梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所 と山田美紀一級建築士事務所が設計した、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「NPO法人木の子クラブ我孫子 ひの木」です。
軽度な精神疾患を持つ人の為の施設です。建築家は、プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得しました。そして、滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る事を意図しました。
「NPO法人木の子クラブ我孫子 ひの木」は、躁うつ病や摂食障害などの軽度な精神疾患を持つ人が通うデイサービス施設である。
入所者の方々は、日中をここで過ごし、運動や学習などの様々なプログラムを通して、社会生活に復帰することを目指し、この施設に通う。
既存施設を訪れ、入所者の方々の活動を見学させていただいた際、それぞれの方が思い思いに、椅子やソファに座り、特に何をするでもなくぼーっと時間を過ごされていたことが印象に残った。日常が非日常である彼らの生活の中に、繰り返される自然の時間を感じられる空間をつくることで、どうにか日常を取り戻せないかと考えたのが計画の端緒であった。
敷地は湖北台という地名の通り、北側に湖があり、段丘の形状をした宅地に閑静な戸建てがゆったりと建ち並ぶ住宅街の一角にあった。
敷地より下がったところにある前面道路には、街路樹が綺麗に立ち並んでおり、緑豊かな周辺環境が魅力的であった。
計画にあたっては、この斜面地という敷地環境を活かすことで、プライバシーを確保しながら開放的な空間をつくることができるのではないかと考えた。また、擁壁の上に建つ南側の隣家から見下ろされることに配慮し、2階部分を北側に配置することで、プライバシーを確保しつつ、街路樹に向かって眺望を確保した。
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梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
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梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
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梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
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梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る image©梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る image©梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る image©梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る image©梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る image©梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る image©梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所
以下、建築家によるテキストです。
円環する時間を求めて
「僕らは二つの時間を生きている。一つは線的時間で、それは僕らに物語をもたらす。もう一つは円環的時間で、それは僕らに日常をもたらす。」(『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』、東畑開人、2019、p.127)
「NPO法人木の子クラブ我孫子 ひの木」は、躁うつ病や摂食障害などの軽度な精神疾患を持つ人が通うデイサービス施設である。
入所者の方々は、日中をここで過ごし、運動や学習などの様々なプログラムを通して、社会生活に復帰することを目指し、この施設に通う。
既存施設を訪れ、入所者の方々の活動を見学させていただいた際、それぞれの方が思い思いに、椅子やソファに座り、特に何をするでもなくぼーっと時間を過ごされていたことが印象に残った。日常が非日常である彼らの生活の中に、繰り返される自然の時間を感じられる空間をつくることで、どうにか日常を取り戻せないかと考えたのが計画の端緒であった。
敷地は湖北台という地名の通り、北側に湖があり、段丘の形状をした宅地に閑静な戸建てがゆったりと建ち並ぶ住宅街の一角にあった。
敷地より下がったところにある前面道路には、街路樹が綺麗に立ち並んでおり、緑豊かな周辺環境が魅力的であった。
計画にあたっては、この斜面地という敷地環境を活かすことで、プライバシーを確保しながら開放的な空間をつくることができるのではないかと考えた。また、擁壁の上に建つ南側の隣家から見下ろされることに配慮し、2階部分を北側に配置することで、プライバシーを確保しつつ、街路樹に向かって眺望を確保した。
どこにいても気配を感じる室内
必要諸室としては、入所者が活動する「訓練・作業室」と、専門家と定期的に相談を行う「相談室」、従業員が執務する「事務室」とキッチン、休憩スペース、倉庫などが求められた。
1階には、入所者の中心的な生活の場である「訓練・作業室」を建物の中心に据えることで、他の諸室との連続性をつくっている。また、「訓練・作業室」に面した壁面に、内部開口を多く設けることで、どこにいても入所者の気配を感じることができ、スタッフの目が届きやすい空間としている。
2階は、1階と雰囲気を変えて入所者が逃げ込める屋根裏のような空間とし、落ち着いて読書やパソコン作業もできる空間とした。また、光溜まり側の壁に開口を設けることで1階から2階にいる人の気配が感じられる空間とした。
自然環境を取り込む半屋外空間
クライアントの要望としては、入所者のプライバシーに配慮し、入所者の活動が外部に対してオープンになりすぎないことが求められた。そこで、南北方向に大きく開口を確保しながら、切妻屋根によって開口を絞ることで、外部からは中が見えづらく、内部からは外部が眺められるようにした。また、南北両側には軒を大きく出し、半屋外のバッファーエリアとなる幅広のアプローチとテラス空間を設けることで、室内外の連続性をつくりつつ、入所者が外に出やすくなるように計画した。
さらに、南側は、擁壁からのセットバックで生まれる広い庭空間を活かし、勾配をつけて斜面にすることで、鑑賞できる庭空間をつくりつつ、擁壁の印象を緩和している。北側は、幅広のアプローチ空間に、目隠しフェンスと一体になった植栽帯を床に配することで、室内からも常に緑を感じられる空間としている。植栽計画については、南側擁壁の目隠しとなる植栽や北側花壇でのハーブ療法の検討をしており、今後の二期工事を予定している。
柔らかい光の空間をつくる構造
構造の計画にあたって、「訓練・作業室」では、ヨガなどの運動をする時もあれば、机を出してきて勉強をする時もあるため、できる限り多目的に使える広い空間が求められた。そこで、小さな諸室を東西方向に配置し、構造用合板の耐力壁で固めつつ、訓練・作業室の天井を斜材でうけることで、南北方向に抜けのある大空間を実現している。また、斜材に設けられたルーバー材は、トップライトからの光を柔らかく室内に落とす要素として機能しつつ、東西方向の変形を防ぐ役割も果たしている。
以上より、建物の平面はできる限りシンプルに構成し、断面の操作によって、大空間や光、ランドスケープを室内に取り込むことで、機能性を確保しつつ、変化のある内部空間をつくることを目指した。
この施設に通われる入所者の方々にとって、日常の些細な変化を感じられるこの建物が、社会生活に復帰できるための一助となればと考えている。
■建築概要
建物名称:NPO法人木の子クラブ我孫子 ひの木
所在地:千葉県我孫子市湖北台
主要用途:障害福祉サービス事業所(児童福祉施設等)
階数:地上2階建て
構造:木造
事業主:NPO法人木の子クラブ我孫子
設計監理:梅岡恒治(梅岡設計事務所)+山田美紀(山田美紀一級建築士事務所)
構造設計:荒木美香構造設計事務所
施工:株式会社 大井建設
構造・規模:木造2階建て
敷地面積:255.04㎡
建築面積:89.85㎡
延床面積:99.94㎡
設計期間:2019年8月~2020年4月
工事期間:2020年5月~2020年12月
竣工:2020年12月
撮影:小野寺宗貴
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外構・床 床 磁器質タイル[TL51341](サンワカンパニー )
外構・床 デッキ床 人工木デッキ材 サンドリーフ(IOC )
外装・壁 外壁 窯業系サイディング下見板張の上AS塗装[MDX100Y](ニチハ )
外装・屋根 屋根 ガルバリウム鋼板(月星商事 )
内装・床 訓練・作業室床 コルクタイル 特殊樹脂ワックス仕上[AW-N5](東亜コルク )
内装・壁 訓練・作業室壁 ビニルクロス[SLP908](SINCOL )
内装・天井 訓練・作業室天井 ファルカタ合板t9 目透し張 オスモ塗装[ラーチ]
内装・床 廊下・相談室床 複合フローリング オーク20クリアオイル(IOC )
内装・壁 廊下壁 ラワン合板t4 目透し張 オスモ塗装[ラーチ]拭取
内装・天井 天井 ファルカタ合板t9 目透し張 オスモ塗装[ラーチ]
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