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日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当
photo©Tom Bisig

SHARE 日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当

日程
2022年11月12日(土)
–
2023年3月12日(日)
architecture|exhibition|feature
GROUP村山徹加藤亜矢子吉村真基佐藤研吾VUILD板坂留五ランチ!アーキテクツノウサクジュンペイアーキテクツ関祐介石村大輔CHAr篠原祐馬スタジオグロス伊丹豪根市拓高木俊SSKドットアーキテクツスイス魚谷繁礼ツバメアーキテクツ河合啓吾tomito architecture403architecture [dajiba]金野千恵山田紗子川島範久建築展常山未央岩元真明能作文徳
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第1展示室は、テキスト・画像・グラフィックを交えた没入型なディスプレイを通して、現在、日本で活躍する若手建築家を取り巻く社会・経済・建築事情の背景を紹介します。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第2展示室では、過去5年間に開始または完了した20の代表的なプロジェクトを紹介します。規模もプログラムも多様な今回のセレクションは、日本の現代建築の現状を見渡すことを目的としており、この世代の建築家たちの様々な姿勢や関心はひとつの問題に還元することはできないことを示唆しています。そこに浮かび上がるのは、今日、建築という職業や社会全体が直面している課題に的確に対応するために、建築との関わり方の新しいモデルを模索している世代の姿です。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第3展示室では、現在日本で活躍する5つの建築設計事務所を特集し、社会における建築家の役割という問いに対して、それぞれ独自のアプローチで挑んだ作品と思考を紹介します。 photo©Tom Bisig

日本の現代建築家を特集した、スイス建築博物館(S AM)での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」です。
博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加しました。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目して企画されました。また、会場構成は関祐介が担当しました。展覧会の公式ページはこちら。

出展建築家は、403architecture [dajiba]、CHAr、ドットアーキテクツ、GROUP、岩元真明 / ICADA、Ishimura + Neichi / 石村大輔+根市拓、佐藤研吾、ランチ!アーキテクツ、村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所、吉村真基建築計画事務所、川島範久建築設計事務所、能作文徳建築設計事務所、ノウサクジュンペイアーキテクツ、高木俊 / ルートエー、板坂留五 / RUI Architects、SSK、スタジオグロス、河合啓吾 / TAB、金野千恵 / t e c o、トミトアーキテクチャ、ツバメアーキテクツ、常山未央、魚谷繁礼建築研究所、VUILD、山田紗子建築設計事務所です。

「Make Do With Now」展では、現在日本で活躍する新世代の建築家・都市計画家の思考やプロジェクトを紹介します。

リリーステキストより

1970年代半ばから1990年代半ばに生まれた建築家たちの多くは、2011年の東日本大震災・福島第一原子発電所事故以降に独立して活動し始めました。
この世代は、人口減少、高齢化、地方の過疎化、全国的な空き家の増加、営利目的の建築家不在の都市開発、経済不況、そして言うまでもなく地球温暖化の問題など、この国が現在直面している様々な喫緊の課題に取り組まなければならない立場にあります。

しかし、この世代の建築家の多くは、諦観に陥ることなく、これらの課題に真正面から取り組むことを選択しています。彼・彼女らは、自らが置かれた厳しい立場を強みに変え、限られた資源、身近な材料、既存の空間を利用して創造的に「やりくり」する、クリティカルで環境や社会に配慮した様々な実践を展開しています。

リリーステキストより

建物の改変、素材の再利用、参加型デザイン、ソーシャルデザインなど、日本で特に積極的に行われてきた取り組みは、スイスやヨーロッパの建築でも徐々に主流になりつつあります。その意味で、このような日本での展開は、グローバルな議論に大いに貢献するものです。彼・彼女らは、「やりくりする」ことは決して不足を意味するのではないということを実証しています。彼・彼女らはむしろ、今あるものがすでに十分過ぎるほど豊かであると認識した時、その先に創造的な繁栄がもたらされるのだということを、私たちに気づかせてくれるのです。

リリーステキストより

以下の写真はクリックで拡大します

日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第1展示室は、テキスト・画像・グラフィックを交えた没入型なディスプレイを通して、現在、日本で活躍する若手建築家を取り巻く社会・経済・建築事情の背景を紹介します。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当東京と京都を拠点に活動する建築家・デザイナーの関祐介による会場構成は、日本とスイスの距離を遊び心のあるやり方で表現し、「Make Do With Now」(今あるものでやりくりする)の精神で美術館の空間に介入しています。第1展示室では、高さ2.4mの天井を新たに挿入し、この大空間を日本の生活空間を想起させるようなプロポーションに変化させています。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第2展示室では、過去5年間に開始または完了した20の代表的なプロジェクトを紹介します。規模もプログラムも多様な今回のセレクションは、日本の現代建築の現状を見渡すことを目的としており、この世代の建築家たちの様々な姿勢や関心はひとつの問題に還元することはできないことを示唆しています。そこに浮かび上がるのは、今日、建築という職業や社会全体が直面している課題に的確に対応するために、建築との関わり方の新しいモデルを模索している世代の姿です。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当それでもなお、ここで取り上げるプロジェクトに共通する何らかの関心や傾向を見出すことができます。これらの傾向は以下の6つのフレーズを通して紹介されています。Architecture as Transformation (変革としての建築)、The Architect on Display (身近な建築家)、From Building to City (建物から街へ)、Alt-Architect (新たな建築家像)、 Main Street is Quite All Right (メインストリートはやっぱり正しい)、 Material Histories (素材の軌跡) photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当金野千恵 / t e c oの展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当高木俊 / ルートエー、ランチ!アーキテクツ、山田紗子建築設計事務所、Ishimura+Neichi / 石村大輔+根市拓 の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当GROUP、岩元真明 / ICADA の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所、魚谷繁礼建築研究所、GROUP、岩元真明 / ICADA、SSK、スタジオグロス の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当佐藤研吾、村山徹 + 加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所、魚谷繁礼建築研究所 の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第2展示室では、過去のS AMの展覧会で使用された額縁をディスプレイとして再利用し、日本の伝統的な紙工法を用いて繋ぎ合わせ、印象的で謎めいたインスタレーションをつくりあげています。大きなテーブルでもって通路幅を狭くすることにより、第1展示室に続きこの展示室でも、日本の生活空間のスケールを継続しています。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当板坂留五 / RUI Architects、能作文徳建築設計事務所、ノウサクジュンペイアーキテクツ、吉村真基建築計画事務所 の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当川島範久建築設計事務所、板坂留五 / RUI Architects、能作文徳建築設計事務所、ノウサクジュンペイアーキテクツ、吉村真基建築計画事務所、ツバメアーキテクツ、河合啓吾 / TAB、VUILD の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当金野千恵 / t e c o、川島範久建築設計事務所、板坂留五 / RUI Architects、能作文徳建築設計事務所、ノウサクジュンペイアーキテクツ、吉村真基建築計画事務所、ツバメアーキテクツ、河合啓吾 / TAB、VUILD の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第3展示室では、現在日本で活躍する5つの建築設計事務所を特集し、社会における建築家の役割という問いに対して、それぞれ独自のアプローチで挑んだ作品と思考を紹介します。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当常山未央+能作文徳建築設計事務所の展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当CHArの展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当第3展示室では、展示用の模型を日本からヨーロッパに輸送する際に使用した木製クレートを、展示什器の一部として展示しています。移動の痕跡を意図的に可視化することで、モノが移動した物理的な距離をデザインの一部として組み込んでいます。 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当トミトアーキテクチャの展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当ドットアーキテクツの展示 photo©Tom Bisig
日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当403architecture [dajiba]の展示 photo©Tom Bisig

第二展示室の出展者番号
1.Chie Konno / t e c o、2.Ishimura + Neichi、3.Suzuko Yamada、4.Lunch! Architects、5.Shun Takagi / Root A、6.SSK、7.Studio GROSS、8.Masaaki Iwamoto / ICADA、9.GROUP、10.Shigenori Uoya、11.mtka、12.Kengo Sato / Korogaro Association、13.VUILD、14.Keigo Kawai / TAB、15.Tsubame Architects、16.Maki Yoshimura / MYAO、17.Jumpei Nousaku Architects、18.Fuminori Nousaku Architects、19.Rui Itasaka / RUI Architects、20.Norihisa Kawashima / Nori Architects

以下、展覧会のステートメントです。


「Make Do With Now」展では、現在日本で活躍する新世代の建築家・都市計画家の思考やプロジェクトを紹介します。

1970年代半ばから1990年代半ばに生まれた建築家たちの多くは、2011年の東日本大震災・福島第一原子発電所事故以降に独立して活動し始めました。
この世代は、人口減少、高齢化、地方の過疎化、全国的な空き家の増加、営利目的の建築家不在の都市開発、経済不況、そして言うまでもなく地球温暖化の問題など、この国が現在直面している様々な喫緊の課題に取り組まなければならない立場にあります。

しかし、この世代の建築家の多くは、諦観に陥ることなく、これらの課題に真正面から取り組むことを選択しています。彼・彼女らは、自らが置かれた厳しい立場を強みに変え、限られた資源、身近な材料、既存の空間を利用して創造的に「やりくり」する、クリティカルで環境や社会に配慮した様々な実践を展開しています。

近年の海外での日本の現代建築のイメージを特徴づける、クリーンなラインやミニマルな空間とは対照的に、これらのプロジェクトは、敢えてラフな部分を残すという、これまでとは決定的に異なる美意識に基づく戦略を実践しています。

これらの実践者は、周辺的な立場から仕事をするにせよ、制度の隙間をうまく利用するにせよ、あるいは従来見過ごされてきたプロセスで何らかの役割を担うにせよ、「建築家=作家」という従来のイメージとは根本的に異なる、新しい建築の主体性を明確に打ち出しているのです。

スイス建築博物館(S AM)は、展示シリーズ「Learning From」の一環として、スイス国内外における建築の議論に広く影響を与える海外の動向や新しい展開を定期的に取り上げています。S AMは、今日の日本で展開されているこれらの取り組みは決して小さな現象ではなく、むしろ持続的な成長のパラダイムの先にある未来と折り合いをつけようとしている世界にとって、極めて重要な意味を持つものだと考えています。

建物の改変、素材の再利用、参加型デザイン、ソーシャルデザインなど、日本で特に積極的に行われてきた取り組みは、スイスやヨーロッパの建築でも徐々に主流になりつつあります。その意味で、このような日本での展開は、グローバルな議論に大いに貢献するものです。彼・彼女らは、「やりくりする」ことは決して不足を意味するのではないということを実証しています。彼・彼女らはむしろ、今あるものがすでに十分過ぎるほど豊かであると認識した時、その先に創造的な繁栄がもたらされるのだということを、私たちに気づかせてくれるのです。

■展覧会概要

展覧会名:Make Do With Now:New Directions in Japanese Architecture
(Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性)
会場:スイス建築博物館(S AM)
会期:2022年11月12日~2023年3月12日
キュレーター:篠原祐馬
出展者:403architecture [dajiba]、CHAr、ドットアーキテクツ、GROUP、岩元真明 / ICADA、Ishimura + Neichi / 石村大輔+根市拓、佐藤研吾、ランチ!アーキテクツ、村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所、吉村真基建築計画事務所、川島範久建築設計事務所、能作文徳建築設計事務所、ノウサクジュンペイアーキテクツ、高木俊 / ルートエー、板坂留五 / RUI Architects、SSK、スタジオグロス、河合啓吾 / TAB、金野千恵 / t e c o、トミトアーキテクチャ、ツバメアーキテクツ、常山未央、魚谷繁礼建築研究所、VUILD、山田紗子建築設計事務所
会場構成:関祐介
展示グラフィックデザイン:75W / ティルマン・S.ウェンデルシュタイン
映像:スタジオグロス
写真:伊丹豪
テキスト和訳:坂本和子
会場写真:Tom Bisig

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GROUP村山徹加藤亜矢子吉村真基佐藤研吾VUILD板坂留五ランチ!アーキテクツノウサクジュンペイアーキテクツ関祐介石村大輔CHAr篠原祐馬スタジオグロス伊丹豪根市拓高木俊SSKドットアーキテクツスイス魚谷繁礼ツバメアーキテクツ河合啓吾tomito architecture403architecture [dajiba]金野千恵山田紗子川島範久建築展常山未央岩元真明能作文徳
2022.12.06 Tue 13:06
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    architecture|feature
    美術館・博物館ザハ・ハディドシンガポール
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    ザハ・ハディド・アーキテクツが設計している、シンガポールの新科学センターです。
    全ての国民がアクセス可能な教育と体験の施設です。建築家は、5つのヴォリュームが公園の上に浮遊する外観を特徴とする、科学への好奇心と革新性を与える為の建築を考案しました。そして、内外に様々な学習の為の空間が備えられています。2027年の開館を目指すとの事です。

    こちらはリリーステキストの翻訳

    シンガポールの新科学センターのデザインが発表

    シンガポールの科学センター委員会は、全てのシンガポール国民がアクセスできる、科学、技術、工学、数学(STEM)の教育や体験ができるユニークな施設やプログラムを提供する新しい科学センターの設計を発表しました。新科学センターは、1977年の設立以来、若い世代の子どもたちに好奇心と革新性を与えるという機関の使命を引き継ぎ、新しい場所と施設を活用して、シンガポールのあらゆる世代の人々が生活における科学技術の重要性に触れ、それを理解できるよう、アウトリーチを拡大する計画です。

    シンガポールのジュロン湖庭園の自然景観からヒントを得て、新しい科学センターは、将来を見据え、訪問者が周囲の庭園や湖と触れ合う機会を最大化するものです。ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)がアーキテクツ61とコラボレーションして設計したこのセンターは、5つの直方体が連なった構造になっており、展示ギャラリー、インタラクティブラボ、イベントスペースに加えて、来場者のための付帯施設、管理事務所、アーカイブ、サービスエリアが設置されています。

    湖を戦略的に見渡す「単眼鏡」の役割を果たす大きな窓が組み込まれた新科学センターの5つのボリュームは、それぞれセンターの屋内と屋外スペースの関係を強化するようユニークに方向づけられます。周囲の公園から浮いているように見えるこのデザインは、隣接するMRT駅から中国庭園内のパゴダへと続く一連の中庭と庭園を定義しています。学習スペースの為の多様な屋内、屋外、屋上とともに、新科学センターは、科学と自然に出会うエキサイティングな訪問地となり、地域社会のイベントにも多くの機会を提供することでしょう。

    新科学センターには、既存のギャラリーの2倍以上の広さのチルドレンズ・ギャラリーがあり、特有のインタラクティブな屋外水遊びエリア、二次林での発見コース、屋上庭園でのセンサリー・トレイルが含まれる予定です。高学年の生徒、科学概念の実践学習ができる専門のラボやワークショップへの参加を期待する事ができます。例えば、新しいエコラボは、生徒の科学的な調査をサポートします。エコガーデンから直接採取したサンプルを分析し、学校や自宅で学習用デバイスを使って、IoT(Internet of Things)機器によりサンプルを収集したデータをモニターし続けることができ、学習体験を見学の域を超えたものにすることができます。このセンターでは、プログラムや展示を通じて、垂直農法など持続可能な社会の実現に向けた教育を行っています。

    新科学センターには、天文学者の卵たちが宇宙について学ぶための天文台、起業家精神を育むインキュベータープログラムのあるデジタルファブリケーションラボ、若い発明家たちが想像力を発揮するためのメイカースペースなどが設置される予定です。新しい屋外アクティビティ・プラザはセンターの焦点となり、STEMプログラムやコミュニティ活動を提供する予定です。

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    • 富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、東京の「路地テラスの家」。路地奥の旗竿地に建つ再建築不可の木造の修繕。“竿”部分を歩く際の“唯一無二”の体験を取り込む為、母屋の一部を減築した“路地テラス”を考案。素材等も連続させて南側の“縁側テラス”へと導く
    • レム・コールハース / OMAの会場構成による、イタリアのプラダ財団での展覧会「リサイクリング・ビューティー」。中世からバロック時代での古代遺産の再利用に注目。アクリル製台座やオフィスチェアを用いた実験的な展示形式で、作品の詳細な観察を促進。断片化・再利用・解釈の重要性を伝える

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