湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 屋上テラス photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザイン が設計した、東京・中央区の複合型テナントビル「TOKYO MIDORI LABO.」です。
植物を扱う企業が複数入居しています。建築家は、緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案しました。また、植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る事も意図されました。
植物と人の営みが共存する複合型テナントビルTOKYO MIDORI LABO.は3面道路に接道した敷地に建つ。
ひらけた環境はよいものの、このエリアの魅力である小さな建物フットプリントによる街の回遊性を生むスケールからは少し大きな印象を受ける敷地であった。
そのため、ボリュームをずらしながら、3面それぞれに正面性や建物内外を繋ぐ出入り口や開口部、バルコニーを持つ、多面的な建築を考えた。建物構成としては、敷地中央にEVと階段の縦シャフトを配置し(樹木の幹のように)、その周辺に機能ボリュームを立体的に配置した(樹木の枝葉のように)。
そもそもこのプロジェクトの発端は、クライアントである安田不動産と、都市生活と植物の距離を縮める多様な取り組みをしているDAISHIZENがパートナーとなりスタートした新しい複合型テナントビルの展開である。DAISHIZENのパートナーとして入居するテナントには「緑」のスペシャリストを集め、「緑×建築、都市、IT」等といった、これまで交わらなかった会社を掛け合わせることになった。それらの会社同士を、積層しつつ、「緑」や環境を設え、どう混ぜるかを考えた。
そこで「植物」だけを自然として捉えるのではなく、働く人や空間に現れるものすべてを自然として捉え、テラスの植物が成長すると、人の居場所も変化するように、オフィス空間と植物空間が、対になって働く(影響し合う)状況を、目指した。
従来のテナントビルのような床を積層してつくる均質的な構成ではなく、光や風や外部との関係により影響を受け、ある種の不均質さを持ったオフィス環境とすることを考えた。
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湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 1階、温室 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 1階、飲食店 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 1階、飲食店 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 2階、パブリックテラス photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 2階、パブリックテラスから3階へ上がる階段 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 屋上テラス photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 屋上テラス photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観、夜景 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観、夜景 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 外観、夜景 photo©鳥村鋼一
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 1階平面図 image©オンデザインパートナーズ
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 2階平面図 image©オンデザインパートナーズ
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 3階平面図 image©オンデザインパートナーズ
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 4階平面図 image©オンデザインパートナーズ
湯浅友絵+萬玉直子+オンデザインによる、東京・中央区の「TOKYO MIDORI LABO.」。植物を扱う企業が複数入居。緑と建築の混合に加えて街のスケールとの調和を求め、量塊をずらしテラス等を外部に表出させた“多面的な”構成を考案。植物に加え働く人も“自然と捉え”て相互が影響し合う状況を作る 断面パース image©オンデザインパートナーズ
以下、建築家によるテキストです。
植物と人の営みが共存する複合型テナントビルTOKYO MIDORI LABO.は3面道路に接道した敷地に建つ。
ひらけた環境はよいものの、このエリアの魅力である小さな建物フットプリントによる街の回遊性を生むスケールからは少し大きな印象を受ける敷地であった。
そのため、ボリュームをずらしながら、3面それぞれに正面性や建物内外を繋ぐ出入り口や開口部、バルコニーを持つ、多面的な建築を考えた。建物構成としては、敷地中央にEVと階段の縦シャフトを配置し(樹木の幹のように)、その周辺に機能ボリュームを立体的に配置した(樹木の枝葉のように)。
そもそもこのプロジェクトの発端は、クライアントである安田不動産と、都市生活と植物の距離を縮める多様な取り組みをしているDAISHIZENがパートナーとなりスタートした新しい複合型テナントビルの展開である。DAISHIZENのパートナーとして入居するテナントには「緑」のスペシャリストを集め、「緑×建築、都市、IT」等といった、これまで交わらなかった会社を掛け合わせることになった。それらの会社同士を、積層しつつ、「緑」や環境を設え、どう混ぜるかを考えた。
そこで「植物」だけを自然として捉えるのではなく、働く人や空間に現れるものすべてを自然として捉え、テラスの植物が成長すると、人の居場所も変化するように、オフィス空間と植物空間が、対になって働く(影響し合う)状況を、目指した。
従来のテナントビルのような床を積層してつくる均質的な構成ではなく、光や風や外部との関係により影響を受け、ある種の不均質さを持ったオフィス環境とすることを考えた。
それぞれ会社は、自分のフロアを使うだけでなく、緩いコミュニケーションが生じ、複合のよさを感じられるよう、ビル全体に、植物空間が居場所を繋ぐ役割を果たす。ボリューム同士がずれることで発生するテラスやバルコニーなど屋外空間は、外の働く場所になり、そこではフロアを跨いだり、周辺の街と関係したりと植物空間が触媒となり混ざる。建築材料は、緑や人の背景となるようドライでニュートラルな工業製品とし、風や光と共に植物の居場所を設えている。
TOKYO MIDORI LABO.ができたことで、そこになっている果実や、ハーブ、野菜が,通る人たちのコミュニケーションのきっかけを生んでいる。さらにはこのエリアの長期的な緑の取り組みもTOKYO MIDORI LABO.を拠点にスタートしつつある。人と植物と空間がひとつの生態系として、街に現れることで、生きている建築を目指している。
■建築概要
題名:TOKYO MIDORI LABO.
所在地:東京都中央区日本橋浜町
主用途:複合用途(飲食店+事務所)
設計:オンデザインパートナーズ
担当:湯浅友絵、萬玉直子、西田司、鈴江悠子、伊藤健吾
施工:ペンタビルダーズ(五洋建設グループ)
協力:ASA、明野設備研究所、岡安泉照明設計事務所、SOLSO
構造:鉄骨造
階数:地上4階 塔屋1階
敷地面積:212.20m2
建築面積:212.20m2
延床面積:527.23m2
設計:2017年2月〜2019年3月
工事:2019年3月〜2020年1月
竣工:2019年7月
写真:鳥村鋼一
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外構・床 外構 コンクリート舗装+土
南隣地側:砕石25φ程度
外装・壁 外壁 ネオマ耐火スパンウォール (旭化成建材 )+波板大波(セキノ興産 )
南側外壁:ALC外壁パネル
屋外階段一部:くさり樋ensui (タニタハウジングウェア )
屋外階段+キャットウォーク+アートベンチ:菱形金網、ウェーブラス、厚層金網、溶接金網(小岩金網 )
外装・屋根 屋根 デッキスラブEZ50+コンクリートt80+ウレタンフォームt50+アスファルト防水+押さえコンクリートt80
外装・建具 開口部 植物プラント:ARM-S (三協アルミ )
その他:MTG-70 (三協アルミ )
内装・床 1階飲食床 コンクリート金鏝押さえ、モルタル薄塗り
内装・壁 1階飲食壁 PB+EP塗装
内装・天井 1階飲食天井 天井現し
内装・床 1階厨房室床 長尺シート(サンゲツ )
内装・壁 1階厨房室壁 PB+EP塗装
内装・天井 1階厨房室天井 ケイカル板+EP塗装
内装・床 植物プラント床 土
内装・壁 植物プラント壁 PB+波板大波(セキノ興産 )
内装・天井 植物プラント天井 天井現し
内装・床 1階共用部+WC床 コンクリート金鏝仕上げ
内装・壁 1階共用部+WC壁 PB+EP塗装
内装・天井 1階共用部+WC天井 PB+EP塗装
内装・床 各階WC床 塩ビタイル
内装・壁 各階WC壁 PB+EP塗装
内装・天井 各階WC天井 PB+EP塗装
内装・床 オフィスA~C床 鋼製束+パーティクルボードの上塩ビタイル
内装・壁 オフィスA~C壁 耐火スパンウォール現し
内装・天井 オフィスA~C天井 天井現し
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