SHARE 坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、東京・銀座の、商業施設内のディスプレイ「TDS New Balance SS23」。“ジェンダーニュートラル”を謳うブランドの為に計画。性の区別なく“サイズピッチ”が変わる製品特徴に着目し、商品陳列時の“裾のライン”に沿った勾配の什器を考案。傾斜方向は既存のアート作品との調和も意図
坂本拓也 / ATELIER WRITEが設計した、東京・銀座の、商業施設内のディスプレイ「Uni-ssentials by TOKYO DESIGN STUDIO New Balance SS23 @DOVER STREET MARKET」です。
“ジェンダーニュートラル”を謳うブランドの為に計画されました。建築家は、性の区別なく“サイズピッチ”が変わる製品特徴に着目し、商品陳列時の“裾のライン”に沿った勾配の什器を考案しました。また、傾斜方向は既存のアート作品との調和も意図されました。本作品は、2023年4月26日まで、ドーバーストリートマーケット銀座の2階で見る事ができます(公開当初は4階に設営されていました)。
ニューバランスが展開するライフスタイルブランド「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance」がローンチするコレクション「Uni-ssentials by TDS」のためのディスプレイ。
「Uni-ssentials by TDS」は、ジェンダーニュートラルの本質の探求を試みるコレクション。
アパレルは、メンズ・レディースの区別なくひとつの規格でサイズ展開され、各アイテム/各サイズで最適な着丈や身幅で着用できるようにサイズピッチが調整されている。
そこで、個々のアイテムの特徴というよりも各サイズ間にある変化(サイズピッチ)に着目し、多様な体型に寄り添うコレクションの試みを表現しようと考えた。
具体的には、全てのサイズを陳列しサイズピッチを勾配に置き換え、幅広い丈の変化を可視化した。
勾配は、ラインナップの中で特にサイズピッチの大きいジャケットをサイズ順に陳列した際に繋がる裾のラインに沿わせている。傾斜地用の自在ジャッキベースを使い、支柱を傾けて足場材を組み上げた。なお、傾斜方向を背面の施設内パブリックアート(名和晃平さんによる「White Pulse」)と合わせることで、相互の調和を図っている。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
ニューバランスが展開するライフスタイルブランド「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance」がローンチするコレクション「Uni-ssentials by TDS」のためのディスプレイ。
「Uni-ssentials by TDS」は、ジェンダーニュートラルの本質の探求を試みるコレクション。
アパレルは、メンズ・レディースの区別なくひとつの規格でサイズ展開され、各アイテム/各サイズで最適な着丈や身幅で着用できるようにサイズピッチが調整されている。
そこで、個々のアイテムの特徴というよりも各サイズ間にある変化(サイズピッチ)に着目し、多様な体型に寄り添うコレクションの試みを表現しようと考えた。
具体的には、全てのサイズを陳列しサイズピッチを勾配に置き換え、幅広い丈の変化を可視化した。
勾配は、ラインナップの中で特にサイズピッチの大きいジャケットをサイズ順に陳列した際に繋がる裾のラインに沿わせている。傾斜地用の自在ジャッキベースを使い、支柱を傾けて足場材を組み上げた。なお、傾斜方向を背面の施設内パブリックアート(名和晃平さんによる「White Pulse」)と合わせることで、相互の調和を図っている。
フットウェアはトレイル(未舗装路)ランニングシューズが原型ということで、水平面を設けず傾斜にそのまま陳列した。
■建築概要
件名:Uni-ssentials by TOKYO DESIGN STUDIO New Balance SS23 @DOVER STREET MARKET GINZA
所在地:東京都中央区銀座6-9-5
用途:物販・インスタレーション
施主:ニューバランスジャパン
設計:坂本拓也 / ATELIER WRITE
施工:TANK
面積:3m2
竣工日:2023年3月30日
会期:2023年3月31日~2023年4月13日
写真:長谷川健太
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・造作家具 | 本体フレーム | くさび式足場 Aタイプ(信和) |
内装・造作家具 | 支柱ベース | 自在ジャッキベース(信和) |
内装・造作家具 | 手すり接合部 | |
内装・造作家具 | ハンガーバー接合部 | ミニクランプ φ31.8×φ48.6(コメリ) |
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This is a display for “Uni-ssentials by TDS,” a collection to be launched by TOKYO DESIGN STUDIO New Balance, a lifestyle brand developed by New Balance.
“Uni-ssentials by TDS” is a collection that attempts to explore the essence of gender neutrality. The apparel is available in only one standard without distinction between men’s and women’s sizes, and the size pitch is adjusted so that each item and each size can be worn at the optimum length and width.
Therefore, rather than focusing on the characteristics of individual items, I focused on the variation (size pitch) between each size, and tried to express the collection’s attempt to accommodate a variety of body shapes.
Specifically, all sizes were displayed and the size pitch was replaced with a slope to visualize the wide range of length changes. The slope follows the hemline of the jackets which has the largest size pitch in the lineup. The scaffolding materials were assembled by tilting the support columns using a flexible jack base for slope. The direction of the slope is in harmony with the public artwork (Kohei Nawa’s “White Pulse”) in the facility to the rear.
The footwear was originally made for trail (unpaved road) running shoes, so it was displayed on the slope without a horizontal surface.
Uni-ssentials by TOKYO DESIGN STUDIO New Balance SS23 @DOVER STREET MARKET GINZA
Location: 6-9-5 Ginza, Chuo-ku, Tokyo
Use: Product sales, installation
Client: New Balance Japan
Design: Takuya Sakamoto / ATELIER WRITE
Construction: TANK
Area: 3m2
Completion date: March 30, 2023
Period: March 31, 2023 – April 13, 2023
Photo: Kenta Hasegawa