平居直設計スタジオが設計した、埼玉・加須市の「JINS大利根店」です。
河川が複数流れる地域のロードサイドに計画されました。建築家は、“川と共にある街”に寄添う建築を求め、道路形状とも呼応し“自然な流れ”を感じさせる“く”形の筒状空間を考案しました。内外を連続させ訪問し易さも意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
アイウエアブランド「JINS」の埼玉県加須市でのロードサイド店舗の計画。
敷地周辺は、利根川をはじめ利根川水系の河川が複数流れ、大きな河川の存在を感じずにはいられないエリアである。その大河川と共にあるまちに寄り添うような建築を考えた。
前面道路は区画整理により整備された新しい道路ではあるが、周囲の河川や古くからある水路から一定範囲の土地を残して計画されているため、必然的に河川のような自然な流れを感じられる形状をしている。その流れに沿わせるように建築を配置しつつも、近接する大型商業施設にも正対するように「く」の字に曲げた平面形状とした。
鉄骨のフレームが反復し、「く」の字に折れ曲がるチューブ状の空間を進んでいくと、その折れ点で内部空間であったところが軒下に、逆に軒下が内部というように互い違いに切り替わる。ここでは内部空間が最も狭くなり、外との関係が強まる。そこに内外を連続させた植栽と、歩道から通り抜けも可能な出入り口を設けることで、店内外の区別なく気軽に訪れてもらいやすい空間になることを目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
アイウエアブランド「JINS」の埼玉県加須市でのロードサイド店舗の計画。
敷地周辺は、利根川をはじめ利根川水系の河川が複数流れ、大きな河川の存在を感じずにはいられないエリアである。その大河川と共にあるまちに寄り添うような建築を考えた。
前面道路は区画整理により整備された新しい道路ではあるが、周囲の河川や古くからある水路から一定範囲の土地を残して計画されているため、必然的に河川のような自然な流れを感じられる形状をしている。その流れに沿わせるように建築を配置しつつも、近接する大型商業施設にも正対するように「く」の字に曲げた平面形状とした。
鉄骨のフレームが反復し、「く」の字に折れ曲がるチューブ状の空間を進んでいくと、その折れ点で内部空間であったところが軒下に、逆に軒下が内部というように互い違いに切り替わる。ここでは内部空間が最も狭くなり、外との関係が強まる。そこに内外を連続させた植栽と、歩道から通り抜けも可能な出入り口を設けることで、店内外の区別なく気軽に訪れてもらいやすい空間になることを目指した。
オープンエンドのチューブ状の空間を河川と見立てると、ちょうど河川が狭まったところに飛び石が置かれ、飛び石伝いに岸から岸へと渡るようなイメージでもある。
このように、この立地だからこそ体験できるような店舗空間のあり方を目指した。
■建築概要
建物名:JINS大利根店
所在地:埼玉県加須市
意匠設計:平居直 / 平居直設計スタジオ
構造設計:橋本一郎 / エス・キューブ・アソシエイツ
建築設計協力:杉江崇 / スギエタカシ建築研究所
内装設計協力:伊藤智幸 / Cloud10 design
施工:タナベ建設(建築)、スペース(内装)
植栽:緑演舎
構造規模:鉄骨造、地上1F
建築面積:274.73㎡
延床面積:192.79㎡
竣工年月:2022年4月
撮影:長谷川健太