光本直人+濱名直子 / ミハデザインの内装設計による、東京・杉並区の「Well-Blend 阿佐ヶ谷」です。
賃貸集合住宅の共用空間での計画です。建築家は、街と緩やかに繋がる在り方を目指し、地域と既存の特徴を読み解いて一般開放も想定したポケットパークやオープンラウンジ等を構築しました。そして、“公私の間の柔らかな場”を運営と空間の両面から作る事が意図されました。
リビタの提案する多機能交流型賃貸住宅「Well-Blend」の第一号物件「Well-Blend阿佐ヶ谷」の共用空間と家具の設計を担当しました。
「Well-Blend」は、「住まう」機能に加え「働く」「食べる」「整える」など、生活を豊かにする様々な機能を兼ね備え、多様な人々が心地よく混ざり合うことを目指した賃貸住宅です。
第一弾となる今回のリノベーションの対象となった既存建物は1989年竣工のRC造4階建・延べ床面積約1500㎡、阿佐ヶ谷駅から北口商店街を抜け、15分程歩いた住宅街のバス通り沿いに建つ企業の社員寮でした。
60室ある個室はもともと水回りが完備されており、その専有部のプライベート性は確保したまま共用部に多様な用途や機能を付加し、一部を開放可能とすることで、生活における様々な要素が互いを引き立て合いつつ心地よく混ざり合いながら暮らすことがテーマとされました。
私たちは「阿佐ヶ谷」という場所柄、また「目の前にバス停」「道路から少し下がった建物エントランスまでのアプローチ」「円弧状にカーブした共用部の外郭」など既存建物の特徴を読み取りながら、まちとゆるやかにつながる空間を考えていきました。
道路から建物へのアプローチは広めに空地が設けられていたため、植栽エリアを一部変更してキッチンカーなども置けるスペースをつくり、バスを待つ間や毎年行われているジャズストリートなどのまちの催しの際にもちょっとした居場所となるポケットパークを計画しました。そして、60cm程下がった建物のエントランスから既存食堂の厨房を結ぶ壁を斜め方向に新たに配置し、奥の共用部へとゆるやかに誘導しつつ、豊かな木々の庭を介してまちとつながり、穏やかに過ごし語らえる場がうまれることを目指しました。
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以下、建築家によるテキストです。
リビタの提案する多機能交流型賃貸住宅「Well-Blend」の第一号物件「Well-Blend阿佐ヶ谷」の共用空間と家具の設計を担当しました。
「Well-Blend」は、「住まう」機能に加え「働く」「食べる」「整える」など、生活を豊かにする様々な機能を兼ね備え、多様な人々が心地よく混ざり合うことを目指した賃貸住宅です。
第一弾となる今回のリノベーションの対象となった既存建物は1989年竣工のRC造4階建・延べ床面積約1500㎡、阿佐ヶ谷駅から北口商店街を抜け、15分程歩いた住宅街のバス通り沿いに建つ企業の社員寮でした。
60室ある個室はもともと水回りが完備されており、その専有部のプライベート性は確保したまま共用部に多様な用途や機能を付加し、一部を開放可能とすることで、生活における様々な要素が互いを引き立て合いつつ心地よく混ざり合いながら暮らすことがテーマとされました。
私たちは「阿佐ヶ谷」という場所柄、また「目の前にバス停」「道路から少し下がった建物エントランスまでのアプローチ」「円弧状にカーブした共用部の外郭」など既存建物の特徴を読み取りながら、まちとゆるやかにつながる空間を考えていきました。
道路から建物へのアプローチは広めに空地が設けられていたため、植栽エリアを一部変更してキッチンカーなども置けるスペースをつくり、バスを待つ間や毎年行われているジャズストリートなどのまちの催しの際にもちょっとした居場所となるポケットパークを計画しました。そして、60cm程下がった建物のエントランスから既存食堂の厨房を結ぶ壁を斜め方向に新たに配置し、奥の共用部へとゆるやかに誘導しつつ、豊かな木々の庭を介してまちとつながり、穏やかに過ごし語らえる場がうまれることを目指しました。
オープンラウンジ・ブックサロンなど、共用部の一部は地域に開放されることも想定され、「食べる・集う・働く」などの様々な活動に使用できます。バス通りに向いた円形カウンター、壁に添うように置かれたベンチ、多様な形・数に組み合わせが変えられる1/4円のテーブル、大勢で囲むことができるダイニングテーブルと、もともとの建物の形状・個性を活かし、際立たせつつ様々な使い方・場面に対応できるよう工夫しています。
これらの共用スペースのあり方は古くから阿佐ヶ谷という土地に多くの文化人が暮らし、交流してきた歴史からも由来しています。ブックサロンには社員寮だった頃の蔵書に加え、新たに選書された書籍が加わり自由に閲覧できます。また共用空間全体はピンクグレイをベースとした色調で、落ち着いたあたたかさを感じさせながらも外構でも使われる仕上げ素材を選択することで、感覚的にも内輪になり過ぎず、ここに住まう人にとっても来訪者にとっても居心地の良い「プライベートとパブリックの間のやわらかな場」を運営と空間の両面からつくり出そうとしています。
■建築概要
用途:寄宿舎
所在地:東京都杉並区
企画・プロデュース・統括設計・運営管理:株式会社リビタ
デザイン監修・共用部内装家具設計・一部個室家具設計:株式会社ミハデザイン
設計・監理:株式会社ベイス
施工:株式会社ストラクス
植栽:有限会社ブロカント
サイン:高い山株式会社
構造・規模:RC造地上4階
延床面積:1518.90m2
設計期間:2021年12月~2022年6月
施工期間:2022年4月~8月
写真:morinakayasuaki