナーはオンライン視聴と(少人数ですが)リアル視聴で構成しています。
    会場でリアルに、オンラインならどこからでも、みなさまのご参加お待ちしています。

    kmew.seminarone.com
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    2022.06.29 Wed 07:45
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    OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る
    photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA

    SHARE OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る

    architecture|fashion|feature
    エレン・ヴァン・ルーン店舗パリOMAフランス
    OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA
    OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA
    OMA / エレン・ヴァン・ルーンによる、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗。販売とアーカイブ展示を行う為に計画。其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案。ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る photo©Benoit Florençon, Courtesy OMA

    OMA / エレン・ヴァン・ルーンが設計した、フランス・パリの、ティファニーの仮設店舗「Tiffany Temporary Store Paris」です。
    販売とアーカイブ展示を行う為に計画されました。建築家は、其々の目的に合わせて、素材や形により雰囲気の異なる部屋が連続する構成を考案しました。そして、ブランドの歴史を伝えつつ購入体験に没入できる空間を作る事を意図しました。店舗の公式ページはこちら。

    こちらはリリーステキストの翻訳

    OMAがデザインしたティファニーの仮設店舗が、パリのモンテーニュ通りにオープン

    OMAがデザインしたティファニーの仮設店舗が、パリ8区の中心部にオープンしました。アダプティブデザインとして考案されたこの店舗は、1年を通して、開催されるコレクションの特徴を反映して雰囲気が変化し、ブランドの最新デザインと185年のコレクションから集められたアイテムが一堂に会します。

    OMAパートナーのエレン・ヴァン・ルーンは言います。
    「ティファニーは、ジュエリーとプロダクトデザインの両方で豊かな歴史を持っています。その歴史を紹介することは、私たちにとって重要なことでした。ティファニーの最新コレクションを発見する機会である以上に、この店を訪れることは、時間を超えた旅でもあるのです」

    販売とアーカイブ展示の両方をスペースである店舗は、雰囲気の異なる部屋が連続するように展開されています。ロタンダ(※円形の広間)にはティファニーのジュエリーアーカイブのハイライトが物理的な展示とデジタルスクリーンで紹介され、八角形の部屋には現在のコレクションが展示されています。また、ハイジュエリーのアポイントメントは、1887年にティファニーが発行したフレンチ・クラウン・ジュエルのカタログを展示した奥の親密な部屋で行われます。また、ティファニーがデザインしたアンティークのランプが、1900年代初頭のルイ・コンフォート・ティファニーのデザインを思い起こさせ、グラデーションのかかったブルーのカーペットが、ショッピングに没入できるような空間を演出しています。

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    エレン・ヴァン・ルーン店舗パリOMAフランス
    2022.06.29 Wed 07:14
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    BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す
    photo courtesy of BIG

    SHARE BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す

    architecture|feature
    リノベーションコンバージョン美術館・博物館BIGデンマーク保存関連
    BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG
    BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG
    BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG
    BIGによる、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT」。第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設。二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築。展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す photo courtesy of BIG

    BIGが設計した、デンマーク・オクスボルの博物館「FLUGT – REFUGEE MUSEUM OF DENMARK」です。
    第二次世界大戦時の病院を改修した“難民”に関する施設です。建築家は、二棟の既存建物を建築的にも歴史的にも繋げる、カーブを描くヴォリュームを増築しました。そして、展示資料に加え体験でも難民と地域への理解を促す事を意図しました。施設の公式サイトはこちら。

    こちらは建築家によるテキストの翻訳

    第二次世界大戦中のデンマーク最大の難民キャンプ跡地に位置する「FLUGT」は、世界中の難民に声と顔を与え、避難民が共有する普遍的な課題、感情、精神、物語をとらえています。FLUGTは、Vardemuseerne(※クライアント)のためのBIGの2番目の博物館であり、この地域に関する歴史的知識の考古学、普及、収集に特化した地域機関です。BIGは、収容所に残っている数少ない建造物のひとつである病院の建物を、1,600m2の博物館に改修・拡張しました。

    収容所の最盛期には、当時のデンマークで5番目に大きな都市となりました。現在、オクスボルの収容所はほとんど残っていませんが、新しい国の入り口に到着したというストーリーは、これまでと同じように重要です。FLUGTに生まれ変わった旧病院は、2つの細長い建物で構成されています。BIGはこの2つの建物を建築的にも歴史的にもつなげ、柔らかなカーブを描くヴォリュームを加えることで、美術館に500m2の追加スペースをもたらし、遠くからでも見える歓迎する構造体を作り上げました。

    このカーブは、通りに向かって緩やかにひかれ、美術館の来館者に魅力的な到着の瞬間を演出します。コールテン鋼で覆われた構造体は、旧病院の赤レンガに調和しています。外から見ると、抽象的なヴォリュームは、一見閉じたエントランスホールに訪問者を迎えます。中に入ると、床から天井までの曲面ガラスの壁から、緑に覆われた中庭と、かつて難民キャンプがあった森が見えます。中庭から光が差し込むエントランスホールは、ロビーや企画展示スペースとして機能し、ゲストが館内を移動する前に体験することができます。

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    リノベーションコンバージョン美術館・博物館BIGデンマーク保存関連
    2022.06.29 Wed 06:39
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    2022.6.28Tue
    • 【ap job更新】 建築情報学会が、一般・会計事務職(在宅勤務 フレックスタイム制)を募集中
    • 市瀬喬之+中野達文 / ダルマトーキョーによる、東京の住戸改修「目黒の集合住宅」。庭付きオーナー住戸を賃貸用に改修する計画。借手の間口を広げる事を目指して、庭との関係に焦点を絞りつつ住人の創意工夫の余地がある空間を構想。各所から庭を望め緑を享受する暮らしを作る
    • 桐山啓一 / Airhouseによる、東京の「小平の家」。郊外に建つ核家族の住宅。求められた“良い意味での違和感”に応える為、建築に“斜め”や“段差”を導入。尺貫法の順守と各要素に空間体験創造の視点を重ねる事で合理性と豊かさの実現も目指す
    • 末光弘和+末光陽子 / SUEP.が、ギャラリー・間での自身の建築展「Harvest in Architecture」について解説している動画
    • BIGによる、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」。森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画。鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案。親密で没入感のある自然体験も提供
    2022.6.30Thu
    • ヤツシャハルアーキテクツによる、アラブ首長国連邦の「スシロードバイ万博店」。日本館の傍らに計画された飲食店。日本の食文化の魅力を伝える為の施設で、本館の立体格子に呼応する“魚子文様”の天井を特徴とする空間を考案。経済合理性や環境負荷に配慮した工法も採用し実現
    • 【ap job更新】 アワード受賞やメディア掲載に加え、創業30年以上の実績を持つ「株式会社INTERMEDIA」が、設計スタッフ(既卒・経験者・2023年新卒)を募集中
    • ツバメアーキテクツによる、東京・港区の「cobacoのポップアップ」。神戸のブランドの為の期間限定店舗。短時間での施工と撤収の条件に対し、“参勤交代”のイメージを重ねて“ジュエリーを乗せた籠”をテーマに設計。メッシュ素材の囲いと現場組立の什器で場を構築

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